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1章
8話 いざ出陣!新装備と能力発揮!?
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私の能力…使え無さすぎ!?
「あっ…でもでも!治癒能力は正直めちゃくちゃレアな能力なのでそこは誇っていいと思います!少なくとも私は初めて見ました!回復はよくあるんですけど治癒は多分ユニーク?なのかな?」
アカネは慰めにもならない言葉を必死でかけてくれる
「もう大丈夫です…。そんな励ましてくれなくても…元々期待なんて…」
「あはは!ヒアラめちゃ弱いの?でも治癒はめちゃレアらしいし良かったじゃん!私とおそろいだよっ!」
キュアーはからかいながら肩を叩いてきた
「まぁ、ヒールはこれまで通り私に任せて!魔力は少しずつ鍛えていけば何とかなるかもしれないし、ね?」
「そうだね…よし!切り替えよう!最初から特に期待してなかったし!天啓があっただけでも御の字でしょ!」
仕方ないものは仕方ない!魔力自体はずっと行使したり瞑想したりすることで増やすことが可能みたいだからゆっくり鍛えるしかないよね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、いうことがありそんなこんなで今に至る。
「ヒアラ~このキノコが毒らのぉ~?」
「触れたらダメって言ってたのになんで触ってるの!?やばいのにもう感染してるじゃん~!!」
結局この時に貰った自分の宝石で藤野さんのところに行ったのだけれど、オーダーメイドの装備はすぐには完成しないとの事だった。
「ヒアラ!大丈夫そうかー!?」
ノノは持ち前の足で相当距離をとって逃げている
「もうっ!みんな使えなーい!…でも、この子の出番かな!」
そう、オーダーメイドの武具はまだ完成しなかったがその間、そこそこ自分に合う装備を藤野さんが見繕ってくれたのだ。私はほんとにただ連結するタイプの棒を使ってただけなのだが、同様の形の武器があまり無いらしく、2本状態で使えていた事から双剣を借りていた
「武器は私の愛用の棒じゃないけど…連結しないだけで使えるもんねっ!」
武器を手に取り、向かってくるキュアー目掛けて走る
「キュアー!そのキノコ離して!」
「ふぇ?」
驚いた拍子に離したキノコを空中で細切れにカットする。すると何かから解放されたようにキュアーが正気に戻った
「はっ!…あれ!?私何してた?」
「もう…あんたね、それよ。毒キノコ!」
「あ!これが毒キノコだったんだね!?どれか分かんなかったから片っ端から引っこ抜いといて良かったよ~どれか分かったならこれからは早そうだね」
「よくないっ!あんたがいないとノノもビビってすぐ逃げるからまともな人がいないの!分かる?ちゃんとしてよね!」
「でも、ヒアラは助けてくれるでしょ?」
うっ…となりかけた声を押し殺す。どんなに口論しててもたまにあるこのキュアーからの信頼はなんなのだろうか、透き通った純粋な目を見ると恥ずかしくなってしまう
「…もう!なんでもいいから早くキノコ狩りしよ?」
「おっけー!えーっと、どうすればいいんだろ?抜くのも危ないし、たしか匂いもダメとか何とか言ってなかった?」
「うん、確かそうだった気がする。」
「でもこの刻んだやつ、特に近くで見ても匂いとか無さそうなんだよね…」
キュアーはまた性懲りもせずにキノコに近づいて観察していた
「ちょっと!危ないでしょ!」
「大丈夫だよ!さっきとか違ってちゃんと警戒しつつ見てるからね!えっと、ヒアラはどうやってこのキノコからわたしをすくったんだっけ?」
「刻んだだけだよ?」
「なるほど…刻んだら催眠が解除されて匂いもしなくなった…か。」
「何かわかるの?」
キュアーは先程とは裏腹に真剣な表情で考えている。
大丈夫だと分かったあたりからだんだん近づいてきていたノノも合流してみんなで考えることにした
「このキノコ、ただの植物じゃなくて生き物なんじゃないの?キノコに擬態する虫か動物っていなかったっけ?」
「あー、確か子供の頃そーゆー図鑑でよく見てた記憶があるな。でもキノコに擬態ってのはあんまり見た事がない気がするぞ」
「新種…ってことかな?次見つけたら一旦写真撮って帰ろう。サンプルまで取れたらいいけどね。」
「よし!それじゃあ擬態する虫か動物かってことで!早速手分けして探そう…って、あれ?あそこにあるやつ、確かそのキノコじゃない?」
キュアーの指差す先に目をやるとそこには先程まで無かったキノコが生えていた
「え!?あそこさっきからあったっけ?」
「いや!この辺りは確認したが俺らが合流した時点では少なくとも周囲に無かったと思うぞ」
不思議に思いしばらく考えていると…
「あれ?そこにも、あれあれ?あっちにもこっちにもあるよ!?」
「えっ!?もしかして動いてる!?」
しまった…!虫か動物と思った時点で可能性として考えておくべきだった!
