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進まない婚約解消
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それから三月が経った。私とレニエ様の関係は秘密のままで、時折残業で二人きりになった時、手を繋いだり額にキスをされたりするたびに私の心は踊った。
一方で婚約の解消は解消のかの字も出て来なくて、この頃になると気を揉むことが多くなった。というのも、結婚式の日取りが四ヶ月後に決まったからだ。父からは退職の準備をするよう命じられ、これに関してはレニエ様がルイーズ様に話をして下さったらしい。どうなっているのかは教えて下さらなかったけれど。
でも、一番私の気を揉ませたのは……
「ジョセフ様ぁ~」
今日もジョセフ様とのお茶会のために家に戻って来たけれど、既にジョセフ様はミレーヌと一緒に庭の散策をしていた。ジョセフ様はミレーヌにはっきり断っていたし、ミレーヌも諦めたと思っていたけれど、甘かったらしい。ミレーヌはアルマン様との顔合わせを避け続け、その話は一月前に向こうから断られていた。そしてこれだ。
(ジョセフ様は、何をお考えなのかしら……)
デュノア伯爵はミレーヌを後継者の妻として受け入れないと宣言している。そうなった場合、ジョセフ様を廃嫡するとまで言っているのだ。最悪の場合勘当されれば平民落ちで、そうなれば今の仕事だって失ってしまう。文官も身分によって配属先が限られてくるから、今までの努力が無になってしまうだろうに。
「お嬢様……」
「ありがとう、でも大丈夫よ」
侍女が気遣わしげに声をかけてくれたけれど、申し訳ないのはこっちだ。元凶は妹なのだから。
「実はミレーヌ様は……時折ジョセフ様とお出かけになることもあるのです」
「二人で?」
「さすがにそこまでは……旦那様には女友達だと仰ってるようですが……」
「そう」
父はミレーヌに女友達が出来たと喜んでいるかもしれない。あの子は学園時代、同性の友達がいなかったからお茶会などにも殆ど呼ばれていなかった。多分、適当に話を作っているのだろう。お父様は裏を取るようなことは思い付きもしないだろうし。
「使用人たちの間でも噂になっております。外で話すような者はいないでしょうが、外に出ればそうもいきません」
「そうね、わかったわ。教えてくれてありがとう」
「いえ、差し出がましい真似を致しました」
「ううん。あなたたちのお陰でミレーヌの醜聞は外に出ないのだもの。お礼を言うのはこちらの方よ」
使用人も我が家が没落したりすれば解雇される可能性もあるから心配しているのだろう。それに父のお気に入りのミレーヌに忠告するのも難しいだろうし。全く、頭の痛い話だ。お父様に報告することも出来るけれど、ジョセフ様にお考えがあるかもしれないし……確かめたいけれど、ミレーヌが離れないからそれも難しい……
「ミレーヌとジョセフ様のこと、すっかり噂になっているね」
エドモンから呼び出されて夕食を一緒に取った時、最初に出てきたのはその話だった。
「あちこちの夜会に顔を出していると聞いたわ」
「うん、アルマン殿との婚約話も流れちゃって、グノー公爵の顔を潰しちゃったからね。お陰でもうどこからも釣書が来ていないみたい」
「普通なら修道院行きか、後妻くらいしか行き先はないものね」
公爵の不興を買ったとなれば、傘下の家でなくても敬遠するだろう。それでなくてもエクトル様の件で淑女教育が終わっていないと知られているのだ。
「お父様は何を考えているんだか……」
「さぁね。母上に似たミレーヌが可愛いんだろうけど、甘やかせば幸せになれるってわけでもないのに。あの様子じゃ一生家にいるんじゃない?」
「やだ、やめてよ。そんなことしたらエドモンは……」
「別にいいよ。あの家を継ぐメリットもないし」
「でも……」
「いっそミレーヌが婿を取ればいいんじゃない? そうすればずっとあの家で今まで通り過ごせるし」
確かにそうした方が他家に迷惑が掛からなくていいけれど、エドモンの今までの努力が無になってしまう。実家があれでは婿入り先だって簡単には見つからないだろう。
「俺の心配はしなくていいよ。考えもあるし」
「まさか……本気で家を出る気?」
