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お似合いの2人

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『ありがとう、また2人で来て。本当にいいコンビだよ』


齋藤さんはそう言って、ベッドに横になった。


病室から出て、私は蒼真さんに、


『あの、患者さんに適当なこと言わないでもらえますか?冗談だとしても、もし間違って広まったらどうするんですか?』


って、ちょっとだけ噛み付いた。


『広まったら?何か問題か?』


蒼真さんは私に真顔で答えた。


『も、問題かって…そんなの問題に決まってます。蒼真さんに迷惑がかかりますから。私なんかと嘘でも噂が流れたら…』


『それならそれで構わない』


え…


『白川先生!すみません、ちょっとよろしいでしょうか?』


『ああ』


蒼真さん、呼ばれて行ってしまった。


構わないなんて…


本当に適当過ぎるよ。


実際、噂になったら嫌な思いするくせに。


だけど、私…


齋藤さんみたいに心臓に手を当ててみた。


そしたら、すごく…鼓動が激しかったんだ。


どうしてよ、おかしいよ、こんなの。


蒼真さん、私の心を振り回して遊んでるの?


からかわれてるとしたらキツイよ…


本当に…何なの?


私は、モヤモヤした気持ちを引きづりながら、ナースステーションで仕事をこなしてた。


その時、突然、誰かに声をかけられた。


『ちょっと蓮見さん!』


かなり語尾が荒い口調に驚いて、私は持っていた医療機器を足の上に落としてしまった。


『痛い!!』


思わず大声が出る。


『藍花さん!!大丈夫ですか!』


歩夢君が慌てて向こうから走ってきてくれた。


『靴下に血が滲んでます。切れてしまったのかも知れません』


歩夢君は、しゃがんで私の足を見ながら言った。


指の部分に重いものが落ちたせいで、白い靴下が真っ赤になってる。


ふと顔を上げると、その視線の先には春香さんがいた。


私に声をかけたのは…春香さんだ。


でも、私と歩夢君とのやり取りを見てしまったからか…慌てて向こうに行ってしまった。
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