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深い愛情がゆえに~坂井先生side~
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「会いたい……」
ただそれだけの思いで、僕はここに来た。
この辺りのマンションだと、以前、看護師達が話してるのをたまたま聞いていたから……
決してストーカーになるつもりはない。
でも……
愛莉ちゃんが病院に来なくなってから、1度も顔を見ていないことが、僕にはどうしようもなくつらかった。
空を見上げたら、いつもの月が見える。
ただ、ここからの眺めは、あまり好きじゃない。
やっぱり……
あの病室から見える月が1番美しい。
妖艶な光を放つ、あの月が。
あの日、愛莉ちゃんがすぐ側にいたのに、僕の気持ちを受け入れてもらうことができなかった。
なぜだ――
そう考えて、いつも頭に浮かぶのは菅原先生のこと。
彼は、愛莉ちゃんの幼なじみ。
子どもの頃からの知り合いというだけなのに、どうしてか、2人の繋がりが無性に気になってしまう。
今日、愛莉ちゃんに会えたら確かめてみたい。
彼とは何の関係もないって……そう言わせたい。
その時、遠くの方に、愛莉ちゃんによく似た人が現れた。
こちらに近づいてくる。
いや……
似た人ではない――愛莉ちゃんだ。
ん? 隣に立つ男性は?
僕は、その人を見て愕然とした。
菅原先生……
2人はただの幼なじみのはずなのに、ニコニコ笑いながら、さらに近づいてくる。
そして、愛莉ちゃんは僕に気づいた。
「えっ……どうして?」
驚きをまとったその表情。
そうやって怯える顔さえも愛おしい。
「坂井先生、どうしてここにいらっしゃるんですか?」
「菅原先生、君こそなぜここに?」
「ここは、俺のマンションです」
彼は、すぐ前の豪華なマンションを見上げた。
ここに菅原先生が?
だとしたら愛莉ちゃんはどこに住んでるんだ?
突然2人で現れたことに、僕は戸惑いを隠しきれなかった。
ただそれだけの思いで、僕はここに来た。
この辺りのマンションだと、以前、看護師達が話してるのをたまたま聞いていたから……
決してストーカーになるつもりはない。
でも……
愛莉ちゃんが病院に来なくなってから、1度も顔を見ていないことが、僕にはどうしようもなくつらかった。
空を見上げたら、いつもの月が見える。
ただ、ここからの眺めは、あまり好きじゃない。
やっぱり……
あの病室から見える月が1番美しい。
妖艶な光を放つ、あの月が。
あの日、愛莉ちゃんがすぐ側にいたのに、僕の気持ちを受け入れてもらうことができなかった。
なぜだ――
そう考えて、いつも頭に浮かぶのは菅原先生のこと。
彼は、愛莉ちゃんの幼なじみ。
子どもの頃からの知り合いというだけなのに、どうしてか、2人の繋がりが無性に気になってしまう。
今日、愛莉ちゃんに会えたら確かめてみたい。
彼とは何の関係もないって……そう言わせたい。
その時、遠くの方に、愛莉ちゃんによく似た人が現れた。
こちらに近づいてくる。
いや……
似た人ではない――愛莉ちゃんだ。
ん? 隣に立つ男性は?
僕は、その人を見て愕然とした。
菅原先生……
2人はただの幼なじみのはずなのに、ニコニコ笑いながら、さらに近づいてくる。
そして、愛莉ちゃんは僕に気づいた。
「えっ……どうして?」
驚きをまとったその表情。
そうやって怯える顔さえも愛おしい。
「坂井先生、どうしてここにいらっしゃるんですか?」
「菅原先生、君こそなぜここに?」
「ここは、俺のマンションです」
彼は、すぐ前の豪華なマンションを見上げた。
ここに菅原先生が?
だとしたら愛莉ちゃんはどこに住んでるんだ?
突然2人で現れたことに、僕は戸惑いを隠しきれなかった。
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