「これってもしかして…」
「うん、匂い嗅いでもダメ、触ってもダメなキノコの動物…いやもうモンスターだよねこれ…そのモンスターに囲まれていると。」
「絶体絶命だな!何とか方法はないのか?」
何とかと言われても…この3人の力を合わせる…か。
「んー、切って倒せば大丈夫なんだよね?多分生きてるうちに匂いを発してるから、ノノの速さで風を起こしてもらって匂いを飛ばそう。その間に私とキュアーで片っ端から刻むしかない!」
「随分と力技だな…でも気に入った!やるぞ!」
「うん!なるべく息は止めてすぐ終わらせるね!」
「作戦開始!」
掛け声で3人は一斉に走り出す。まず先に飛び出たのはノノだった。
「風よ…俺の速さについてこい!嵐!!」
ノノは自分達を円形に囲んでいたキノコの前を目にも止まらぬ早さで走り出す。すると風を切る度にその場の空気がノノに着いていくかのように大きな竜巻を起こす。
「ヒアラ!キュアー!このまま上まで匂いを飛ばす!頼むぞ!」
「分かった!行くよ、キュアー!時計回り!」
ノノの竜巻の目の中にいた2人はノノの合図で一斉に対角線上に飛び出す。
速さでは負けるけど私だってずっと家から家へと飛び移ったりして脚力には自信があるんだ!スピード勝負!
2人はものすごいスピードで綺麗な対角線を描き時計回りにキノコを掃討していく
小さなキノコから大きなキノコ、あらゆる場所にあるキノコを残さず狩り尽くす2人は戦場で踊る舞姫のようだった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぅ…何とか落ち着いたな」
「そうだね。突発の作戦にしては上手くいってよかったよ」
「さすがヒアラ!頼りになるなぁ!」
「もうっ、からかわないでよ!」
「あはは!!」
戦いを振り返りしばらく談笑していると辺りが少しづつ暗くなってきていた
「よし、暗くなってきたし今日は市街地に戻ってまた明日に備えよう!」
「そうだな、なんだかんだパーティでの戦闘は初めてだったから疲れたよ…痛っ!」
立ち上がろうとしたノノが急にしゃがみこみ足を抑える
「ノノ!?どうしたの!足見せて!」
抑えていた足をどかすと足首の部分が少しただれたようになっていた
「うわぁ、キノコに少し触れちゃったのかな?これ地味に痛いやつだ、しかもほっといたらどんどん悪化するよ。治さないと!」
「ヒアラ、私が治すよ!」
「いや!キュアーは待ってて、ここは私に任せて!」
隣に並んでくるキュアーを制して剣を取り出す
「え…?ヒアラさん?治癒を使うかと思ったんですが?まさか切り落としたりしないよな?」
「ヒアラ!?なにしてんの!?」
「この前装備の話を藤野さんと話していた時、私の少ない魔力でどう治癒するか相談したんだよね、そしたら私の魔力じゃキュアーみたいに丸ごと包み込んだりすることは無理だから…」
話を溜めながら握っている剣に魔力を込める。すると少し剣が緑色に光り出した
「こうして物に伝道させれば…消費量を節約出来るってなったの。そしてこの治癒魔力を纏った剣で傷口を…」
ゆっくりと剣をノノの傷口にあてがう
「切る!」
もし万が一ほんとに切れちゃう可能性を考えかなり浅くだがノノの皮膚に刃を走らせる。すると…
「うっ…!!あれ?痛くない、てか切られてる感じがしなかった…それに治ってる!?」
みるみるうちにただれた皮膚は治り切った跡すら残っていなかった
「やった!成功だ!治癒出来たー!」
「凄いよヒアラ!こんな使い方があるなんて!これなら魔力消費を押えつつ適材適所で十分な治癒が行える!ちゃんとしたヒーラーだよ!」
