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晩餐会の夜⑤
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はっとして見上げると、クロヴィスがエリシアのそばに来ていた。
昏い瞳が彼女を見下ろしていた。
「そういうことだ。俺の想いがわかったか?」
答える間もなく壁に押し付けられ、口づけされた。
「立ち聞きとは、作法がなっていない妃だ」
「……申し訳ござ……っん、ん……」
「愚かと否定された夫を盗み見るのはどんな気分だ」
「そんなっ、あっ」
クロヴィスは片腕でエリシアを抱きくるんだまま胸をつかんだ。
指に力を入れる。
純白の生地の上から、乳首がぷっくり浮き立つのを見つめる。
「目にした時から思っていたが、今日はいつにも増して美しいな。……ずっと押し倒したくてたまらなかった」
低い声で囁くとエリシアを軽々と抱き上げた。
「陛下っ……?」
戸惑う彼女を一瞥する。
離すつもりはないと跳ねのけるような目だった。
「今宵は抱かれないと思って安堵していたか? 生憎だったな。どれほど拒絶されても、俺はきみのぬくもりがほしい」
何か言おうとすれば、口づけで遮ぎる。
そうして寝室に入ると、エリシアを荒々しくベッドに押し倒した。
「陛下っ、待っ……」
「待たない。もう甘い考えは捨てた。とことん抱き尽くして、君の心も手に入れる」
「んっ、んん……っ」
食むように唇がふさがれた。
ねっとりと舌が絡みつき、ときおり、ちゅうと強く吸われる。
その動きは性急でありながらも蠱惑的で、エリシアは欲情とともに甘い熱が体の芯から沸き起こってくるのを感じた。
クロヴィスも同様のようだった。
軽く肩で息をしながら、酸素を求めるように身を起こす――すると、エリシアの顔を見つめて眉をひそめた。
指でその目元に触れる。
「泣いていたのか」
先ほどので目が腫れていたらしい。
エリシアは思わず顔をそらした――が、意を決すると真っ直ぐにクロヴィスを見つめた。
「今宵はあなたに抱かれないのかと思い、泣いていました」
クロヴィスはさらに眉をよせた。
言葉の意味を理解しかねているようだった。
エリシアは身を起こすと、クロヴィスの頬にそっと指を寄せた。
自分の意志で彼に触れたのは初めてだった。
艶やかで張りのある頬、男らしい顎、柔らかい唇――さんざん触れあったのに、今初めて知ったような気がする。
クロヴィスはその動きに甘んじ、息をするのも忘れたかのようにエリシアを凝視していた。
たくましい首筋が、どくどくどくと脈打っている。
「私も、あなたを愛しております」
「……うそだ」
クロヴィスの眉根が歪んだ。
どんなときにも表情を揺らがせなかった彼が初めて見せた感情的な顔だった
何故だか、エリシアも泣きそうになる。
けど耐えて、握り締めていた紙切れをクロヴィスに差し出した。
「これを見せたら信じてもらえますか?」
宝石箱に入っていた密書だった。
短い文章を見ると、クロヴィスは目を細めた。
怒りなのか呆れなのか――その目に宿る感情は読み取れなかった。
「あなたが傷つくだけで胸が張り裂けそうになります。あなたを失えば、私は心を無くしてしまう……」
ついに零れた涙を、クロヴィスの指が優しくぬぐった。
「エルヴァランと俺、どちらかを選ぶのか?」
「……選べません……でも、あなたが大切なのです……」
荒々しく抱き寄せられ、噛み付くように口づけされた。
食まれ吸いつかれ、エリシアも懸命に応じるが、クロヴィスの欲望には敵わない。
ベッドに押し崩された。
わずらわしげにドレスを脱がされる。ときおり、びりと布が割ける音がしたが、激しい口づけの音でかき消される。
ようやく想いが重なった喜びが、媚薬よりも強くその体を昂らせていた。
あらわになった肌に男の熱い手や唇が触れるたびに、体がびくびくと震える。
こぼれおちた乳房に舌が這っただけで甘い声が漏れて、気をやりそうになる。
陰部はすでに、じんじんと熱く痺れていた。
そこに指が忍び寄る。
「んっ……!」
指先が触れただけで、きゅうと切ない刺激を感じる。
クロヴィスがかすれた声で責めた。
「もう濡れそぼっているな……。どうした、丹念に愛撫しなければ乾ききっていたのに」
ぬめりを知らしめるように、肉壁の入口でばらばらと指を動かした。
「んっ……っんっ……!」
それだけで、腫れあがった陰部の突起がじぃんと刺激を感じて達しそうになる。
三本の指が掻くように動きながら内部に入り込んでいく。
くち、くちゅと水の音をさせながら奥まで押しこんだかと思うと、焦らすように引き抜かれる。
愛液がとろりと臀部に伝い落ちた。
そんな緩慢な動きが焦らすように繰り返される。
もうこの動きだけでも蕩けるように気持ちよかった。
だが、クロヴィスに快楽を教えこまれた体は、貪欲だった。
「肉が吸いついてきている。ねだるようだな」
つぶやくように言いながら、クロヴィスが指の動きを速めた。
「あぁん、っん、んんっ……!」
快感が波のように押し寄せてきて、甘い声が漏れ出てしまう。
得るごとに、欲がさらに増す。
もっと奥で、もっと激しく動いてほしくて、きゅうきゅうと指を締めつける。
ふいに指が止まった。
「俺が欲しいか?」
低い声で問われた。
らんらんとした光を放つ漆黒の瞳に見下ろされる。
