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これが、パクリの爆撃機か・・・
決して、パクリばかりでは・・・
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「ほう、これが四発爆撃機か。」 と陸軍の幹部が仰ぎ見る。 機体がデカイから、仰ぎ見るのである。 「双発とは、大きさが全然違うのだな。」 と陸軍の幹部。 「最低でも、ハワイまでは飛べないと、燃料が、それで大きくなったのです。」 と開発技師らが答える。 「それなりの爆弾を搭載して洋行爆撃しなくてはなりませんから。」 「うむ。」 「それで、何トンの爆弾が搭載できるんかね。」 と幹部が聞いた。 「え、え、と、2トンですが・・」 と技師が答える。 「では、双発の倍か!」 「そりゃぁ、四発ですから。」 納得の陸軍幹部であった。 そして、陸軍の連中がかえっていって・・・「ふう、ヤツらは帰ったか。」 「爆弾搭載量に文句が無くてよかったよ。」 「そうですね、ほとんど燃料ですからね。」 「それは、いうなよ。」 四発爆撃機は、翼には燃料タンクは載せていない。 それは、防弾防炎燃料タンクが胴体の半分を占めていたからだ。 四発は高額である。 ポンポンと墜ちては堪らないのである。 洋行爆撃する乗員の育成も大変なのだ。 それは、米国訪問旅客機から得た教訓だった。 GPSやロランなどの、お助け道具がない時代である。 天測やラジオ受信での航法は経験がモノをいうのである。 (欧州の戦争で、航法を誤り迷子となった米軍爆撃機の悲惨な話は少なくない。) それで、翼の燃料タンクは廃止したのだ。 乗員の生命維持が一番なのだ。 洋行して、爆撃して、帰還しなければならないからだ。 (第二次大戦で、米軍はサイパンから飛ぶ、B29のために無線中継など、かなりの軍事費を費やした。) 「で、洋行爆撃の中継所はどうすんだ?」 「オレは、フネしかないと思うんだ。」 「中継船か。」 「そうだ。」 「では、前もって航行させねばならんのだな。」 「まあ、そうなるな。」 「それしかないか。」 「それは、模擬空戦には必要ないんじゃあ。」 「いや、フランス大会の次は英国大会だ。」 「つまり、これで英国まで飛ぶと。」 「そうなるな。」 「では、北極航路の開拓が・・」 「そうなるな。」 「無理だな。」 「あ、あ、夢物語だな。」 「いや、ギリで行けるぞ。」と、技師のひとりが地球儀を持ってきた。 「いいか、地球は丸いんだ。」 「おまえは、ガリレオか。」と突っ込みが入る。 「四発は爆弾なしなら、航続距離は伸びるんだ。」 地球儀に巻き尺で距離を出した。 「いいか、9600キロあるんだ。」 「四発は爆弾無しなら6000キロは飛べるんだ。」 「爆弾を増槽と思えば、いけるぞ。」 爆弾よりガソリンは軽いのだ。 「計算は、そうだが途中でなんかあったら・・」 「そんなこと言ってたら、外も歩けないぞ。」 まあ、そうだ。 冒険にはリスクはあるのである。 「まあ、模擬爆弾はフネで送るしかないな。」 「船便だな。」 「郵送でもいけそうだ。」 「爆薬は模擬だから積んでないからOKだな。」 まあ、模擬爆弾はガラン胴だから郵便でもいいが・・・ 大きさ制限はいいかよ、と具体的な話になる。 「いいか、まだ陸軍の採用通知が来てないんだ、それからだ。」・・・話が早すぎた・・・・・・
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