「ありがとうヒアラ!実験台にされたのはちょっと怖かったけどおかげで助かったよ…それになんか…体全体が軽くなったような気がする!」
「えへへ、ごめんね?でも結果オーライ!ってことで宿を探しに帰ろう~!」
ちょっとした一悶着があったが無事にヒアラの能力を活かして解決した一行は森を抜けるべく歩き出すのだった。
しかし
「ねぇ、なんかさっきよりキノコ多くなってない~!?」
3人は走っていた。全てを狩り尽くしたとは思って無かったが、動き出す以上あの時そこそこ集まってきててかなり減らしたと思っていたのだ。しかし3人が森を出ようと歩き出した頃から周りに次第に見えだして切っても切っても次から次に出てくるのだ
「キリがない!この森ヤバすぎる!走れー!」
次第に森の出口が見えてくる
「ヒアラ!見えたよ!出口!って…ええええええ!?!?」
なんと出口の光がどんどん小さくなり完全に見えなくなってしまった。キノコだ。キノコが連なり壁となって3人を出すまいと通せんぼしているのだ
「なんじゃこりゃ~!?ヒアラ!どうする!?」
「この数…昼とは比較にならない…!もう少しで森を出れるのに…ここまでか…!」
今度こそほんとに絶体絶命の状況に陥った3人だったが、次の瞬間目の前のキノコの壁が真っ赤に燃え崩れだした
「!?!?」
「おーーい!!誰かいるのかー!?今助けてやるから早く出てこい!」
崩れたキノコの奥から放射能汚染の防護服みたいな服に身を包んだ人が火炎放射器を持って現れた
「ノノ!キュアー!行こう!」
3人は防護服の人に助けられ何とか森から抜け出すことに成功した。森を抜けるとそれ以上先にはキノコは襲ってこなかった
「はぁ、助かりました。ありがとうございます。」
「いやぁ、あんた達も災難だったね、私がたまたま今日管理係だったから良かったけど、サボりの先輩だったら今頃命が無かったよ」
そう言ってマスクを取ったその人はなんと女性の方だった。
「女の人だ!凄い仕事してるね!?」
キュアーも少し驚いた様子だったが直ぐに感謝をしていた。
ノノは私達が逃げてる間、匂いを嗅がないように魔力で風を操作していたため疲れ果てていた。
「またなんだってこんな森に入ってたのさ?危ないって看板がそこらじゅうに貼ってあるでしょうよ」
「えっと…これには訳があってですね…」
「そうかい?まぁ、とりあえずここで話すのもなんだし今日は家に来なさいな。話はそこで聞かせてもらうよ」
その女性は大きな体格とは裏腹に優しい口調で笑ってくれた
「はい…分かりました。お言葉に甘えさせてもらいます。」
「お姉さんありがとうね!」
「はぁ、はぁ、お、お世話になります…。」
今にも死にそうなノノをその後回復してあげて3人は女性に着いて帰った
「あっ…でもでも!治癒能力は正直めちゃくちゃレアな能力なのでそこは誇っていいと思います!少なくとも私は初めて見ました!回復はよくあるんですけど治癒は多分ユニーク?なのかな?」
アカネは慰めにもならない言葉を必死でかけてくれる
「もう大丈夫です…。そんな励ましてくれなくても…元々期待なんて…」
「あはは!ヒアラめちゃ弱いの?でも治癒はめちゃレアらしいし良かったじゃん!私とおそろいだよっ!」
キュアーはからかいながら肩を叩いてきた
「まぁ、ヒールはこれまで通り私に任せて!魔力は少しずつ鍛えていけば何とかなるかもしれないし、ね?」
「そうだね…よし!切り替えよう!最初から特に期待してなかったし!天啓があっただけでも御の字でしょ!」
仕方ないものは仕方ない!魔力自体はずっと行使したり瞑想したりすることで増やすことが可能みたいだからゆっくり鍛えるしかないよね!
