1,021 / 2,021
本編
休憩と乱入
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時計とか太陽とかが無いからなんとも言えないが、体感的に一時間ぐらい過ぎただろうか。その間、ずっとレイヴァーと二人きり喋ってた。
話に上るのはほとんどどうでもいい話ばかり。お前がこの前食ってたメシの味はどんなだ、とか、学校は面白そうだけど実際どうなのか、とか。誰かと戦っていた時の話になると、あの時は引くんじゃなくて踏み込むべきだったとか、もう半歩身体がズレていたら致命傷は軽傷で済んでいたとか、まぁ色々と。
途中、何故かアーネをどう思っているかなどと何度か聞かれたが…別に何とも思ってないんだよな。正直にそう言ったら、笑っているような困っているような顔をされた。
「そうか、少なくとも俺ァたかがダチとか知り合いが消えた程度でそこまで探したりはしないがねぇ。当然命懸けで結界の外に出たりはしない。ま、俺の時は結界なんて当然なかったがな」
そう言うレイヴァーは、薄い笑みを浮かべてどこか楽しそうに俺を見るのだ。
他は…あぁ、血鎖と血呪のコツを教えて貰ったりとか、あとは第七血界がどう言った血界なのかとか聞いたりしてた。
「まー、俺は使えないから見てたり聞いてたり、あとは死んだ本人から聞いただけだから、そんなに詳しくは知らね。使って身体で覚えろって言いたい所だけど、失敗したらシャレにならねーから絶対使うな」
じゃあどうしろと言いたくなるが、そう言えばレイヴァーは「ぶっつけ本番で掴め。やれば出来る。保証はしねーけど」と真顔で返す。まぁ、確かに俺のスキルはコントロールとかに向いてはいるんだけどさぁ……一応言っとくと、基本俺本人しかスキル範囲に入ってないからな?この血界に効くかどうか……
そうこう話していると、レイヴァーがふと、話をやめる。
「さて、そろそろかなー」
「?」
と、突然バギン!!と硬い鉄の棒を折ったような音が鳴る。
「なんっ!?」
「落ち着けレィアくん──やぁ、久しぶりだな、シャルレーゼ」
呑気に手をあげ、ひらひらと振るレイヴァー、そしてそこへ目掛けて尋常ではない勢いで殺到する第五血界。
「うはっ、これは凄まじい。捕まったらというか掴まったら、いくら俺でも手足の一本は余裕で持っていかれるなぁ」
と言いつつひょいひょいと余裕を持って避けるレイヴァー。血呪すら使っている様子はないのに、全く当たる気がしねぇ。
「バスター…!テメェのせいで、俺が何日もかけて作った連環八層封印が簡単にぶっ壊れたよ。お陰で俺は格上の《亡霊》達を追っかけ回して疲労困憊。挙句最後の最後まで探し回った相手が笑いながら楽しく寛いでたらどう思う?」
「ぶっ殺したくなるんじゃねーの?」
「大当たりだ!もういっぺん死ね!!そんで封印されろ!!」
この場ではどうやら血の消費は特に考えずにやっても大丈夫なようだ。腐死者もびっくりの勢いで地面から手がボコボコ生えているが、その勢いは衰えることは無い。
「あー、シャル?そこにいんの?」
「振り返るなよ今代の。振り返ったらバスターより先にお前をぶっ殺す。最悪の目覚めをプレゼントだ」
怖っ。てかここで死んだらどうなるんだ?
