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フローラの実家。
フローラ、動き出す。
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日本政府からの衛星通信で、ロンメロ夫人(フローラ)へのプライベートな話が総理夫人のハンナから届いた。 それは、日本のロボットチームがシュリーマン捕縛の作戦中であるが、フローラしかできない相談であった。 宝石は豊かな国に集まる。 そして、名だたる有名宝石となると、欧州の王族とか貴族が占有となるのだ。 それで、フローラの先祖は、遠くルネサンス時代の頃の名家からの血筋である。 没落貴族といえども、いちおう貴族である。 先祖は名家であった。 現在は名ばかりではあるが、フローラはお城で幼少期を過ごした。 「もう、帰るのは何年ぶりかしら。」 馬車にゆられて実家を目指すフローラだ。 フローラの実家も、娘が現在、独逸帝国のロンメロ夫人だ。 独逸帝国のファーストレディである。 しかも貴族の家柄だ。 箔は十分についていた。 没落した実家も、フローラのおかげかお家の再興の夢がムクムクと沸いているのだ。 だから、フローラは実家で、歓迎されたのである。 「おかあさま、お久しぶりですわ。」 「お、お、フローラ、我が名誉な子よ。」 もう、眼がお金の母親だ。 そう、利権が、独逸帝国の巨大な利権がフローラについているのだ。 軍事産業から石油利権までが、ロンメロ夫人には・・・だ。 それを、振りかざさないフローラだが。 「かあさま、うちの、セーヌの調べは?」 「え、それは・・・」 怪訝な顔で、「どうするんです。」と母親。 「私に渡してください。」とフローラだ。 「でも、あれは、当家の宝よ、あんなもの売れはしないわよ。」 有名な宝石は、普通の闇市では無理だ。 それなりの、顔がないと扱えない。 「かあさま、石油の商いの利権の一部を。」 「それが交換条件ですか。」 「え、え、だから私に。」 「わかりました、うちの隠し財宝を渡しましょう。」 そして、名だたる宝石は欧州で売りに出された。 その情報は、例の宝石商に、その日のうちに入る。 そして、翌日にはグレゴリー夫人(ナターシャへ)伝わった。 そして、ナターシャはダンナに。 そして、ダンナのグレゴリーは翌日にはシュリーマンへ。 その電話を、ワンコ2号が盗聴しているとも知らずにだ。 リーラがワンコ2号からの情報を得る。 そして、甘木隊長へ、「さすが、もう、なんとも。」 とリーラにイチモク置く隊長だ。 セーヌの調べとは、ダイヤで曲のオタマジャクシになぞらえた首飾りだ。 大粒の古いダイヤが、クラシックカットで、さも曲を奏でるようにきらめくのだ。 そして、ダイヤはフローラから宝石商へ、そして、そのセーヌの調べを眼にした、ナターシャは、「シベリアの涙を手放しても、手に入れたい。」 と、しかしシベリアの涙は手放せない。 予算が足りない。 ナターシャはグレゴリーへ。 それで、グイゴリーはシュリーマンへとなる。 金塊を受け取る手はずを聞き出したワンコ2号から、情報がリーラに入る。 そして甘木隊長は作戦を立てた。 「作戦、決行は、今夜だ。」 とうとう、大勝負の時は動き出したのだ。 はたして、シュリーマンは現れるのか。
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