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と、いうことがありそんなこんなで今に至る。
「ヒアラ~このキノコが毒らのぉ~?」
「触れたらダメって言ってたのになんで触ってるの!?やばいのにもう感染してるじゃん~!!」
結局この時に貰った自分の宝石で藤野さんのところに行ったのだけれど、オーダーメイドの装備はすぐには完成しないとの事だった。
「ヒアラ!大丈夫そうかー!?」
ノノは持ち前の足で相当距離をとって逃げている
「もうっ!みんな使えなーい!…でも、この子の出番かな!」
そう、オーダーメイドの武具はまだ完成しなかったがその間、そこそこ自分に合う装備を藤野さんが見繕ってくれたのだ。私はほんとにただ連結するタイプの棒を使ってただけなのだが、同様の形の武器があまり無いらしく、2本状態で使えていた事から双剣を借りていた
「武器は私の愛用の棒じゃないけど…連結しないだけで使えるもんねっ!」
武器を手に取り、向かってくるキュアー目掛けて走る
「キュアー!そのキノコ離して!」
「ふぇ?」
驚いた拍子に離したキノコを空中で細切れにカットする。すると何かから解放されたようにキュアーが正気に戻った
「はっ!…あれ!?私何してた?」
「もう…あんたね、それよ。毒キノコ!」
「あ!これが毒キノコだったんだね!?どれか分かんなかったから片っ端から引っこ抜いといて良かったよ~どれか分かったならこれからは早そうだね」
「よくないっ!あんたがいないとノノもビビってすぐ逃げるからまともな人がいないの!分かる?ちゃんとしてよね!」
「でも、ヒアラは助けてくれるでしょ?」
うっ…となりかけた声を押し殺す。どんなに口論しててもたまにあるこのキュアーからの信頼はなんなのだろうか、透き通った純粋な目を見ると恥ずかしくなってしまう
「…もう!なんでもいいから早くキノコ狩りしよ?」
「おっけー!えーっと、どうすればいいんだろ?抜くのも危ないし、たしか匂いもダメとか何とか言ってなかった?」
「うん、確かそうだった気がする。」
「でもこの刻んだやつ、特に近くで見ても匂いとか無さそうなんだよね…」
キュアーはまた性懲りもせずにキノコに近づいて観察していた
「ちょっと!危ないでしょ!」
「大丈夫だよ!さっきとか違ってちゃんと警戒しつつ見てるからね!えっと、ヒアラはどうやってこのキノコからわたしをすくったんだっけ?」
「刻んだだけだよ?」
「なるほど…刻んだら催眠が解除されて匂いもしなくなった…か。」
「何かわかるの?」
キュアーは先程とは裏腹に真剣な表情で考えている。
大丈夫だと分かったあたりからだんだん近づいてきていたノノも合流してみんなで考えることにした
「このキノコ、ただの植物じゃなくて生き物なんじゃないの?キノコに擬態する虫か動物っていなかったっけ?」
「あー、確か子供の頃そーゆー図鑑でよく見てた記憶があるな。でもキノコに擬態ってのはあんまり見た事がない気がするぞ」
「新種…ってことかな?次見つけたら一旦写真撮って帰ろう。サンプルまで取れたらいいけどね。」
「よし!それじゃあ擬態する虫か動物かってことで!早速手分けして探そう…って、あれ?あそこにあるやつ、確かそのキノコじゃない?」
キュアーの指差す先に目をやるとそこには先程まで無かったキノコが生えていた
「え!?あそこさっきからあったっけ?」
「いや!この辺りは確認したが俺らが合流した時点では少なくとも周囲に無かったと思うぞ」
不思議に思いしばらく考えていると…
「あれ?そこにも、あれあれ?あっちにもこっちにもあるよ!?」
「えっ!?もしかして動いてる!?」
しまった…!虫か動物と思った時点で可能性として考えておくべきだった!
