魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南

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レティシア・ロレンツィテェ、5歳になり前世と神界とのことを思い出した。

本当に転生したんだぁ……。

鏡に映るのは白銀色の髪に金の瞳の美幼女。前世は平凡な容姿だったため今世は将来が楽しみだ。

「お嬢様、準備が整いましたので参りましょう」

侍女に促されソファーから立ち上がる。生まれた先はアルフロンサス国、公爵家の次女。
王家の次に権力がある家で1歳になる前には家庭教師が付き色々と学ばされてきた記憶がある。

今日は5歳になり洗礼を受けるため父親と共に神殿に行く。自領にも神殿はあるが貴族の洗礼は王都の神殿で行うのが通例となっていて、この日のためだけに王都の屋敷に来ていた。

「お父様、お待たせしました」

先に玄関にいた父に淑女の礼をした。父は私を一瞥すると何も言わずに馬車に乗り込む。私もそれに付いていく。
父と母は政略結婚で2人の間には愛はなく、子供の私に対しても愛はなく義務だけで育てられてる。実際、面倒を見てくれるのは侍女で父や母は指示出してるだけ。

馬車の中でも一言も会話することもなく神殿に着いた。神殿は白を基調とした建物で王城に次いでの大きさだ。

「ロレンツィテェ公爵様、公爵令嬢様、ようこそいらっしゃいました」

50代半ばの白いローブを着た神官が出迎えてくれた。

「今日はよろしく頼む」

父の言葉の後に淑女の礼をし中に入る。奥に進むと大きな水晶があり、その前に行くよう促された。

「アルストルの神々よ。どうか私に祝福を」

決めれた言葉を述べ水晶に手をかざした。

『いらっしゃい、レティシア』

リュヌ様のお声だわ。

『君の生に幸多からんことを』

ありがとうございます、リュヌ様。

私の前には半透明の液晶が浮かんでいた。

【名前】レティシア・ロレンツィテェ
【年齢】5歳
【魔力】∞

それ以上の情報はなく少し胸を撫で下ろす。全てを父に知られたら馬車馬の如く働かされそうで怖かった。

「ま、まさか……0?」
「神官長!  この事は内密に!」
「は、はい。もちろんです」

0でなくて無限なのですが?  もしかして∞の記号がない世界なのかしら?

父は強引に私の腕を掴むと馬車に放り込んだ。赤くなった腕を擦りながら父を見上げるとそこには恐ろしい形相をした父の顔があった。

「ロレンツィテェ家の恥さらしが!  お前のような者は我が家の者ではない!」

馬車が止まると私は突き落とされた。

「その面を次に見せた時はその命ないものと思え!」

ちょっと待って!っと止める間もなく馬車は走り去っていった。

ええーー!?  5歳児を捨てたの?まじで?

あまりのありえなさに暫く動くことすら出来なかった。

擦りむいた手のひらや膝が痛くなって我に返る。
全属性適用だから治癒も出来るはず。

「【治癒】」

一瞬で傷が消えた。さすが魔力チート。

さてどうしようかな。とりあえず能力の把握をしておこうかな。たしかステータスで確認できて、ステータス・オープンで周りの人にも見せられるはず。

「【ステータス】」

【名前】?
【年齢】5歳
【レベル】1
【体力】10
【魔力】∞
【物理攻撃】1
【物理防御】1
【魔法攻撃】100,000
【魔法防御】100,000
【属性】全属性
【スキル】全属性魔法Lv1、鑑定Lv1、無限収納
【ユニークスキル】神通販、経験値10,000倍、必要経験値1/100

名前が?になってる!  家から追放されたせいなのかな。
名前付けるセンスないんだよね、どうしようー。前世の名前は日本人ぽいから違和感あるし。
んー、ティナしよう。何か響き可愛いし。ステータスの名前のところがティナになった。

これからどうしようかしら。
冒険者ギルドには洗礼を受けた5歳から登録可能になるから、それは確定として何処で登録するかだ。

あの父に見つかるのは嫌だから国を出ていくのが1番安全。

迷宮都市でも目指そうかなぁ。中央都市を除いて1番大きいのは国2つ先にあるスレーナフス国のランロワ迷宮都市。ここからだとかなり離れているけど父には絶対会いたくない。

よし!ランロワ迷宮都市に行こう!

