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魚雷だ。
どこの攻撃だ。
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イワノビッチは潜望鏡を覗いて指令する。 「角度は15度で、扇状に発射する。」 「用意はいいか。」 魚雷のランプは、まだ赤だ。 準備中なのだ。 まあ、新型で慣れないこともあるが、シナの水兵だからか。 ランプが青だ。 「艦長、用意できました。」 「うむ、では秒読みだ。」 時計の針が9,8,7、・・・2,1. 「発射。」 「魚雷でました。」 「うむ、命中までは?」 航海士が、「30秒です。」 「うむ。」 艦長のイワノビッチは潜望鏡で確認する。 停泊している海軍艦艇に命中すれば、スタコラと逃げねばならない。 「時間は?」 航海士はダンマリだ。 「時間は?」 「ロストしました。」 「え、4発、扇型だ、ハズレはしないが。」 爆発音が聞えない。 なぜだ、わからない。 仕方がない。 「再度、魚雷装填だ。」 とイワノビッチだ。 他の2隻はどうしたのだ。 後ろに付いて来ているハズだ。 しかし、日本軍のクジラ通信機なぞ無いから、通信手段が浮上して無線しかないのだ。(無線は海中では通じない。) ここで、浮上すれば日本軍に見つかるのだ。 まあ、アクテブソナーでも信号換わりに打ってもいいが、日本軍に知られてしまうのだ。 「再度、装填できました。」 「うむ、今度は15度ではなく、集中して発射だ。」 つまり、1隻狙いだ。 数は当てようと欲張るとダメだ。 しょぼいシナ海軍だ。 1隻に絞って攻撃だ。 「いいか。」 「魚雷室っ。」 「用意できました。」と返答だ。 「では、用意っ、発射だ。」 とイワノビッチは指令した。 「今度こそ当ってくれ。」 神に祈る艦長だ。 しばらくして、「ドウウウウウウンン。」 と地響きだ。 「やったぞ。」 艦内は拍手喝采だ。 潜望鏡を見る。 なんやら、わからんが・・・ 「艦長、ソナー音です。」 「いかん、反転して、さらに潜航だ。」 小型のUボートは運動性能はいいのだ。 潜航しながら反転して逃げるUボートだ。 とても、他の2艦にかまってられないが、爆発音で雷撃成功はわかったはずだ。 事前の計画どうりなら着いてきてるはずだ。 「ソナー音、遠ざかります。」 ふう、助かった。 さすが、独逸帝国のUボートだ、逃げ切れた。 「日本領海を出たら、一度浮上する。」 「ハイ。」 副官も上機嫌だ。 日本海軍に、一泡吹かせたのは間違いないのだ。 やがて、領海を出る。 「ベント開け、浮上しろ。」 「ベント開きます。」 Uボートは浮上した。 「付近に、航空機反応なし。」 「よし、ハッチ開け。」 「空気入れ替えます。」 久々の、外気にふれる。 艦の後ろには2隻のUボートが浮上している。 よかった、無事だったんだ。 まあ、今は戦時ではないから追撃はないと思う、艦長だ。 「とにかく、攻撃がバレないように、廻り道してシャンヘイに帰るぞ。」 「わかりました。」 副官は、「信号手、他の2艦に伝達せよ。」と指示している。 まあ、なんとか逃げ切れたと思ったイワノビッチ元ソ連海軍艦長、現シナ海軍艦長だ。
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