「それもありかなって最近は思う。文官として身を立てた方が余計な柵がない分気が楽だし」
「否定出来ないところが辛いわ……」
「姉さんこそどうするの? このままジョセフ様と結婚するの?」
それはないと言いたいけれど、レニエ様から何も聞いていないから言えない。それがもどかしい。
「私も……考えているから大丈夫よ。最悪家を出ることもね」
「そう? でも、無理はしないでね」
「もちろんよ」
家を出る覚悟は文官になった時に出来ている。家に未練はないけれど、エドモンのことが心配だったのだ。でも、彼は仕事の評価も高いし、実家と縁が切れればどこかに婿入りするのも可能だ。領主教育を受けているから、娘しかいない家から引く手数多だろう。
エドモンのことは大丈夫そうだとわかって気が楽になった。こうなると実家を出た方がいいように思えてくる。シャリエ家は伯爵家の中では下の方だし、特産品もない凡庸な土地だ。父は新たな産業を生もうという考えもなく、ただ昔のやり方を続けるしか出来ない。
(それにしても、そろそろ婚約解消にならないかしら)
そうなればレニエ様と……そう思うのだけど、父が粘っているのか解消に話が進まない。そろそろ結婚式を中止にするのも限界だろうに。
「シャリエ嬢」
帰り支度を終え、扉に向かおうとしたところでフィルマン様に声をかけられた。他の方は既に帰った後で、レニエ様はルイーズ様の元に行ってまだ戻っていなかった。フィルマン様はまだ仕事が残っているらしく、机の上には書類が広がっていた。
「どうかなさいましたか?」
「あ、あの……デュノア伯爵のジョセフ殿との話だけど……」
「ああ」
どうやらジョセフ様とミレーヌの噂を聞いて声をかけて来たらしい。
「ジョセフ殿がミレーヌと懇意だと聞いて……その、先日街に行った際、二人を見かけて……」
「そうでしたか。お気遣いありがとうございます。でも大丈夫ですから」
「でも……」
確かにこんな状況で大丈夫だと思えというのが無理だろう。でも、本当のことを話せない以上、そういうしか出来ない。
「シャリエ嬢。いや、ジゼル」
急に腕を引かれて壁に背を付ける形で向き合うことになった。こんなところを誰かに見られたくない。
「何でしょう? 放して下さい。こんなところを誰かに見られたら……」
「見られても構わない。ジゼル、もう一度やり直さないか。このままジョセフ殿と結婚しても君が幸せになれるとは思わない!」
一方で婚約の解消は解消のかの字も出て来なくて、この頃になると気を揉むことが多くなった。というのも、結婚式の日取りが四ヶ月後に決まったからだ。父からは退職の準備をするよう命じられ、これに関してはレニエ様がルイーズ様に話をして下さったらしい。どうなっているのかは教えて下さらなかったけれど。
でも、一番私の気を揉ませたのは……
「ジョセフ様ぁ~」
今日もジョセフ様とのお茶会のために家に戻って来たけれど、既にジョセフ様はミレーヌと一緒に庭の散策をしていた。ジョセフ様はミレーヌにはっきり断っていたし、ミレーヌも諦めたと思っていたけれど、甘かったらしい。ミレーヌはアルマン様との顔合わせを避け続け、その話は一月前に向こうから断られていた。そしてこれだ。
(ジョセフ様は、何をお考えなのかしら……)
デュノア伯爵はミレーヌを後継者の妻として受け入れないと宣言している。そうなった場合、ジョセフ様を廃嫡するとまで言っているのだ。最悪の場合勘当されれば平民落ちで、そうなれば今の仕事だって失ってしまう。文官も身分によって配属先が限られてくるから、今までの努力が無になってしまうだろうに。
「お嬢様……」
「ありがとう、でも大丈夫よ」
侍女が気遣わしげに声をかけてくれたけれど、申し訳ないのはこっちだ。元凶は妹なのだから。
「実はミレーヌ様は……時折ジョセフ様とお出かけになることもあるのです」
「二人で?」
「さすがにそこまでは……旦那様には女友達だと仰ってるようですが……」
「そう」
父はミレーヌに女友達が出来たと喜んでいるかもしれない。あの子は学園時代、同性の友達がいなかったからお茶会などにも殆ど呼ばれていなかった。多分、適当に話を作っているのだろう。お父様は裏を取るようなことは思い付きもしないだろうし。
「使用人たちの間でも噂になっております。外で話すような者はいないでしょうが、外に出ればそうもいきません」
