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本編
コンビとソロ3
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振りかぶった黒剣は、ユーリアの剣の表面を滑り、そらされる。
黒剣は重いので、まともにこの勢いを受けると、衝撃で骨が折れないまでも、ヒビははいるかもしれない。
その剣を綺麗に滑らせ、黒剣の攻撃を一切正面から受けることは無い。
唯一さっきの鍔迫り合いは真っ正面から受け合ったが、あれはほとんど押し付けた形だったので、重さは大してかからなかったか。
さらにそのまま踏み込み、剣を横へ薙ぐユーリア。
「っ!」
至近距離からの胴を狙う一撃を、金剣で弾きつつ、さらに金剣のロックも外しにかかる。
「『この身は揺るがぬ壁となりて』」
「ん?詠唱?」
ユーリアが気づき、しかし止まることはなく剣を振り続ける。
「『この手が握るはその誓い』」
「ユーリアさん下がって!《煌覇》が来ます!」
やや遅れてアーネが気づくが、これ、《煌覇》じゃないんだよなぁ…。
「『望むは誓いの姿なり』」
「!アーネ、任せた!」
「下がって!」
「『その姿は彼の者を護る、唯一にして絶対の守護者である』」
「《ブレイズ・ジョウ》!」
ユーリアが下がった途端、視界が開けた。
代わりに見えたのは、人一人ぐらいは飲み込めそうなほど大きい、炎の顎。
そしてその顎が視界一杯に広がった瞬間、バグン、という音が聞こえた。
顎が閉じると同時に、俺の金剣から白剣が飛び出し、炎の顎、その上顎を内側から引き裂き、上へ舞い上がる。
しかし、まだ下顎がやや残っており、視界も悪い。
金剣を構え、独楽のように回り、周囲の炎を叩くようにして消す。
そして、その回転の勢いを使い、まだ握っていた黒剣をアーネの方へ全力で投げる。
黒剣が炎と音を裂き、二人に向かって一直線に飛んでいく。
さらに、上空へ飛んでいっていた白剣を握り、構える。
「オイコラ馬鹿アーネェ…!俺が鞘抜いてんだから《煌覇》は無いってわかってただろうが…!こんな魔法ぶちかますんじゃねぇよ!頭に回る分の栄養までその無駄にデケェ乳に注ぎ込んだんじゃねぇのか!?」
まぁ、実際はノーダメージだが。
「貴女はどうせ殺しても死にはしませんわよ!」
野郎、言ってくれるな…!
炎が消え、視界に二人の姿が映る。
見ると、ユーリアの顔は苦痛の色に染まり、脂汗が吹き出ている。
しかも、両手で握っていた剣はぱっと見た感じ、二人の周りには無い。
あぁ、黒剣をまともに受けたな。
で、剣が耐えきれずにへし折れたか吹き飛んだか。
ついでにどっかの骨が折れたか?
「ユーリア、大丈夫か?」
「大丈夫だ!かかってこい!」
うんそれ、大丈夫じゃないからな?
とはいえ止めることも出来ないし、治療も済ませないといけない。
早く終わらせるか。
そう思ったところで、再びアーネの魔法が飛んできた。
黒剣は重いので、まともにこの勢いを受けると、衝撃で骨が折れないまでも、ヒビははいるかもしれない。
その剣を綺麗に滑らせ、黒剣の攻撃を一切正面から受けることは無い。
唯一さっきの鍔迫り合いは真っ正面から受け合ったが、あれはほとんど押し付けた形だったので、重さは大してかからなかったか。
さらにそのまま踏み込み、剣を横へ薙ぐユーリア。
「っ!」
至近距離からの胴を狙う一撃を、金剣で弾きつつ、さらに金剣のロックも外しにかかる。
「『この身は揺るがぬ壁となりて』」
「ん?詠唱?」
ユーリアが気づき、しかし止まることはなく剣を振り続ける。
「『この手が握るはその誓い』」
「ユーリアさん下がって!《煌覇》が来ます!」
やや遅れてアーネが気づくが、これ、《煌覇》じゃないんだよなぁ…。
「『望むは誓いの姿なり』」
「!アーネ、任せた!」
「下がって!」
「『その姿は彼の者を護る、唯一にして絶対の守護者である』」
「《ブレイズ・ジョウ》!」
ユーリアが下がった途端、視界が開けた。
代わりに見えたのは、人一人ぐらいは飲み込めそうなほど大きい、炎の顎。
そしてその顎が視界一杯に広がった瞬間、バグン、という音が聞こえた。
顎が閉じると同時に、俺の金剣から白剣が飛び出し、炎の顎、その上顎を内側から引き裂き、上へ舞い上がる。
しかし、まだ下顎がやや残っており、視界も悪い。
金剣を構え、独楽のように回り、周囲の炎を叩くようにして消す。
そして、その回転の勢いを使い、まだ握っていた黒剣をアーネの方へ全力で投げる。
黒剣が炎と音を裂き、二人に向かって一直線に飛んでいく。
さらに、上空へ飛んでいっていた白剣を握り、構える。
「オイコラ馬鹿アーネェ…!俺が鞘抜いてんだから《煌覇》は無いってわかってただろうが…!こんな魔法ぶちかますんじゃねぇよ!頭に回る分の栄養までその無駄にデケェ乳に注ぎ込んだんじゃねぇのか!?」
まぁ、実際はノーダメージだが。
「貴女はどうせ殺しても死にはしませんわよ!」
野郎、言ってくれるな…!
炎が消え、視界に二人の姿が映る。
見ると、ユーリアの顔は苦痛の色に染まり、脂汗が吹き出ている。
しかも、両手で握っていた剣はぱっと見た感じ、二人の周りには無い。
あぁ、黒剣をまともに受けたな。
で、剣が耐えきれずにへし折れたか吹き飛んだか。
ついでにどっかの骨が折れたか?
「ユーリア、大丈夫か?」
「大丈夫だ!かかってこい!」
うんそれ、大丈夫じゃないからな?
とはいえ止めることも出来ないし、治療も済ませないといけない。
早く終わらせるか。
そう思ったところで、再びアーネの魔法が飛んできた。
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