煽るように、腫れあがった陰部の突起を親指で撫でられた。
「あっ、ん」
「言ってくれ、エリシア……」
昏い瞳が彼女を見下ろしていた。
「そういうことだ。俺の想いがわかったか?」
答える間もなく壁に押し付けられ、口づけされた。
「立ち聞きとは、作法がなっていない妃だ」
「……申し訳ござ……っん、ん……」
「愚かと否定された夫を盗み見るのはどんな気分だ」
「そんなっ、あっ」
クロヴィスは片腕でエリシアを抱きくるんだまま胸をつかんだ。
指に力を入れる。
純白の生地の上から、乳首がぷっくり浮き立つのを見つめる。
「目にした時から思っていたが、今日はいつにも増して美しいな。……ずっと押し倒したくてたまらなかった」
低い声で囁くとエリシアを軽々と抱き上げた。
「陛下っ……?」
戸惑う彼女を一瞥する。
離すつもりはないと跳ねのけるような目だった。
「今宵は抱かれないと思って安堵していたか? 生憎だったな。どれほど拒絶されても、俺はきみのぬくもりがほしい」
何か言おうとすれば、口づけで遮ぎる。
そうして寝室に入ると、エリシアを荒々しくベッドに押し倒した。
「陛下っ、待っ……」
「待たない。もう甘い考えは捨てた。とことん抱き尽くして、君の心も手に入れる」
「んっ、んん……っ」
食むように唇がふさがれた。
ねっとりと舌が絡みつき、ときおり、ちゅうと強く吸われる。
その動きは性急でありながらも蠱惑的で、エリシアは欲情とともに甘い熱が体の芯から沸き起こってくるのを感じた。
クロヴィスも同様のようだった。
軽く肩で息をしながら、酸素を求めるように身を起こす――すると、エリシアの顔を見つめて眉をひそめた。
指でその目元に触れる。
「泣いていたのか」
先ほどので目が腫れていたらしい。
エリシアは思わず顔をそらした――が、意を決すると真っ直ぐにクロヴィスを見つめた。
「今宵はあなたに抱かれないのかと思い、泣いていました」
クロヴィスはさらに眉をよせた。
言葉の意味を理解しかねているようだった。
エリシアは身を起こすと、クロヴィスの頬にそっと指を寄せた。
自分の意志で彼に触れたのは初めてだった。
艶やかで張りのある頬、男らしい顎、柔らかい唇――さんざん触れあったのに、今初めて知ったような気がする。
クロヴィスはその動きに甘んじ、息をするのも忘れたかのようにエリシアを凝視していた。
たくましい首筋が、どくどくどくと脈打っている。
「私も、あなたを愛しております」
「……うそだ」
クロヴィスの眉根が歪んだ。
どんなときにも表情を揺らがせなかった彼が初めて見せた感情的な顔だった
何故だか、エリシアも泣きそうになる。
けど耐えて、握り締めていた紙切れをクロヴィスに差し出した。
「これを見せたら信じてもらえますか?」
宝石箱に入っていた密書だった。
短い文章を見ると、クロヴィスは目を細めた。
怒りなのか呆れなのか――その目に宿る感情は読み取れなかった。
「あなたが傷つくだけで胸が張り裂けそうになります。あなたを失えば、私は心を無くしてしまう……」
ついに零れた涙を、クロヴィスの指が優しくぬぐった。
「エルヴァランと俺、どちらかを選ぶのか?」
「……選べません……でも、あなたが大切なのです……」
荒々しく抱き寄せられ、噛み付くように口づけされた。
食まれ吸いつかれ、エリシアも懸命に応じるが、クロヴィスの欲望には敵わない。
ベッドに押し崩された。
わずらわしげにドレスを脱がされる。ときおり、びりと布が割ける音がしたが、激しい口づけの音でかき消される。
ようやく想いが重なった喜びが、媚薬よりも強くその体を昂らせていた。
あらわになった肌に男の熱い手や唇が触れるたびに、体がびくびくと震える。
こぼれおちた乳房に舌が這っただけで甘い声が漏れて、気をやりそうになる。
陰部はすでに、じんじんと熱く痺れていた。
そこに指が忍び寄る。
「んっ……!」
指先が触れただけで、きゅうと切ない刺激を感じる。
クロヴィスがかすれた声で責めた。
「もう濡れそぼっているな……。どうした、丹念に愛撫しなければ乾ききっていたのに」
ぬめりを知らしめるように、肉壁の入口でばらばらと指を動かした。
「んっ……っんっ……!」
それだけで、腫れあがった陰部の突起がじぃんと刺激を感じて達しそうになる。
三本の指が掻くように動きながら内部に入り込んでいく。
くち、くちゅと水の音をさせながら奥まで押しこんだかと思うと、焦らすように引き抜かれる。
愛液がとろりと臀部に伝い落ちた。
そんな緩慢な動きが焦らすように繰り返される。
もうこの動きだけでも蕩けるように気持ちよかった。
だが、クロヴィスに快楽を教えこまれた体は、貪欲だった。
「肉が吸いついてきている。ねだるようだな」
つぶやくように言いながら、クロヴィスが指の動きを速めた。
「あぁん、っん、んんっ……!」
快感が波のように押し寄せてきて、甘い声が漏れ出てしまう。
得るごとに、欲がさらに増す。
もっと奥で、もっと激しく動いてほしくて、きゅうきゅうと指を締めつける。
ふいに指が止まった。
「俺が欲しいか?」
低い声で問われた。
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「あっ、ん」
「言ってくれ、エリシア……」
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