私は西に向かって歩き西の城門から王都を出た。誰もいないところまで行き神通販を起動する。

「【神通販】」

おすすめ
・魔道馬車ーー100,000,000,000
     寝室、お風呂、トイレ付き。
・ローブーー1,000,000,000
     アラクネの糸で出来ていてサイズ調整、温度調節、修復機能付き。
・錬金術辞典ーー100,000,000
    錬金術のすべてが書かれている。

おすすめを購入し他にも服や下着を何着か購入する。ローブは着替えの分も考えて全色買った。食べ物は地球産のを選んだ。
アルストルは食文化が地球に比べ発展してなくて、公爵令嬢といえど固いパンに味のない肉や野菜、スープだった。記憶が戻った今ではあの食生活は無理!
お米を食べたいし洋食や中華も食べたい。神通販を大いに利用させてもらおう。

魔道馬車は馬も魔道具で出来ていて普通の馬車より揺れも少なく倍の速さで走れる。とても高価なもので王族や上位貴族、大商人しか持っていない。

護衛もいないから盗賊にも狙われやすいので結界魔法を掛けて中に入る。中は空間魔法で広くなっていて私が買った魔道馬車は20畳ほどの広さがあった。

ソファーも置いてあるしテーブルもある。ソファーに座り魔道具に手を翳して馬車を動かした。外から中は見えないが中から外は見える仕様になっている。



2か月掛けてランロワ迷宮都市に着いた。道中、神通販で薬草を買って錬金術でポーションを作ったり、杖を作ったりした。杖は大きくて持てなかった。小さいのだと私の魔力に耐えられなくて壊れてしまった。魔物や盗賊も出てきたが全て結界に弾かれてた。私はその様子を見ていただけ。

城門前で魔道馬車を無限収納にしまい列に並ぶ。数十分待って私の番になった。

「嬢ちゃん、1人かい?お父さんやお母さんは?」
「親には捨てられました」
「……そうかい。ここには何にしに来たんだい?」

物乞いしに来たとか勘違いされてるのかな?

「冒険者ギルドに登録しに来ました」
「嬢ちゃんがか?」
「はい!」
「……まだギルドに入ってないのならば中に入るのに銅貨5枚いるよ?」

無限収納から銅貨5枚出す。勿論、神通販で購入した。便利なことにお金まで売っていたのだ。

「それじゃ、この水晶を触って。青く光れば中に入れる。赤く光れば犯罪者だから捕縛されるよ」

差し出された水晶に手を置くと青く光った。

「ようこそ。ランロワ迷宮都市へ」
「ありがとうございます。冒険者ギルドへはどう行けばいいですか?」
「中央通りを真っ直ぐ進んでいけば右手に青い屋根で剣と盾の看板がある建物がそうだよ」

お礼を言って城門を潜る。中世ヨーロッパの街並みを歩いていくと冒険者ギルドがあった。中に入ると左奥が酒場になっているのか呑んでる人がいた。私は真っ直ぐ歩いて登録受付と書いてあるところにいく。カウンターは私より高いため魔法を使い浮かぶ。

