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これは、どうするんだ‼
衛星からの画像。
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「これは・・・・」 危機管理局の係官が衛星画像を見て、固まっていた。 画面には、3000隻あまりの漁船だ。 それが、群れをなして、日本本土に近づきつつあったのだ。 「至急、フィルム写真だ。」 「あ、あ、わかった・・」 「回収のVTOLを待機させておけ。」 「・・」 「おい。」 「ハイ。」 「総理に連絡は?」 「そうだった、走れ。」 「イヤ、ここは赤電話だ。」 (緊急回線の電話だ。) 「ルルルルルルル。」 「ん、赤電話か。」 「私だ。」 「なに・・・わかった。」 総理は赤い受話器を置いた。 そして、黒い電話を取り、「掃海艇の本部だ。」・・「わたしだ、九州沿岸に網を張ってくれ。」 「うむ、全掃海艇で頼む。」 「そうだ、すべてだ。」 「責任はワシが執る。」 受話器を置く。 そして、また黒電話だ。(北の将軍様ではない。)「イ号総司令部か。」 「うむ、出撃命令だ。」 「全、イ号はシャンヘイからの舟に警戒を、できれば沈めろ。」 「いいんだ、これは総理命令だ。」 「これは、指示ではない、命令だ。」 「くそっ、お花畑の潜水艦隊めっ。」 と愚痴る総理だ。 「対馬の警備本部か。」 「うむ、招集だ。」 「15分後に命令を送る。」 「防人隊に命令だ、これは演習ではない、命令だ。」 ・・・ 「総理、集まりました。」 参事官が伝える。 「よし、閣僚会議だ。」 ・・・ 危機管理局の地下室から上へ、総理執務室だ。 全員ではなかったが、集められるだけ集まった。 「どうしたんですか?」 「総理、なにが・・・」 総理はプリントを配る。 赤い軍事機密の印がでかい。 ・・・「まさか。」 「本当ですか・・」 「これは、戦争ですぞ。」 「同盟国には・・」 「知らせてある。」と総理だ。 「この疫病兵とは?」 と大蔵大臣だ。 「それは、病原菌をまき散らす兵隊だ。」 「それは、国際条約で・・」 「あんな国が、約束など守るもんか。」 口汚くののしる総理だ。 「3000隻の漁船で、疫病兵が日本を目指しているんだ。」 「軍艦ではないじゃないか、民間の舟では攻撃できない。」 「じゃあ、疫病が・・」 「それは、言っていない。」 「どうすんだ。」 「内閣がもたないぞ。」 開戦となれば閣議どころではない。 戦時内閣となる。 基本的人権を制限する戦時法が・・・ 考えるだけでも恐ろしい。 総理は、「ここは、オレが全部引き受ける。」 「全責任はオレが執る。」 「いいか、すべてオレの所為だと。」 「それは、できない。」 「そうだ、全員の責任だ。」 「総理ひとりをオトコにはできない。」 「オレもオトコだ。」 「ここは、開戦だ。」 「まて、その前に3000隻の・・・」 「おれが、責任を・・・」 総理は指示を各部署にだしといてよかった・・・と思った。 「今上陛下には・・」 とうとう、誰かが・・ 「わかった、わたしが報告しよう。」 総理は責任を陛下には、失敗したら日本は滅ぶ、その責任を・・・
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