【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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卒業式です

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 リシャール様を救出した翌々日は、我が学園の卒業式です。私は今年は在校生代表として送辞を述べる御役目を賜ったので、出席しないわけにはいきません。

(でも、気が重いのよね…)

 毎年、送辞も答辞もその年の学年主席が担うのですが、今年の答辞は噂通りエルネスト様になりました。その経緯などははっきり言って知りたくもないので、敢えて聞こうとも思いません。私は私の役目を果たすだけ、そのつもりで出席しました。しかし…

(おかしいわ、送辞の原稿が見当たらない…)

 教室の自分の机に入れておいた、答辞の原稿が見当たりません。これは先生が見直しをするかもしれないからと、机に入れておいたのですが、それが仇になったようです。今更書き直す時間もありませんが…

「どうしたの、レティシア様?」
「ベルティーユ様…ええ、送辞の原稿が見当たらなくて…」
「原稿?」
「ええ、内容の修正などがあるかもしれないからと、先生が机に入れておくようにと仰っていたのよ。だから入れたままにしておいたのだけど…」
「おかしいわね、わざわざ人の机の粗探しをする方なんていないでしょうに」

 そうは思うのですが、いくら探しても原稿は見つかりませんでした。

「仕方ありませんわ。なしで行きましょう」
「大丈夫なの?」
「ええ、まぁ。内容は毎年同じですし、大体は頭に入っていますから」

 こうなっては仕方がありませんわね、ぶっつけ本番原稿なしでいくしかないでしょう。答辞は送辞に合わせる必要がありますが、送辞はその必要はないので問題ないでしょう。



「いい送辞だったわよ」

 式の後、ベルティーユ様がそう褒めてくれました。内容的には毎年恒例で文章の組み合わせが違う程度ですし、人前で話をするのも慣れているので特に緊張する事もありませんでした。リシャール様と二人きりになる緊張感に比べたら、全く大した事ありませんわ。

「それにしても…殿下は最後まで締まらなかったわね」
「はぁ…」

 それに関してはもう、コメントしたくもありませんわ。私が送辞だと知って慌てた上に、相変わらず緊張感があるのかないのかわからない落ち着きのなさに、会場では秘かに失笑する方もいたくらいです。今年は国王ご夫妻がご出席でいつも以上に厳かな雰囲気でしたが、それを台無しにしたのがエルネスト様だったのですよね。

「卒業パーティーは荒れそうね」
「今年卒業でなくてよかったですわ」

 そう、式の後は卒業パーティーです。卒業生とその親や婚約者が出席するパーティーですが、在校生では生徒会のメンバーが出るくらいです。私は首席だったので在校生代表と言う形で出る必要がありましたが…

「レティシア様は、パーティーに出るの?」
「いえ、私は家の事情があるので今日は…」
「ああ、婚約者の件ね」

 そうです、私はリシャール様の事があったので、欠席にして頂いたのです。騎士団の事情聴取もありますし、学園にその旨を申し出たところ、そういう事であればやむを得ずとのお言葉を頂いて免除になったのですよね。まぁ、私がいてはエルネスト様の立場がありませんから、幸いなのではないでしょうか。



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