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郊外の屋敷
どこに、捕らわれているのか。
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ロンメロ夫人が受け取った親書の場所にロボット犬が到着した。 モスクワ郊外の森の中だ。 小藪の中にロボット犬は隠れた。 そして、あたりをうかがう。 クルマが入ってくる。 玄関で停まる。 オトコが数人降りた。 屋敷に入っていった。 ロボット犬は藪から出た。 屋敷に近づく。 犬の鼻先を屋敷の壁のレンガにくっつけた。 鼻先は微細振動音声高感度感知マイクだ。 建物内の音を集める。 そして、その音を波長や音色にわけて人間の声を分離できるのだ。 そして、その音声は、数十キロ離れた海底軍艦のCICに送られる。 それと同時に音声は高速光通信演算機で翻訳されるのだ。 屋敷内の会話は、すべて聞き逃しはしない。 「グレゴリー議長殿、今のところロンメロはおとなしくしており、不穏な動きはありませんが。」 「うむ、用心すぎることはないから、油断するなよ。」 「わかっております。」 「うむ、ワシはロンメロに顔がバレているから、面会はしない。」 「うまい食事でも食わせて油断させておけ。」 「わかりました。」 どうやら、屋敷内にロンメロ将軍が捕らえられているのは間違いないようだ。 それを聞いたアイシャやレンジャー隊員らは、今夜に救出作戦をと決定する。 「ローラ、引き続き偵察を続行してくれ。」 相方のレンジャーがローラに告げる。 やがて、グレゴリーと思われる人物は屋敷からクルマで出て行った。 レンジャー隊員とアイシャらは、救出作戦を立案する。 基本的に、シナのウイグル少女救出と同じ作戦だ。 屋敷のロンメロ将軍以外は、すべて殺傷する。 外部との通信手段は切る。 最悪の場合、つまり失敗ならロボット兵器はロンメロ将軍ごと核爆発で証拠隠滅することとした。 フローラに同意書の署名を(核兵器は軍規で、極秘だ。)・・・ フローラは、しばらく考えていたが、「わかりました、最悪、主人ごと爆破してください。」 と署名する。 「この書類は将軍を助け出したら、フローラさんの面前で破棄しますので、安心してください。」 「いえ、主人は理解してくれます。」 と答えただけだった。 独逸帝国では、救出は無理だ。 まだ、国に余裕がないからだ。 ロンメロ救出に貴重な人材を浪費したら、ロンメロは悲しむであろうことは明白なのだ。 なんせ、相手は熊のソ連だ。 刺し違える以上の覚悟でないと勝てない相手だ。 イワノーシェフ書記長でさえ、ロンメロを助けることは出来ないのだ。 ここで、ロンメロを助け出せば独逸帝国に恩を売れるのにだ。 つまり、ソ連を2分するほどの内乱と同じなのだ。 だから、イワノーシェフも、場所を独逸帝国のフローラにリークすることしか出来なかったのだ。 ・・・やがて、深夜の1時だ。 「VTOL発進。」 ロボット兵器を積んだVTOLが海底軍艦飛行甲板から飛び立つ。 見送りはない。 隠密行動だ。 VTOLにはヒトは乗っていない。 操縦士もロボットだ。 そして、無線操縦が切れても、行動プログラムが作戦遂行を維持できるように、すべてをウイグル少女が育てた自我に目覚めた蓄積記憶装置のロボットで固めた。 つまり、日本軍情報部の最強チームがモスクワの屋敷を目指す。 ロンメロ奪還なるか、暗黒の空にVTOLは音も無く飛翔する。
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