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ロンメロ、後継者を育てる。
やはり、最前線がイイのだ。
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ロンメロ将軍は、半年ぶりに帝都に戻った。 いままで、戦闘指揮車のキューポラ(砲塔の出入り口)からソ連やシナの広大な大地を、ながめていたが・・・ 「やはり、前線がイイな。」 と、こぼすのである。 ロンメロは、前線のオトコなのである。 「あなた、おかえりなさいな。」 とフローラが迎える。 「いま、帰った。」とロンメロだ。 と、ノックの音が、「入れ。」 とロンメロが答える。 ドアが開いて、フローラの第1秘書が、「フローラ様、おクルマの用意が・・」 「わかったわ。」 秘書がさがった。 「あ、あ、今から新型駆逐艦の進水式なのよ。」 「そうか。」 「では、行ってくるわ。」 トコトコとフローラは出かけた。 車列をつくって、フローラは出かけて行った。 今しかない、そうだ、オレは前線のオトコなのだ。 戦闘指揮車から、ながめる戦場がオレの場所なのだ。 今回の長征で悟ったロンメロだった。 「副官を呼べ。」 とロンメロは電話する。 しばらくして、ドアにノックだ。 「入れ。」 とロンメロ。 「お呼びで。」 と副官だ。 「どうも、ここは平穏すぎていかん。」 「わかりました、では用意をしておきます。」 「うむ。」 副官は下がった。 ロンメロは手短に伝言を書いた。 フローラへ、『シナが不穏な動きがあるらしい、また連絡する。』と書いた。 シナが不穏な動き、まあ、叩けばホコリが舞い上がるシナである。 まあ、ロンメロは言い訳を書いたのである。 そして、帝都からスタコラサッサと訓練場へ戦闘指揮車で進撃である。 「パンッアーフォー。」 指揮棒が振られる。 先頭はバイク2台である。 もちろん、サイドカーには機関銃だ。 高速戦闘車が4台続く。 そして、ロンメロ騎乗の戦闘指揮車である。 そして、情報収集車、衛星通信車、etc・・・ バイクは市販車ではない。 軍事戦闘バイクである。 悪路走行からバックギア装備のスグレモノである。 高速戦闘車は無限軌道がタイヤに替わった車両だ。 時速100キロ巡行可能である。 上はG型戦車と同じである。 タイヤはゴムではない。 金属の繊維で編み込んだ樹脂で作られている。 そして、空気は入っていないのだ。 つまり、パンクなど無い。 すこし、乗り心地が劣るが・・・ そして、ロンメロ騎乗の戦闘指揮車だ。 これは、山田総理が引退すると聞いたロンメロの餞別返しである。 ロンメロは山田総理引退に際して餞別を送った。 餞別といっても金銭ではない。 倫理委員会構想と場所やソ連やシナの参加をとりつけたことへの、返礼であった。 ロンメロが喜ぶモノを、山田君は理解していたのである。 武器などは、米英の軍事同盟国への配慮からか、なかったが・・・ 日本の民間企業の技術で作られている戦闘指揮車である。 軍事技術は使われていないのだが・・・ 高速演算機、情報通信装置、イマドコ装置などの民生部品が惜しげもなく、おごられているのだ。 そう、軍事製品より、進んでいる民間部品がである。 ロンメロは戦場が手に取るようにわかり、狂喜したのだ。 敵を知り、己を知れば100戦危うからずとは、古代のシナの賢者の言葉だ・・・・・・
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