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オオカミとの死闘
もはや、これまでか。
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荒野を走ること三日で、幼女は「この辺です。」 という。 しかし誰もいない。 幼女はおろかオオカミもいないのだ。 遅かったか。 みすみす処女を殺されて終わりか。 荒野だから木も森もない。 荒れた野原のみだ。 見れば誰もいないのがわかるのだ。 「遅かったのか。」 オレはつぶやいた。 ボロボロになり救援を求めた幼女は無意味だったのか。 そのとき遠くでオオカミの遠吠えが聞えた。 逃がすものか、ハービーのエンジンが吼える。 アクセルべた踏みだ。 シートベルトが肩に食い込む。 米軍の戦闘用四駆はダテではない。 オオカミがいる、幼女が倒れている。 オレはハ-ビーでオオカミを蹴り飛ばした。 オオカミは逃げていった。 幼女が腕を食われて虫の息だ。 救援車の救急セットで止血し、オレの町まで自動運転で走らせた。 助けられるかギリギリだ。 さらに幼女をさがした。 足がない者や腕が食われている者など10人ばかり救急措置を施した。 すると新しいハービーが走ってきた。 リカ子と番台女だ。 さすがオレの正妻だ。 遊んではいない。 さっそく、リカ子に幼女らを預けた。 リカ子は人造人間であるが、人造人間の対処は心得ていた。 虫の息の幼女らは生命を取り留めたのだ。 食われた腕などは、オレの町の集中治療室で再生できるのだ。 まあオレは人造人間ではないから再生は出来ない。 100人以上、オオカミに食われたと見るべきだ。 案内した幼女は泣いていた。 もうオウオウと泣く。 「仇は取る。」 オレは宣言した。 処女はオレの物だ。 それを食われて報復しないやつはオトコではない。 眼には目だ。 オレは六本オオカミを殲滅する、一匹残らず殺すのだ。 案内の幼女をリカ子らに預けて、六本オオカミのネグラをさがした。 たぶん岩山などが生息地だろう。 定番だからだ。 リカ子らを待機させた場所から動かないように指示し、オオカミの探索だ。 岩山をさがして、居ないところをつぶしていく。 もう6ケ所目だ。 どこにいるのか。 仇を取ることを考えて、警戒がおろそかになっていた。 前方にオオカミらしい影がさえぎる。 オレは岩の間に入った影をハービーを降りて追った。 岩の影から10匹以上のオオカミが襲ってきた。 いかにオレがすごいとも、これではヤラレテしまう。 オレは逃げた、しかしオオカミは足が速い。 囲まれた。 万事窮すだ。 オオカミはオレの周りを廻り始めた。 クルクル、クルクルと廻り始めたのだ。 群れの統率が取れている。 どれだ、ボスは。 オレはボスをさがした。 そいつを殺っければ、生きて帰れるかもしれない。 しかし、どのオオカミがボスがわからなかった。 どうするオレ、オレはどうするんだ。
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