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新しい生活に胸を踊らせて

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『私も…ずっと雪都から元気とか勇気とかいろんなものをもらってましたから。あっ、でも、雪都も新しいおじいちゃんとおばあちゃんが出来て大喜びなんですよ。すごく有難いことです』


『これがお互いにとって1番最良の選択だった。俺達はこれからもずっと一緒だ』


そう言って、慶都さんはお気に入りのワインとワイングラスを用意してくれた。


温度管理されたワインセラーには、年代物の高いものから手軽なものまで、いつでも飲めるように常備されている。


コルクタイプの赤ワインのキャップシールを、ソムリエナイフを使って器用に剥がす慶都さん。


スクリューでコルクを抜き取り、慣れた手付きでワインを注ぐと、それはトクントクンと流れ込み、透明なグラスがゆっくりと赤に染まっていった。


その一連の流れはまるで芸術のようにも思え、慶都さんのスマートな振る舞いに思わずキュンとしてしまう。


『さあ、どうぞ』


『すみません、ありがとうございます。いただきます』


『深みのある濃い赤…とても美しい』


ワイングラスのステムを持つ細くて長い指に、何ともいえない色気を感じてしまう。


ワインを眺めるその顔も、ドキドキするくらい麗しくて…


『え、ええ。本当に綺麗な色です…』


『君にはきっと、こんな色のドレスが良く似合うだろうな』


『えっ、そんなそんな。こんな素敵な赤…私には似合いませんよ。もっとハッキリした顔立ちの美人さんしか…』


そう言った瞬間、頭の中に思わず麗華の顔が浮かんだ。


麗華なら間違いなく着こなすだろう…情熱的な深紅のドレスを。


『君には何でも似合うよ。でも、こんな魅力的な色のドレスを着れば…周りの男性がほおっておかないだろうから、残念だけど諦めるか…』


『けっ、慶都さん。冗談はやめて下さい。私はそんなに良い女じゃ…』
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