「これってもしかして…」
「うん、匂い嗅いでもダメ、触ってもダメなキノコの動物…いやもうモンスターだよねこれ…そのモンスターに囲まれていると。」
「絶体絶命だな!何とか方法はないのか?」
何とかと言われても…この3人の力を合わせる…か。
「んー、切って倒せば大丈夫なんだよね?多分生きてるうちに匂いを発してるから、ノノの速さで風を起こしてもらって匂いを飛ばそう。その間に私とキュアーで片っ端から刻むしかない!」
「随分と力技だな…でも気に入った!やるぞ!」
「うん!なるべく息は止めてすぐ終わらせるね!」
「作戦開始!」
掛け声で3人は一斉に走り出す。まず先に飛び出たのはノノだった。
「風よ…俺の速さについてこい!嵐!!」
ノノは自分達を円形に囲んでいたキノコの前を目にも止まらぬ早さで走り出す。すると風を切る度にその場の空気がノノに着いていくかのように大きな竜巻を起こす。
「ヒアラ!キュアー!このまま上まで匂いを飛ばす!頼むぞ!」
「分かった!行くよ、キュアー!時計回り!」
ノノの竜巻の目の中にいた2人はノノの合図で一斉に対角線上に飛び出す。
速さでは負けるけど私だってずっと家から家へと飛び移ったりして脚力には自信があるんだ!スピード勝負!
2人はものすごいスピードで綺麗な対角線を描き時計回りにキノコを掃討していく
小さなキノコから大きなキノコ、あらゆる場所にあるキノコを残さず狩り尽くす2人は戦場で踊る舞姫のようだった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぅ…何とか落ち着いたな」
「そうだね。突発の作戦にしては上手くいってよかったよ」
「さすがヒアラ!頼りになるなぁ!」
「もうっ、からかわないでよ!」
「あはは!!」
戦いを振り返りしばらく談笑していると辺りが少しづつ暗くなってきていた
「よし、暗くなってきたし今日は市街地に戻ってまた明日に備えよう!」
「そうだな、なんだかんだパーティでの戦闘は初めてだったから疲れたよ…痛っ!」
立ち上がろうとしたノノが急にしゃがみこみ足を抑える
「ノノ!?どうしたの!足見せて!」
抑えていた足をどかすと足首の部分が少しただれたようになっていた
「うわぁ、キノコに少し触れちゃったのかな?これ地味に痛いやつだ、しかもほっといたらどんどん悪化するよ。治さないと!」
「ヒアラ、私が治すよ!」
「いや!キュアーは待ってて、ここは私に任せて!」
隣に並んでくるキュアーを制して剣を取り出す
「え…?ヒアラさん?治癒を使うかと思ったんですが?まさか切り落としたりしないよな?」
「ヒアラ!?なにしてんの!?」
「この前装備の話を藤野さんと話していた時、私の少ない魔力でどう治癒するか相談したんだよね、そしたら私の魔力じゃキュアーみたいに丸ごと包み込んだりすることは無理だから…」
話を溜めながら握っている剣に魔力を込める。すると少し剣が緑色に光り出した
「こうして物に伝道させれば…消費量を節約出来るってなったの。そしてこの治癒魔力を纏った剣で傷口を…」
ゆっくりと剣をノノの傷口にあてがう
「切る!」
もし万が一ほんとに切れちゃう可能性を考えかなり浅くだがノノの皮膚に刃を走らせる。すると…