「冒険者ギルドに登録したいです」
「あら、まぁ……」

受付けのお姉さんは目を見開いて私を見た。

「……浮かんでいるの?」
「届かなかったので」

まだ5歳、背が低いのは仕方ない。将来伸びるはずだ。

「文字は書けるかしら?」
「大丈夫です」

この世界、言葉も文字も通貨も共通になっている。
渡された紙に必要事項を記していく。書き終わったら受付けのお姉さんに渡した。

「魔術師なのね。それではこれに触れてちょうだい。魔術師の適正があれば青く、なければ赤くなるから」

ここでも水晶なのね。色んな水晶があるなぁと思いながら触ると青く光り魔術師の適正がありと判断された。

「では冒険者ギルドについて説明しますね」

ランクがありGから始まりSSSまである。
F、Eになるのにポイントを貯めればなれる。
それ以降はポイントが貯まり、条件をクリアしなければならない。
Sランクになればどこの国にも所属にしない中央都市に住めるようになる。
Bランク以上になると指名依頼が発生する。
Dランク以上でダンジョンに入れる。
依頼を失敗するとポイントが減り違約金が発生する。
違約金が払えない場合は借金奴隷になる。
ギルドカードは体内にしまえるようになっていて魔物を倒すと記載される。
ソロで倒せば魔物名の後に(ソロ)と記載される。
お金もギルドカードにしまえてギルドカードで買い物をすることが出来る。
依頼達成の報酬、魔物素材を売った金額の5%がギルドに更に5%が街の税金として取られるが、どこの国、街にいても別途税金を払うことはない。

「質問はありますか?」
「ギルドに関してはないです」
「それではこちらに手を添えてください」

出された四角い魔道具に手を翳すと魔力が吸い込まれていった。

「こちらがティナ様のギルドカードになります」

キャッシュカードの大きさのカードを受け取る。
カードには
【名前】ティナ
【職業】魔術師
【ランク】G 
【ポイント】0
と記されていた。カードを念じて体の中にしまう。

「高級宿を教えてください」
「高級宿ですか?」

5歳の子供が高級宿とは怪しいだろうがお風呂のない宿なんて無理なため笑って訝しげな視線を流す。クリーンという洗浄魔法はあるが、やはりお風呂には入りたい。

「……それでしたら【スーナの宿】がおすすめです。上位ランクの女性冒険者にも人気があり安全でもあります」
「ありがとうございます。依頼は何かありますか?」

依頼は貼り紙とかなく受付けで受注可能なクエストが紹介される。この世界は識字率が低いため文字を読めない人も多いためだ。

「Gランクは常時依頼のみでヒール草10束で1ポイント5ギル、スライム討伐10体で1ポイント10ギルになります。両方とも東の草原で達成出来ます」

ギルは通貨で1ギルでパン1個買える。
銅貨1枚1ギル
銀貨1枚10ギル
金貨1枚100ギル
白金貨1枚1,000ギルになる。

「分かりました。明日から活動したいと思います」

冒険者ギルドを出てスーナの宿に向かう。

「いらっしゃいませ!……お嬢ちゃんひとり?」

10代半ばの少女が私を見て首を傾げている。

「はい!  とりあえず10日お願いします」
「ええと~、1泊300ギルになるけど……?」

無限収納から金貨30枚出して少女に渡した。少女は目を丸くして金貨と私を交互に何度も見てる。

「ティファどうしたんだい?」

奥からどっしりした女性が出てきた。

「お母さん、この子なんだけど……」
「お金貰えたらならばお客様だよ!」

女性がティファと呼んだ少女の背を叩き叱責した。

「ごめんなさい。お部屋に案内しますね」
「よろしくお願いいたします」
「お食事は別途10ギルになりますがどうなさいますか?」
「食事は大丈夫です」

ご飯は神通販って決めてるからね。だって何処でも食事は似たようなものだし、違うのは素材がいい物か安い物かの違いだけなんだもん。

案内された部屋に入ると10畳ほどの広さでベッドとソファーがあり風呂とトイレもあった。不審者が入って来れないように部屋全体に結界魔法を施しソファーに座る。

「やるからには上を目指すかな。中央都市には神話級のダンジョンもあるしSランクになれば貴族並の発言力があるし、SSSになれば王様と同等になる。そうなればあの父親に見つかったとしても私に何か出来ることもない」

