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使える潜水艦だ。
新型がいいとは限らない。
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また、呉鎮守府での潜水艦艦長会議(親睦会)の会場である。 大方の意見は、新型にあたまりつつあった。 ここで、それに否を唱えるヤカラが出現する。 政府の予算削減の回し者ではないが・・・ 「私は、いままでのイ号の電子装備の改良でイイかと。」 えっ、こいつは何を言い出すんだ。 鎌倉造船からの回し者は唖然とした。 あらかた、新造で決まりかけていたのに。 「どうしてかね。」 議長が聞いた。 「それは、イ号が体に染み付く使いかっての良さだ。」 「ふむ。」 「艦長として、フネの状態が計器を観んでもわかるんだ。」 「オレは、そこまでは・・・」 とつぶやく者も。 「もちろん、原子力ではないし、旧軍然とした名前だが。」 「静粛性はピカいちだ。」 確かに静穏モーターは無音だ。 スクリューも、廻し方では無音だ。 「私は、潜水艦の隠密性なら、独逸のUボートなぞ数にも入れとらん。」 大きな自信だ。 「電子部品には改良すべき点は多い、しかし船体形状は究極と言っていいと思うんだ。」 誰もが黙ってしまった。 イ号艦長は偵察任務が主だ。 今は戦時ではない。 仮想敵国(シナやソ連)の動きを観察したり警戒するのが仕事だ。 まだ、どのイ号潜水艦も偵察する相手に悟られたことは無いのだ。 完全なる隠密行動で、悟られない自信は艦長全員が持ってるだろう。 潜水艦は、相手に察知されたら海中の棺おけだ。 忍者は存在がバレたらおしまいである。 「そうだな、欲をいえばコーヒーをトヨス自動車製にしてほしい。」 「確かに、そうだ。」 「陸軍戦車はトヨスの豆でトヨス焙煎のコーヒーらしいぞ。」 「ほんとうか!」 「うむ、オレの弟は陸軍だから、知ってるんだ。」 「なんとも、うらやましい。」 「まあ、潜水艦はトヨス自動車では造ってないからな。」 コーヒーメーカーは鎌倉造船製なのだ。 悪くはないが、満州国の米軍で鍛えられたトヨス製とは勝負にならない。 豆も専属トヨス農園なのだ。 うまいコーヒーは戦力なのだ。 ヤル気と自信がみなぎるのだ。「コーヒーだけでも、トヨスにできないかな。」 「そうだ、そうだ。」 「それは、無理だ。」 「どうして?」 「陸軍が独占してるんだ。」 皆、沈黙だ。 陸軍と海軍の固執は、まだ、あるのだ。 「おい、おまえの弟は陸軍戦車隊だろ。」 「あ、あ、対馬守備隊だ。」 「ほう、最前線か。」 「まあな。」 「なら、豆だけでも廻せ。」 「えっ、それは・・・」 「そこは、捻じ込め。」 イ号、新造の話がコーヒー豆争奪戦に成り果てた、もう著者は、ナンモ言うまい。 後日談、鎌倉造船の社長が、トヨス自動車コーヒー販売課へ、コーヒー豆の買い付けの日参をしてるとか、してないとか・・・
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