「あ、言い忘れてた。レィアくんは死んだら強制起床になるよ。目覚めはびっくりするぐらい悪いらしいから、死に起きはあまりオススメしないかなー」
「了解、フクロウに生まれ変わっても絶対に振り返らねぇ」
「まーでも、いいタイミングでシャルレーゼも来てくれた」
「うん?」
シャルの血腕を軽やかに避け続けていたレイヴァーが、空中を蹴って俺の目の前にくる──っておい、今さらっととんでもない事をしてくれたな。
「そろそろだな──っ、とォ!!」
「えっ?」
いっそ鮮やかとすら言える飛び蹴りが俺の胸に見事命中、そのまま地面と平行にすっ飛び、シャル達がゴマのように小さくなっていく。
「じゃあなレィアくん!次会う時までさらばだ!!」
真っ暗の闇へと戻っていく中で、その言葉だけが何故か鮮明に耳に残った。
話に上るのはほとんどどうでもいい話ばかり。お前がこの前食ってたメシの味はどんなだ、とか、学校は面白そうだけど実際どうなのか、とか。誰かと戦っていた時の話になると、あの時は引くんじゃなくて踏み込むべきだったとか、もう半歩身体がズレていたら致命傷は軽傷で済んでいたとか、まぁ色々と。
途中、何故かアーネをどう思っているかなどと何度か聞かれたが…別に何とも思ってないんだよな。正直にそう言ったら、笑っているような困っているような顔をされた。
「そうか、少なくとも俺ァたかがダチとか知り合いが消えた程度でそこまで探したりはしないがねぇ。当然命懸けで結界の外に出たりはしない。ま、俺の時は結界なんて当然なかったがな」
そう言うレイヴァーは、薄い笑みを浮かべてどこか楽しそうに俺を見るのだ。
他は…あぁ、血鎖と血呪のコツを教えて貰ったりとか、あとは第七血界がどう言った血界なのかとか聞いたりしてた。
「まー、俺は使えないから見てたり聞いてたり、あとは死んだ本人から聞いただけだから、そんなに詳しくは知らね。使って身体で覚えろって言いたい所だけど、失敗したらシャレにならねーから絶対使うな」
じゃあどうしろと言いたくなるが、そう言えばレイヴァーは「ぶっつけ本番で掴め。やれば出来る。保証はしねーけど」と真顔で返す。まぁ、確かに俺のスキルはコントロールとかに向いてはいるんだけどさぁ……一応言っとくと、基本俺本人しかスキル範囲に入ってないからな?この血界に効くかどうか……
そうこう話していると、レイヴァーがふと、話をやめる。
「さて、そろそろかなー」
「?」
と、突然バギン!!と硬い鉄の棒を折ったような音が鳴る。
「なんっ!?」
「落ち着けレィアくん──やぁ、久しぶりだな、シャルレーゼ」
呑気に手をあげ、ひらひらと振るレイヴァー、そしてそこへ目掛けて尋常ではない勢いで殺到する第五血界。
「うはっ、これは凄まじい。捕まったらというか掴まったら、いくら俺でも手足の一本は余裕で持っていかれるなぁ」
と言いつつひょいひょいと余裕を持って避けるレイヴァー。血呪すら使っている様子はないのに、全く当たる気がしねぇ。
「バスター…!テメェのせいで、俺が何日もかけて作った連環八層封印が簡単にぶっ壊れたよ。お陰で俺は格上の《亡霊》達を追っかけ回して疲労困憊。挙句最後の最後まで探し回った相手が笑いながら楽しく寛いでたらどう思う?」
「ぶっ殺したくなるんじゃねーの?」
「大当たりだ!もういっぺん死ね!!そんで封印されろ!!」
この場ではどうやら血の消費は特に考えずにやっても大丈夫なようだ。腐死者もびっくりの勢いで地面から手がボコボコ生えているが、その勢いは衰えることは無い。
「あー、シャル?そこにいんの?」
「振り返るなよ今代の。振り返ったらバスターより先にお前をぶっ殺す。最悪の目覚めをプレゼントだ」
怖っ。てかここで死んだらどうなるんだ?
「あ、言い忘れてた。レィアくんは死んだら強制起床になるよ。目覚めはびっくりするぐらい悪いらしいから、死に起きはあまりオススメしないかなー」
「了解、フクロウに生まれ変わっても絶対に振り返らねぇ」
「まーでも、いいタイミングでシャルレーゼも来てくれた」
「うん?」
シャルの血腕を軽やかに避け続けていたレイヴァーが、空中を蹴って俺の目の前にくる──っておい、今さらっととんでもない事をしてくれたな。
「そろそろだな──っ、とォ!!」
「えっ?」
いっそ鮮やかとすら言える飛び蹴りが俺の胸に見事命中、そのまま地面と平行にすっ飛び、シャル達がゴマのように小さくなっていく。
「じゃあなレィアくん!次会う時までさらばだ!!」
真っ暗の闇へと戻っていく中で、その言葉だけが何故か鮮明に耳に残った。
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