目指せ最高ランクと目標立ててランロワ迷宮都市での初日を終えた。



翌日、東の城門から外に出てヒール草とスライム討伐をしようとするがなかなか見つからない。

「何かいい魔法かスキルないかな。【神通販】」

おすすめ
・マップーー1,000,000,000
   検索機能、時計付き。

ほぉ! マップ機能もあるのね。早速買った。時計は高価なもので貴族か大商人しかもってないので時間が分かるのは助かる。

「【マップ】【ヒール草検索】【スライム検索】」

ヒール草は緑の点滅にスライムは赤く点滅した。これでサクサクいける。

近くにあったヒール草を鑑定しながら摘んでスライムがいる場所に向かった。スライムは水色で楕円の形をしている。

スライム
【レベル】3
【体力】50
【魔力】3
【物理攻撃】3
【物理防御】28
【魔法攻撃】1
【魔法防御】1
【属性】水
【スキル】分解Lv1

体力と物理防御が高いのね。

「【雷】」

水の弱点といえば雷。大惨事にならないように調節して放つ。ドーンとスライムに直撃して動かなくなった。

「【分解】」

水色の液体が入った瓶と小さな魔石が1個出た。瓶の要素はどこから?と思ったが仕様かリュヌ様の加護だろう。

「【ステータス】」

【名前】ティナ
【年齢】5歳
【レベル】5
【体力】15
【魔力】∞
【物理攻撃】2
【物理防御】2
【魔法攻撃】500,000
【魔法防御】500,000
【属性】全属性
【スキル】全属性魔法Lv2、鑑定Lv2、無限収納、マップ
【ユニークスキル】神通販、経験値10,000倍、必要経験値1/100

レベル5上がったのに物理攻撃と物理防御の上がり方おかしくない?  もしかして5レベル毎に1しか上がらないの?  物理攻撃はいいよ上がらなくても! でも物理防御上がらないとまずいでしょ?  2って一撃でチーンだよ? 結界魔法切らさないようにしなくちゃ。もしかして神界で物理いるか聞かれて断ったから? 防御もあるならもらえば良かった。体力も1レベルで1しか上がらないみたいだし。その分魔法の方は1レベルで100,000上がるみたいだしスライムのステータスと比べてもチートだよね。
本当は人を鑑定してみたいけどバレたら気まずいよね。

数時間かけてヒール草100束、スライム20体倒した。

【名前】ティナ
【年齢】5歳
【レベル】90
【体力】100
【魔力】∞
【物理攻撃】19
【物理防御】19
【魔法攻撃】9,000,000
【魔法防御】9,000,000
【属性】全属性
【スキル】全属性魔法Lv2、鑑定Lv3、無限収納、マップ
【ユニークスキル】神通販、経験値10,000倍、必要経験値1/100

あっという間にレベル90になった。スキルレベルは上がりにくいのか3にしかならなかった。

冒険者ギルドに行き依頼達成報告する。

「ギルドカードをお願いします」

ギルドカードを渡すと専用の魔道具に読み込ませてる。

「スライム20体確認取れました。依頼2回分で2ポイント20ギルになります」

10%引かれるから18ギルが取り分になる。

「ヒール草も集めてきたのですがどちらに出せばよろしいですか?」
「こちらで大丈夫ですよ」

無限収納からヒール草100束出したためカウンターの上がいっぱいになった。受付けのお姉さんは目を見開いてる。

「か、鑑定しますので暫くお待ちを」

何度かに分けて奥にヒール草を持っていった。奥を見ていると魔道具にヒール草をあてて何かしている。

あれが鑑定の魔道具なのかな?

「お待たせしました。全てヒール草と鑑定されました。依頼10回分で10ポイント50ギルになります。」

45ギルの取り分でスライムと合わせて63ギルか。

「お金はギルドカードに入れますか?」
「はい。お願いします」
「Fランクになるためのポイント10が達成されましたのでランクアップとなります。ポイントはクリアされEランクになるためには100ポイント必要になります」

クリアされるならヒール草2回分損したかも。まぁお金になったしいいか。

「素材買取はどちらですればよろしいでしょうか?」
「素材買取はあちらのカウンターでお願いします」

行列が3つほど出来るところを指された。あれに並ばないといけないのか。気が重い。

1番後ろに並び順番が来るのを待つ。ずっと立ってるのも疲れるので魔法で浮いた。周りの視線を感じるが気にしない。

順番が来てスライムの素材をカウンターに出した。

「スライムの液体か! しかも劣化防止の瓶に入ってるとはお主なかなかだな!」

何が言いたいのか分からず首を傾げる。手作業ですると難しいのかな?

