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あれは。
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「隅坂先輩!
卒業、おめでとうございます!」
僕は笑顔でまぁくんに
卒業おめでとう、と書かれた
胸章をつける。
この日が来てしまった。
まぁくんと奈那美は無事に
同じ高校に受かって。
僕の幸せだった2年間は終わってしまう。
今日の卒業式に決めていることがあった。
まぁくんに第2ボタンを欲しい、と
お願いしようと思っている。
(そんなこと言ったらひかれるかな…。
でも…。ちょっとくらい
わがまま言ってもいいよ、ね…。)
「まぁくん。」
「なに?くーちゃん。」
まぁくんは相変わらず優しい笑顔だ。
僕はゴクン、と喉を鳴らし
声を絞り出す。
「…その………。お守りがわりに
第2ボタン欲しい。」
まぁくんは優しい笑顔のまま。
「わかった。卒業式終わったらね。」
「うん!」
ぐりぐり、と僕の頭を撫でて
じゃあ、と行ってしまった
まぁくんの背中を
見えなくなるまで追っていた。
卒業式が終わり卒業生たちは
思い思いに別れを惜しみ
写真を撮りあったりしている。
校庭のすみにいた僕のところまで
駆けてきてくれたまぁくんは
照れたように笑った。
「死守したよ。」
見ると第2ボタン以外は
すべてなくなっていて。
なんか、囲まれちゃってさ。と
頭をかくまぁくんに
僕は目頭が熱くなった。
「くーちゃん。ほら、取って。」
「………まぁくん。ありがとう。
お守りにするから…。」
ボタンをぶちっ、と引き剥がす。
「ああ。くーちゃんもS高校に来いよ。
そのボタン持ってたら大丈夫!
待ってるからな。」
そう言って笑うまぁくんに
涙が零れそうなのを
必死で我慢して。笑って。
「うん!がんばる!」
そう言って友達のもとへ行く
まぁくんを手をふって見送った。
3年生になって部活は辞めた。
受験勉強を理由にしたけれど。
芳岡先生のことも
気まずかったから。
先生は何も言わず退部届けを受け取った。
実際、まぁくんと奈那美が行った
S高校は僕の成績だとギリギリで…。
必死で僕は勉強をがんばっていた。
*********************
ある日奈那美が
少し遅く帰ってきて。
まぁくんと一緒だったのかな、って
思ったら聞いてみたくなって
奈那美の部屋に行った。
「奈那美?………まぁくんと…。
デートだった、の?」
「うん。」
奈那美はなぜか少し赤くなって
顔を伏せる。
「紅李翔はさ、好きな子いないの?」
奈那美が突然そんなことを
聞いてきた。
「…………いるよ。ずっと片想いだけど。」
「え?そう…な、の…?伝えたの?」
「ううん。言ってない。
だってその人恋人いるから。」
「そうなの?…私の知ってる人?」
「…………奈那美には言わない。」
ちょっとなんでよー!と
奈那美は膨れるけれど。
言えるわけないじゃないか…。
ふ、と奈那美の顔を見ると
何か違和感がよぎる。
「奈那美…それ………。」
「え?なに?」
奈那美は不思議そうな顔をした。
「首の…………。それって…………。」
え?と焦って鏡を見る奈那美。
「っ!あ…………。」
真っ赤になった奈那美は
明らかに挙動不審だった。
「む、む、虫に刺されたのよ!
…ほら、もう行って!
勉強しなさいよ!」
そう言って部屋を追い出される。
たぶんあれは。
たぶんじゃなく絶対に。
あれはキスマークだった。
卒業、おめでとうございます!」
僕は笑顔でまぁくんに
卒業おめでとう、と書かれた
胸章をつける。
この日が来てしまった。
まぁくんと奈那美は無事に
同じ高校に受かって。
僕の幸せだった2年間は終わってしまう。
今日の卒業式に決めていることがあった。
まぁくんに第2ボタンを欲しい、と
お願いしようと思っている。
(そんなこと言ったらひかれるかな…。
でも…。ちょっとくらい
わがまま言ってもいいよ、ね…。)
「まぁくん。」
「なに?くーちゃん。」
まぁくんは相変わらず優しい笑顔だ。
僕はゴクン、と喉を鳴らし
声を絞り出す。
「…その………。お守りがわりに
第2ボタン欲しい。」
まぁくんは優しい笑顔のまま。
「わかった。卒業式終わったらね。」
「うん!」
ぐりぐり、と僕の頭を撫でて
じゃあ、と行ってしまった
まぁくんの背中を
見えなくなるまで追っていた。
卒業式が終わり卒業生たちは
思い思いに別れを惜しみ
写真を撮りあったりしている。
校庭のすみにいた僕のところまで
駆けてきてくれたまぁくんは
照れたように笑った。
「死守したよ。」
見ると第2ボタン以外は
すべてなくなっていて。
なんか、囲まれちゃってさ。と
頭をかくまぁくんに
僕は目頭が熱くなった。
「くーちゃん。ほら、取って。」
「………まぁくん。ありがとう。
お守りにするから…。」
ボタンをぶちっ、と引き剥がす。
「ああ。くーちゃんもS高校に来いよ。
そのボタン持ってたら大丈夫!
待ってるからな。」
そう言って笑うまぁくんに
涙が零れそうなのを
必死で我慢して。笑って。
「うん!がんばる!」
そう言って友達のもとへ行く
まぁくんを手をふって見送った。
3年生になって部活は辞めた。
受験勉強を理由にしたけれど。
芳岡先生のことも
気まずかったから。
先生は何も言わず退部届けを受け取った。
実際、まぁくんと奈那美が行った
S高校は僕の成績だとギリギリで…。
必死で僕は勉強をがんばっていた。
*********************
ある日奈那美が
少し遅く帰ってきて。
まぁくんと一緒だったのかな、って
思ったら聞いてみたくなって
奈那美の部屋に行った。
「奈那美?………まぁくんと…。
デートだった、の?」
「うん。」
奈那美はなぜか少し赤くなって
顔を伏せる。
「紅李翔はさ、好きな子いないの?」
奈那美が突然そんなことを
聞いてきた。
「…………いるよ。ずっと片想いだけど。」
「え?そう…な、の…?伝えたの?」
「ううん。言ってない。
だってその人恋人いるから。」
「そうなの?…私の知ってる人?」
「…………奈那美には言わない。」
ちょっとなんでよー!と
奈那美は膨れるけれど。
言えるわけないじゃないか…。
ふ、と奈那美の顔を見ると
何か違和感がよぎる。
「奈那美…それ………。」
「え?なに?」
奈那美は不思議そうな顔をした。
「首の…………。それって…………。」
え?と焦って鏡を見る奈那美。
「っ!あ…………。」
真っ赤になった奈那美は
明らかに挙動不審だった。
「む、む、虫に刺されたのよ!
…ほら、もう行って!
勉強しなさいよ!」
そう言って部屋を追い出される。
たぶんあれは。
たぶんじゃなく絶対に。
あれはキスマークだった。
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