ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

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欧州視察団の来訪!

まさに、不思議の国だ。

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 「視察団を迎える準備は、整ったかな。」と、陸軍の幹部が視察に会社を来訪する。
大事なお得意様だからか・・・社長が応対だ。(まあ、表面上はペコペコだ。)
 「はい、整っておりますです。」と、禿げた頭をペコペコである。
「うむ、一応見せてもらおうか。」「どうぞ、こちらへ。」
 本社屋の裏にある工場へ案内だ。
「こちらの工場をあんないする予定でして。」「うむ。」
 そこは、木材を加工して部品を造っているところである。
模型飛行機は動力がゴム動力だ。
 それで、機体は軽くなければならない。
バルサ材という南方のマレー半島あたりから運んでくるらしいが・・・
 「それで、こちらがエンジンの・・・」と、エンジン製造工場を・・・
そこは、2サイクルの焼玉エンジンを造ってるところだ。
 日本の輸出産業でもある模型用エンジンである。
大きさは、シリンダー容量が2ccから20ccまでの10種類ある。
 すべて、フリーフライト機用だ。
つまり、エンジンのコントロールがないエンジンである。(安価なのだ。)
 欧州には子供へ定まった、おこずかいを与える習慣が無いそうだ。
それで、子供がねだっても親が財布にやさしい金額が必要なのである。
 ちなみに、フリーフライト機というのは・・・舵が無く、ただ真っすぐに飛ぶだけの飛行機だ。
それで、広い場所が必要である。(内地では無理だ。)
 外見はグライダー風の機体に、小さなエンジンと2枚プロペラだ。
小さな燃料タンクが付いていて・・・だいたい、5分ほど飛行する。
 欧州の記録では、タンクを増量して20キロ先まで飛んだことがあるそうだ。

 「ふむ、まあいいだろう。」と、上から目線で陸軍の幹部が・・・
「それで、肝心の無線操縦の飛行機は?」と、聞いてくる。
 「あ、あ、それは別棟でして。」と、社長が案内だ。
フリーフライト機と無線操縦機とは、外観が全く違うのだ。
 無線操縦機は、現実の飛行機に似ているのである。
民間の小型飛行機を模した外観だ。
 胴体の上に翼があり、セスナという民間機やハイパーカブという小型機を模している。
大きさは、翼幅が2メートル・全長が1,5メートルほどである。
 そして尾翼の方向舵(ラダー)がゴム動力の装置で動くのだ。
エンジンは20ccの大型模型用の馬力があるヤツだ。
 機体が重いから・・・2~3馬力ないと飛べないのだ。
「電池は?」と、陸軍幹部が聞く。
 社長が・・・ギョッとする。
電池は市販品を使ってるが・・・ということになってるが・・・ 
 市販品なぞ、重いだけで電力もショボイ・・・電池の持ちが悪いのだ。
それで、市販品に似せてるが・・・犬塚君が改良した中身は違うヤツなのだ。
 「これです。」と、自転車のライト用の電池(ナショナル乾電池)を見せる。
「うむ、まあいいだろう。」と、幹部が・・・
 電池を手に持たなくてよかったよ・・・なんせ、軽いのだ。
ナショナル乾電池の半分ほどの重さだからだ。
 でないと、機体が重くなるからだ。
ゼロ戦と同じで、1グラム単位で重さを管理している無線操縦機なのだ。

 「裏で飛行を披露するんですよ。」と、社長が幹部を外へ・・・
どうやらバレなかったようである。
 もちろん、無線操縦機は輸出品では無いのだ。
あくまで、日本の模型飛行機のレベルを披露するためだ。
 「じゃあ、ワシにも見せてくれ。」と、幹部がいう。
そうなると踏んでいた社長だ。
 テントや机、椅子も用意してあるのだ。
どうやら、無線操縦模型飛行機を初めて見るようだ。
 市販しているが・・・カンタンに親が子供に買い与える値段では無いからだ。
現在でも、ラジコン飛行機の飛行は見たヒトは少ないと思う。
 なんせ、広い場所が中々無いからだ。
ちなみに、電気モーターのラジコン飛行機があるが・・・あんなものガキの玩具だ。
 飛行機はエンジンがイイのだ。
エンジンこそ、男のロマンなのである。
 サイトウ君がエンジンを手で廻して掛ける。
「バ、バ、バ、バ。」と、なかなか五月蠅い。
 犬塚君が手を上げる。
機体を離すサイトウ君だ。
 「スル、スル。」と、機体はすべりだして・・・
軽く地面を蹴って飛び上がる。
 慣れたモノだ。
陸軍幹部が見守る中を、旋回を繰り返して飛行する無線操縦機だ。
 15分も飛行したかな・・・やがて、エンジン回転を落として・・・
「スーーーーーーッ。」と、降下して地面に着地した。
 そう、滑走なんてしなくて・・・着地だ。
なんせ、操作できるのが尾翼の舵(ラダー)とエンジンの動作だけだからだ。
 これが、主翼のエルロンや尾翼の昇降舵が加わると違うのだが・・・
「ほう、なかなかの飛行ができるんだな。」と、感心する幹部だ。
 「まあ、速度は速くありませんので。」と、謙遜する犬塚君である。
実際の研究中の無線操縦の飛行爆弾は時速が500キロ以上を・・・
 そんなもの、外国の視察団へは見せられないから・・・
少なくても、敵の対空機銃を避けることができなければならないからだ。
 それに、ヒトが乗ってないから・・・かなり無理な動きをしてもOKなのだ。
現在は対Gスーツで耐えてる戦闘機パイロットだが・・・
 当時は、急旋回の対Gに耐えられなくて気絶することも・・・もちろん、墜落は免れない・・・
無線操縦機は、ヒトが乗っていない、それで無理な動きでもOKなのである。



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