「スライムの液体1瓶2ギル、スライムの魔石1つ1ギルで60ギルだ」

54ギルの収入で今日1日で合計117ギルか。宿代が1日300ギルだから赤字になる。神通販で交換出来るから大丈夫。

「ギルドカードに入れておいてください」

カードを渡してお金を入れてもらう。
ギルドを出ようとしたところで4人のガラの悪い冒険者風情に取り囲まれた。

「嬢ちゃん、アイテムバッグを渡してもらおうか?」

ヒール草出すところを見ていたのか。

「残念ながらアイテムバッグではなくスキルの無限収納なのでお渡しすることは不可能です」
「む、無限収納だと!?  聞いたことねぇぞ!」
「アイテムボックスとは違うのか!?」

アイテムボックスは魔力により収納出来る量が決まっていて時間経過もする。

「何でもいい!お前俺らのパーティに入れ!」

荷物持ち専用にするつもりか。

「お断りします」
「何だと!?」

耳が悪いのかしら?

「ですからお断りします!」

さっきより大きな声で拒絶を示した。

「お前、俺らが誰だか知らないのか!?」
「存じ上げません」
「俺らはCランクパーティ【紅の獅子】だ!」

Cランクといえば1人前と言えるけど威張るほどのものでもない。

「それがどうかしましたの?」
「貴様、俺らを愚弄したな?」

そんなつもりは少しもないけど言っても聞きそうにない。既に1人は鞘から剣を抜いてるし魔術師らしき人は長たらしい呪文も唱え始めた。

「やめなさーー」

ギルドの受付けのお姉さんの制止も届かず、攻撃をしかけられる。

「【捕縛】」

捕縛魔法を4人に掛けた。殺したら罪になるかもしれないから攻撃魔法は使えなかった。黒い蔓に絡め取られた男たちは床に転がってる。黒い蔓は魔力も吸い取るので魔術師も何も出来ない。

「大丈夫ですか?」

受付けのお姉さんがカウンターを越えてこちらに来た。

「攻撃されそうになりましたので捕縛しました」

敵だよね。敵ならいいよね。

4人に向かって鑑定を掛けた。

【名前】バズ
【年齢】27歳
【レベル】24
【体力】180
【魔力】70
【物理攻撃】163
【物理防御】84
【魔法攻撃】25
【魔法防御】23
【属性】土
【スキル】剣術Lv3
紅の獅子のリーダー

【名前】ターン
【年齢】22歳
【レベル】18
【体力】145
【魔力】90
【物理攻撃】74
【物理防御】148
【魔法攻撃】23
【魔法防御】133
【属性】火、土
【スキル】盾術Lv3
紅の獅子メンバー

【名前】ガラ
【年齢】27歳
【レベル】23
【体力】156
【魔力】71
【物理攻撃】93
【物理防御】32
【魔法攻撃】21
【魔法防御】27
【属性】闇
【スキル】索敵Lv4、投擲Lv3
紅の獅子のメンバー

【名前】ナサ
【年齢】25歳
【レベル】20
【体力】105
【魔力】165
【物理攻撃】79
【物理防御】24
【魔法攻撃】173
【魔法防御】82
【属性】水、氷
【スキル】水魔法Lv2、初級氷魔法Lv3
紅の獅子のメンバー

