君の視線の向かう先は。

勇黄

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やっぱり僕は。

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部屋に戻った僕は
あの奈那美ななみの首のキスマークが
頭から離れずにベッドに倒れこんだ。
















(あれ………。まぁくんがつけたのかな…。
そう、だよな…。
もう付き合い出して1年以上になる。
キスなんてもうとっくに…
それ以上、も?)















考えたくない。












そう思い首をブンブンとふり
枕に顔を押しつける。














次第に嗚咽が漏れていき
枕はぐしゃりと濡れた。


























夢と妄想の狭間で
僕はまぁくんに抱かれる。













抱きしめられたぬくもり
深いキス、まぁくんの欲情した顔。













そして僕の体に
いくつもつけられるキスマーク。












手をゆるく勃起した自分自身に
もっていった。
















「まぁくん………。はぁ…んぅ…んっ……」














妄想の中で僕の手と
まぁくんの手とが重なる。














「あっ……、は。んっ……
まぁ…くっ……んっ…んぁぁ…。」















白濁を手の中に零し
力なくティッシュで拭った。














「っつ…。」













部屋に立ち込める青臭い匂いを
蹴散らすように勢いよく
部屋の窓を開ける。














「バカ、だな…僕は。」















夜の街の灯りにため息をついて
お風呂に入るべく部屋を出た。



























*********************

合格発表の日。













僕はS高校への道を
緊張しながら歩いていた。














震える手をもう片方の手で
ぎゅっ、と握る。















本当はまぁくんに
握っていて欲しいけど
妄想で我慢。














179…179…179…。













掲示板の前まで来て
上を向く勇気がでない。















あれだけがんばったし…。











大丈夫。










そう言い聞かせ顔をあげた。


















「いち、なな、きゅ、う………
あった…!!」















ああ…これでまた。













まぁくんと同じ学校に通える。
















がんばってよかった!
















そう思ったら膝から崩れ落ちて
僕は掲示板の前に
しゃがみこんでしまった。























「くーちゃん!…!大丈夫か?」

















駆け寄って肩を抱き
立たせてくれたのは
まぎれもなくまぁくんで。

















僕は言葉もなくその顔を見つめる。














「な、んで…………。」













まぁくんは照れたように言った。














「いや、さ…。あの…。
先生に渡すものがあって
学校に来たら校門のところで
くーちゃん見かけてさ。
急いで渡しに行って戻ってきたら…。
くーちゃんしゃがんじゃってるしさ。
びっくりした!それで…?」


















「まぁくん!僕、合格したよ!」
















(合格して喜んでる感じで
誰も不思議に思わないよね…。)














勢いよくまぁくんに抱きつく。















「くーちゃん!やったね!
よくやった!えらい!」











まぁくんは頭をポンポンと
何度も優しく撫でて喜んでくれた。
















「これでまた同じ学校だ。
高校のブレザー
くーちゃん似合うよ。」















「そう?」














僕は真っ赤になって
まぁくんの手を握る。


















「………。ほら、くーちゃん。
説明会始まるから行けよ。」















「あ…うん。」















まぁくんは僕が校舎に入るまで
見送ってくれた。



















まぁくんの優しさは
恋人の弟に、小さい頃から
一緒だった幼なじみに
むけられたもの。















わかってる。














わかってるけど。
















僕は…。やっぱり。
まぁくんのことが好きで。















他なんて考えられなくて。
























少し泣いた。
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