初夜での暗殺に失敗した私ですが、今宵も冷徹皇帝から甘く抱き尽くされております

葛和蛙蘭

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困惑の初夜④

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 びくびくと脚を震わせながら、エリシアは割れ目の奥がしっとりと濡れていくのを感じた。

「ああ、いや……っ」

 たまらずエリシアが脚を硬く擦り合わせると、クロヴィスが低い声で囁く。

「恥じらうことはない。体が受け入れたがっている証だ」

 その言葉を裏付けるかのように、体が蕩けたようにおもだるくなり、されるがまま指が動くのを突き放すことができない。

 クロヴィスの手が、片脚を持ち上げゆっくりと脚を開かせた。
 外気に触れると、陰部が濡れているのをより鮮明に感じて羞恥を覚える。
 思わず隠そうと伸ばした手を掴むと、クロヴィスは愉悦するような微笑を浮かべて呟いた。

「……きみはこんな淫らなところまで美しいな」
「……いやっ、見ないでください……!」
「淡く可憐な色だ。俺の武骨な指が犯すのには憚られる」
「んっ……!」

 しかし言葉とは真逆に、指は割れ目を押し込むように強くなぞり上げる。
 ぴちゃと淫らな音がして、エリシアは思わず脚を閉じようとするが、クロヴィスの手がそれを許さない。

「だがそれも今だけだ。卑猥な色を見せて俺を待ちわびるように変えてやる」

 冷酷に告げたかと思うと、指は割れ目の奥へと入り込んできた。

「……あっ……」

 思わず声が漏れる。快感が混ざった圧迫感を覚え、体が震える。
 指がゆっくりと引き抜かれ、また奥へ。
 引き抜かれ、またすこし奥へ。
 抜き差しが繰り返されるたびに、くちゅ、くちゅという水の音がする。

 じわじわと熱が下腹に広がり、胸が波打つ。腹の奥を内部から押されるような刺激に、鼻にかかった細い声が漏れた。

「や……どうか、もう……」

 たまらず懇願すると、クロヴィスは掠れた声で返した。

「ここは嬉しそうに蜜を零しはじめている。今、やめる方がつらいぞ」
「そん、っあ、ぁあ、あ……!」
「……覚えのいい淫らな体だ。聖女より淫乱として生きるほうがいいのでは?」
「んっ、あぁっ、あ……!」

 残酷な言葉とともに、さらにもう一本の指が加わり、内部を深く抉る。
 言葉に傷つく余裕もなく、熱に爛れそうになる感覚に意識が囚われる。
 声がますます高く、甘たるくなっていく。

 ふいに口付けされた。

 熱く柔らかい舌がエリシアの口内に入り込み、それを絡め取る。咄嗟に応じてしまい、舌同士が淫らにもつれあう。
 クロヴィスのそれは不思議と甘く、まるで蜜菓子を味わうようだった。
 その間にも、指は本数を増し、激しく水の音を響かせながらエリシアの中を暴いていく。

「んっ、ふ……! んっ、んんっ……!」

 陰部から臀部にかけて濡れているのを感じた。先ほどの香油でないことはその温かさからわかった。
 粗相をしたように愛液を垂らしているのがみっともなくて、泣きそうになる。

 クロヴィスの手がふと止まり指が抜かれた。
 惜しむように内部がきゅうと締まった。無意識にそんな反応をしてしまったことに羞恥を覚える。
 クロヴィスが、真っ直ぐにエリシアを見下ろしたまま衣服を脱ぎ捨てた。

 屈強な体が現れる。淡い灯りに照らされたその肉体は、戦場を駆けているとは思えぬほど滑らかで、傷ひとつない。なめし皮のように艶を帯びていて、むしろ官能的だった。

 クロヴィスは両腕をついてエリシアを見つめた。
 雄の欲情に染まりきったその美貌に見惚れていると、熱く太いものが押し当てられ、ぴちゅと水の音がした。

「あ……っ」
「力を抜いていろ」

 低く囁かれたその声とともに、クロヴィスの昂ぶりがエリシアの中へと埋められていく。
 指とは比べものにならない。その太さ、硬さ、熱さ。
 まさしく彼の雄々しさそのものだ。

 割けてしまうのではないかという恐怖に、エリシアは反射的に彼の厚い胸板に手を添える。
 だが力は込められず、縋るような仕草にしかならなかった。
 彼が与えてきた快感は、エリシアの理性を溶かし、体に欲情を芽生えさせていた。
 恐怖よりもこの剛直に突き乱されたいという欲望が勝る。

 クロヴィスはゆっくりと腰を動かし、浅く出し入れを繰り返した。
 その律動が少しずつ深くなりごとに奥がズキッとなり、ひりつくようなつらさに見舞われる。

 思わず眉根を寄せて耐えていると、クロヴィスの手が香油を結合部に塗り付けながら、エリシアの陰部の突起を撫でた。
 触れられた瞬間は強い刺激に腰が跳ねたものの、それからの動きは優しく巧みだった。

 突起の周りに指を這わせて、やわやわと微かに挟むようにこする。
 腫れあがったそこは、それだけでも十分に気持ちよさ覚え、内部がひくついた。
 それを見逃さないクロヴィスが自身をそっと出し入れをすると、痛みは感じず、代わりに奥からじわりと愛液がにじんできた。

「動かし続けていくうちに、もっとよくなる。俺を受け入れてくれ」

 優しく囁かれたその言葉の通り、何度かそうして慣らしていくと、次第につらさのなかに快感が混じり始めた。
 出し入れの間隔は長くなっていった。
 雄が肉壁を擦るたびに、蕩けるような快感が生まれて、腰全体が甘く痺れていく。

(……もっと、欲しい……奥まで……)

 そんな欲望を覚えた瞬間、クロヴィスが一気に雄を根元まで押し入れた。そしてすかさず抜いてまた押し込む。

「アああっ! っああ! アあ……っ!」
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