「うっ…!!あれ?痛くない、てか切られてる感じがしなかった…それに治ってる!?」
みるみるうちにただれた皮膚は治り切った跡すら残っていなかった
「やった!成功だ!治癒出来たー!」
「凄いよヒアラ!こんな使い方があるなんて!これなら魔力消費を押えつつ適材適所で十分な治癒が行える!ちゃんとしたヒーラーだよ!」
「ありがとうヒアラ!実験台にされたのはちょっと怖かったけどおかげで助かったよ…それになんか…体全体が軽くなったような気がする!」
「えへへ、ごめんね?でも結果オーライ!ってことで宿を探しに帰ろう~!」
ちょっとした一悶着があったが無事にヒアラの能力を活かして解決した一行は森を抜けるべく歩き出すのだった。
しかし
「ねぇ、なんかさっきよりキノコ多くなってない~!?」
3人は走っていた。全てを狩り尽くしたとは思って無かったが、動き出す以上あの時そこそこ集まってきててかなり減らしたと思っていたのだ。しかし3人が森を出ようと歩き出した頃から周りに次第に見えだして切っても切っても次から次に出てくるのだ
「キリがない!この森ヤバすぎる!走れー!」
次第に森の出口が見えてくる
「ヒアラ!見えたよ!出口!って…ええええええ!?!?」
なんと出口の光がどんどん小さくなり完全に見えなくなってしまった。キノコだ。キノコが連なり壁となって3人を出すまいと通せんぼしているのだ
「なんじゃこりゃ~!?ヒアラ!どうする!?」
「この数…昼とは比較にならない…!もう少しで森を出れるのに…ここまでか…!」
今度こそほんとに絶体絶命の状況に陥った3人だったが、次の瞬間目の前のキノコの壁が真っ赤に燃え崩れだした
「!?!?」
「おーーい!!誰かいるのかー!?今助けてやるから早く出てこい!」
崩れたキノコの奥から放射能汚染の防護服みたいな服に身を包んだ人が火炎放射器を持って現れた
「ノノ!キュアー!行こう!」
3人は防護服の人に助けられ何とか森から抜け出すことに成功した。森を抜けるとそれ以上先にはキノコは襲ってこなかった
「はぁ、助かりました。ありがとうございます。」
「いやぁ、あんた達も災難だったね、私がたまたま今日管理係だったから良かったけど、サボりの先輩だったら今頃命が無かったよ」
そう言ってマスクを取ったその人はなんと女性の方だった。
「女の人だ!凄い仕事してるね!?」
キュアーも少し驚いた様子だったが直ぐに感謝をしていた。
ノノは私達が逃げてる間、匂いを嗅がないように魔力で風を操作していたため疲れ果てていた。
「またなんだってこんな森に入ってたのさ?危ないって看板がそこらじゅうに貼ってあるでしょうよ」
「えっと…これには訳があってですね…」
「そうかい?まぁ、とりあえずここで話すのもなんだし今日は家に来なさいな。話はそこで聞かせてもらうよ」
その女性は大きな体格とは裏腹に優しい口調で笑ってくれた
「はい…分かりました。お言葉に甘えさせてもらいます。」
「お姉さんありがとうね!」
「はぁ、はぁ、お、お世話になります…。」
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