Cランクなのに低すぎない?
これが普通なのかな?
体力や物理では負けてるけどレベルや魔法では断然私のが上だ。

「ギルド同士の喧嘩は規約違反です。紅の獅子はポイント減点のうえ罰金をお払いください」

受付けのお姉さんの言葉に紅の獅子は顔を歪ませてる。

「そ、そいつは?」
「ティナ様は攻撃魔法を放っていませんので違反しておりません」

攻撃魔法放ってたら私も罰則受けてたのか。世知辛いな。捕縛魔法なら無問題ならば今後絡まれても同じようにすればいいか。

紅の獅子たちは受付けのお姉さんに連行されてギルドの奥に消えていった。

私が魔法を使えるということで、その後何組かのパーティから声が掛かったが魅力的なパーティがなかったため丁重にお断りした。

スーナの宿に帰る頃には精神的にクタクタで風呂に入ってさっさと寝た。



翌日朝早くからギルドの受け付けに行く。

「依頼を受けたいのですが何がありますか?」

ギルドカードを出して確認してもらう。

「Fランクの依頼も常時依頼になっております。マナ草10束で1ポイント10ギル、ゴブリン討伐10体1ポイント15ギルになります。この依頼も東の草原または東の森で達成できます」

100ポイント集めないとアップしないのに1ポイントしか貰えないのか。1人だと時間掛かるから皆パーティ組むのかも。入りたいパーティ見つかるまではコツコツ貯めていくしかないかな。

東の城門から外に出て森の方に歩いていく。

「【マップ】【マナ草検索】【ゴブリン検索】」

マナ草はポツポツだが、ゴブリンの赤い点が沢山でた。今回は討伐でポイントを稼ごう。
森に入ると直ぐに2体のゴブリンがいた。
戦う前に鑑定をしてみる。

ゴブリン
【レベル】5
【体力】72
【魔力】10
【物理攻撃】12
【物理防御】8
【魔法攻撃】5
【魔法防御】3
【属性】無
【スキル】棍棒術Lv1

恐れるスキルもないし一気に倒しちゃおう。

「【氷】」

2体を凍らせた。無唱でも魔法を放つことは出来るぽいけど声に出した方が打ってる感じがするから言葉にしてる。

「【解体】」

解体魔法を使ったらゴブリンの死体ごと消えた。素材なしということなのかな。死体がどこにいったのかは謎だがこれも仕様またはリュヌ様の加護だと思っておこう。

2体倒してどのぐらいレベルが上がったかステータスを確認してみる。


【名前】ティナ
【年齢】5歳
【レベル】98
【体力】108
【魔力】∞
【物理攻撃】20
【物理防御】20
【魔法攻撃】9,800,000
【魔法防御】9,800,000
【属性】全属性
【スキル】全属性魔法Lv2、鑑定Lv3、無限収納、マップ
【ユニークスキル】神通販、経験値10,000倍、必要経験値1/100

あと少しでレベル100だ!テンション上がる!

マップでゴブリンを探すと1箇所に集まってるところがある。ゴブリンの巣かな?100体以上いそうだ。

視覚できる位置まで近付くと予想通り巣があった。ゴブリンは女性を捕まえて苗床にする習性があるからマップで人がいないか確認してみると奥に白い点滅があった。

これは助けるべきかな。

魔法で一気に片付けられないのは面倒いが見捨てるのは気が重い。

ゴブリンが逃げ出さないように巣全体に中から外に出られないようにする結界魔法を掛ける。自身にも結界魔法が掛かってることを確認し中へと乗り込んだ。

緑色の肌した顔の潰れたゴブリンがうじゃうじゃいて思わず顔を背ける。これ倒すのか……

「【炎】」

素材がないから全てを焼き尽くす火力の魔法を放つ。

ーーグギャグギャギャ!

