死神が死んだ日

 “そこ”は、あの世でもこの世でもない、死者達が生者の命を掛けて戦う世界‥‥。
 鐘ヶ江幸人は、最強の死神となるべく養成所に通う死神候補生。やる事なす事空回りする、やる気だけが取り柄の彼はしかし、「触れた相手が死んだ十分前に戻り、死の運命を変えられる」というとんでもない能力を持っていた。
 ひょんなことから幸人が自分の能力に気付かず触れてしまった相手は、綿貫という初老の男性だった。魂だけが蘇るという中途半端な形で生き返ってしまった彼は、幸人に自身の魂を完全に復活させることを要求する。
 罪悪感から彼の要求を叶えようとする幸人だったが、そう簡単に事は運ばないようだった。彼の魂を狩ったのは、“最強の死神”と名高い冷泉颯だったのだ。
 自分と冷泉の圧倒的な実力差を思い知った幸人は、彼を倒すため、死神と対立する存在、“守護霊”に助けを求めようとするが‥‥…。
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