ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

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これが、陸軍の空母かっ!!!

全通甲板だが、停止させるワイヤーが無いぞ。

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 「これパット見、空母に見えますけど・・・」「着艦用の停止させるワイヤーが・・・」と、斎藤君がいう。
「君、痛いことろを突くねえ。」と、陸軍の士官だ。
 「それは君、着艦用のワイヤーを知ってるなんて、スミに置けないね。」
「いえ、子供の科学という雑誌に空母が記述されて、米軍の空母の写真がありましたから。」と、斎藤君がいいわけだ。
 「確か、甲板の下にコイルバネで・・・」と、説明する。
「そうなんだが、うまいかんのだ。」と、陸軍の士官がいう。
 「海軍へ教えてもらえば・・・」
「ヤツらから教えてもらうくらいなら、米軍の方がマシだ。」と、陸軍が怒りの鉄拳を・・・あげる。
 まあ、陸軍が自前の空母を持ってる段階で気づくべきなのだが・・・
猿と犬より仲が悪い、海軍と陸軍だ。
 それも、昨日今日ではない歴史と伝統とメンツがあるのだ。
飲み屋で顔を合わせると、ケンカだ。
 酒が入ってるから・・・殺し合いまでにはならなおが・・・けが人は多々・・・出るそうだ。
欧米でも、陸軍と海軍同志は仲が悪いそうだが・・・日本ほどではないようだ。
 島国根性が日本は強いから・・・その影響が大きいからだそうだが・・・
なんとも言えない。

 互いに兵器の使う修理工具から差があるのだ。
陸軍機と海軍機とは、機器も違いがあるのだ。
 規格からして差があるのだ。
現在の自衛隊でも、その伝統は引き継いでいるのだ。
 もちろん、表面上は言わないが・・・内心はあるに決まってる!
ヒトは、そう簡単に性格は変わらない。(臨死体験でもすれば性格が変わるらしい。)
 制服でも、海軍の紺色7つボタンはカッコイイのだ。
陸軍のカーキー色の制服は・・・やぼったいのだ。
 「まてよ、これなら甲板から発艦できそうだな。」と、斎藤君だ。
「このフネなら飛行爆弾が使えそうですよ。」と、参考意見だ。
 「なんだと、それもそうだな。」と、士官が頷いた。
「この空母は敵艦への対抗武器が無いからな。」と、機銃を示す。
 機銃は敵戦闘機用だ。
「魚雷は、海軍が渡してくれないからな。」と、飛行爆弾へ期待する陸軍士官だ。
 「まあ、満州で実用化試験しだいですけど。」と、言い訳する斎藤君だった。

 数日で大連の港へ・・・
そこから、輸送トラックで奉天市へ・・・
 荷台で積荷と同乗する斎藤君である。
それからが、大変だったのだ。
 道路は凸凹だ。 
そして、砂埃がすごいのだ。
 「これでは、エンジンへ砂埃が入って・・・エンズトしかねないぞ。」と、危惧する。
なんせ、エンジンのキャブレターは霧吹き式のカンタンなやつだ。
 それで、空気清浄の細かいアミなどは・・・考えていなかったのだ。
「代用品はないものか。」と、積荷を漁るが・・・あるわけない!
 「どうしたものか。」と、思考をめぐらすが・・・良いアイデアなぞ浮かばないのだ。
「なんとか、実験する平原に着くまでに・・・」と、考える斎藤君である。
 突然、トラックが停止した。
別に、なにかあったのかな?
 運転手がボンネットを開ける。
単なる故障のようだ。
 当時の自動車は路上でよくエンコしたのだ。
オーバーヒートで煙を吐くクルマなんて、いくらもあったらしい。
 「くそっ、キャブが詰まったらしい。」と、屁垂れる運転手だ。
「原因はキャブですか。」と、斎藤君がシャシャリ出る。
 まあ、カンタンな焼き玉エンジンを設計、製造できる腕があるから・・・その辺の整備士より、はるかにマシなのだ。
 「見せてください。」と、エンジンを覗く。
「燃料はキャブまできてますね。」と、黄色いゴム管を見る。
 「なら、このキャブはフロート式ですから・・・」と、ネジ回しで空気清浄器を外して・・・
「空気清浄器が・・・砂だらけですよ。」と、紙が茶色に砂でなってる・・・
 その紙を外して、砂を払った・・・
そして、キャブのフロートをトントンとつついて・・・動くように・・・
 そして、プラグを外して、点火する接点のススを取り除く。
「あんた、さすがだねぇ~。」と、感心する運転手だ。
 
 「エンジンを掛けてみてください。」「おう、そうか。」
ちなみに、エンジンは手動でクランクを廻すのだ。
 スターターモーターは当時は、まだ無い。(米国では使われていた。)
クランクは下手に廻すと、エンジンが掛かって反動でクランクが跳ね返り・・・ケガをすることもあるらしい。
 「ブル、ブル、ブルルン。」と、エンジンがかかった。
「行くぞ、予定より遅れたぞ。」と、陸軍の士官が叫んだ。
 満州平原を目指して実用化試験隊は進んでいく。
やがて、陸軍の自動車部隊が待機している場所へ到着する。
 「おう、遅いぞ。」と、陸軍のお偉いさんが自動車から降りる。
「遅れました。」「実験隊、ただいま到着しました。」と、士官が敬礼だ。
 「うむ、ごくろう。」と、幹部が答礼だ。
「それで、飛行爆弾は、どれだ。」と、興味深々なようだ。
 「50キロ先の目標へ爆弾を投下できるとは信じられんからな。」と、幹部がいう。
当時の陸軍の最大火力が野砲である。
 しかし、10キロ先も飛行機から着弾観測なしでは無理だ。
普通、10キロ先なんて地平線のむこうだからだ。
 「聞いた話だが・・・丘の向こうへも届くらしいな。」と、遥か先を示す。
「え、え、そこまでの距離と方向がはっきりすればですが。」と、斎藤君だ。
 「つまり、偵察した場所へだな。」
「そうです。」
 まさか!の顔の陸軍幹部だ。
 
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