ゴブリンの汚い悲鳴を聞きながら奥に進んだ。途中魔法を撃ってくるゴブリンが居たので鑑定してみるとゴブリンメイジだった。ゴブリンの放つ魔法は弱いので結界で十分防げた。

「【炎】」「【炎】」「【炎】」

攻撃魔法を放ちながらドンドン奥へと入っていく。今までのゴブリンより2回り大きいのがいたので鑑定するとゴブリンキングだった。能力的にはゴブリンよりちょっと強いかなくらいだったのでそのまま炎で燃やした。燃え尽きた後には赤い魔石が落ちていたので鑑定してみると「ゴブリンキングの魔石」と出た。アイテムを無限収納にしまい残ったゴブリンも討伐していく。

白い点滅がある部屋のドアを開けると3人の女性が裸で倒れていた。

「大丈夫ですか?」

3人とも正気を保っていなくて視線が合わない。

「【治癒】」

怪我などの外傷を治した。心に負った傷は魔法では直せないのが心苦しい。

「こ、ども?」

1人の女性が私を見て不思議そうに声を発した。

「Fランク冒険者のティナと申します」
「殺して! お願いだから殺して!!」

悲痛な叫び声に胸が痛くなる。涙が目からこぼれ頬を濡らした。

殺すなんて出来ない。私は無言で首を振った。

「化け物の子供なんて産みたくないの!だから!お願いよ!」

このままでは自害しそうだ。スリープの魔法を掛けて3人を眠らせた。神通販で毛布を買い彼女たちに巻き付けさせる。更に魔法を掛けて3人を浮かせ街へと戻る。

「嬢ちゃん、この3人はどうしたんだい?」
「ゴブリンの巣に捕らわれてた所を助け出しました」
「1人で?」
「はい」

兵士は何か言いたそうな顔をしていたが3人の女性を押し付けてギルドに戻った。
依頼達成カウンターに行きギルドカードを出す。

「ゴブリン138体、ボブゴブリン41体、ゴブリンメイジ20体、ゴブリンキング1体!? ゴブリンの巣でも残滅してきたのですか?」
「そうです」
「……あはは。ゴブリンキングはDランク以上の冒険者推奨ですよ?」
「魔法は得意ですから」
「……そうですか。ポイントが入るかどうか上に確認してきますので少しお待ちください」

ゴブリンキングって結構強かったんだね。一撃で倒せたしステータスも大したことなかったと思うんだけど。

「お待たせしました。ゴブリン138体で13ポイント195ギル、ボブゴブリン41体で8ポイント80ギル、ゴブリンメイジ20体で4ポイント40ギル、ゴブリンキング5ポイントで50ギルとなります。残り70ポイントでEランクになります」

税金引かれて329ギルか。

「顔色が優れませんがどうかなさいましたか?」
「ゴブリンの巣に3人の女性が捕まっていたのですが、そのことで少し思うところがありまして」
「そうですか。ゴブリン以外にも女性を捕まえて苗床にする魔物はいますし、これから盗賊退治などなされば似たような状況はいくらでもあります。お心を強くお持ち下さい」

これからも冒険者を続けていくならば避けられない道なのか、どこかで折り合い付けて上手くやっていくしかないか。

「分かりました。ありがとうございます」

受付けのお姉さんはお礼を述べて、素材買取のカウンターに並んだ。

「嬢ちゃん今日は何を持ってきたんだい?」

カウンターの上にゴブリンキングの魔石を置く。

「ゴブリンキングの魔石じゃねぇか。嬢ちゃんちっちゃいのにすごいなぁ。ゴブリンキングの魔石は50ギルだ」

45ギルの儲けで今日は374ギルの収入になった。黒字になったけど毎日続けるのは精神的に厳しい。

宿に戻ってステータスの確認をする。


【名前】ティナ
【年齢】5歳
【レベル】253
【体力】263
【魔力】∞
【物理攻撃】50
【物理防御】50
【魔法攻撃】25,300,000
【魔法防御】25,300,000
【属性】全属性
【スキル】全属性魔法Lv3、鑑定Lv3、無限収納、マップ
【ユニークスキル】神通販、経験値10,000倍、必要経験値1/100

一気にレベル上がってるな。このままいけばレベル1000も夢ではないかも。でも、暫く狩りはいいかな。
明日からはマナ草メインで集めよう。収入は低くなるけど今ゴブリンは見たくない。




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感想 172

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鋼雅 暁
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聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。 さらに、偽聖女と決めつけられる始末。 しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!? 他サイトにも重複掲載中です。

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