「そうね、わかったわ。教えてくれてありがとう」
「いえ、差し出がましい真似を致しました」
「ううん。あなたたちのお陰でミレーヌの醜聞は外に出ないのだもの。お礼を言うのはこちらの方よ」
使用人も我が家が没落したりすれば解雇される可能性もあるから心配しているのだろう。それに父のお気に入りのミレーヌに忠告するのも難しいだろうし。全く、頭の痛い話だ。お父様に報告することも出来るけれど、ジョセフ様にお考えがあるかもしれないし……確かめたいけれど、ミレーヌが離れないからそれも難しい……
「ミレーヌとジョセフ様のこと、すっかり噂になっているね」
エドモンから呼び出されて夕食を一緒に取った時、最初に出てきたのはその話だった。
「あちこちの夜会に顔を出していると聞いたわ」
「うん、アルマン殿との婚約話も流れちゃって、グノー公爵の顔を潰しちゃったからね。お陰でもうどこからも釣書が来ていないみたい」
「普通なら修道院行きか、後妻くらいしか行き先はないものね」
公爵の不興を買ったとなれば、傘下の家でなくても敬遠するだろう。それでなくてもエクトル様の件で淑女教育が終わっていないと知られているのだ。
「お父様は何を考えているんだか……」
「さぁね。母上に似たミレーヌが可愛いんだろうけど、甘やかせば幸せになれるってわけでもないのに。あの様子じゃ一生家にいるんじゃない?」
「やだ、やめてよ。そんなことしたらエドモンは……」
「別にいいよ。あの家を継ぐメリットもないし」
「でも……」
「いっそミレーヌが婿を取ればいいんじゃない? そうすればずっとあの家で今まで通り過ごせるし」
確かにそうした方が他家に迷惑が掛からなくていいけれど、エドモンの今までの努力が無になってしまう。実家があれでは婿入り先だって簡単には見つからないだろう。
「俺の心配はしなくていいよ。考えもあるし」
「まさか……本気で家を出る気?」
「それもありかなって最近は思う。文官として身を立てた方が余計な柵がない分気が楽だし」
「否定出来ないところが辛いわ……」
「姉さんこそどうするの? このままジョセフ様と結婚するの?」
それはないと言いたいけれど、レニエ様から何も聞いていないから言えない。それがもどかしい。
「私も……考えているから大丈夫よ。最悪家を出ることもね」
「そう? でも、無理はしないでね」
「もちろんよ」
家を出る覚悟は文官になった時に出来ている。家に未練はないけれど、エドモンのことが心配だったのだ。でも、彼は仕事の評価も高いし、実家と縁が切れればどこかに婿入りするのも可能だ。領主教育を受けているから、娘しかいない家から引く手数多だろう。
エドモンのことは大丈夫そうだとわかって気が楽になった。こうなると実家を出た方がいいように思えてくる。シャリエ家は伯爵家の中では下の方だし、特産品もない凡庸な土地だ。父は新たな産業を生もうという考えもなく、ただ昔のやり方を続けるしか出来ない。
(それにしても、そろそろ婚約解消にならないかしら)
そうなればレニエ様と……そう思うのだけど、父が粘っているのか解消に話が進まない。そろそろ結婚式を中止にするのも限界だろうに。
「シャリエ嬢」
帰り支度を終え、扉に向かおうとしたところでフィルマン様に声をかけられた。他の方は既に帰った後で、レニエ様はルイーズ様の元に行ってまだ戻っていなかった。フィルマン様はまだ仕事が残っているらしく、机の上には書類が広がっていた。
「どうかなさいましたか?」
「あ、あの……デュノア伯爵のジョセフ殿との話だけど……」
「ああ」
どうやらジョセフ様とミレーヌの噂を聞いて声をかけて来たらしい。
「ジョセフ殿がミレーヌと懇意だと聞いて……その、先日街に行った際、二人を見かけて……」
「そうでしたか。お気遣いありがとうございます。でも大丈夫ですから」
「でも……」
確かにこんな状況で大丈夫だと思えというのが無理だろう。でも、本当のことを話せない以上、そういうしか出来ない。
「シャリエ嬢。いや、ジゼル」
急に腕を引かれて壁に背を付ける形で向き合うことになった。こんなところを誰かに見られたくない。
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