異世界親父騒動記

マサカド

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第一章 親父たち追放される

閑話

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 デストロイの街 夜
 最初に気づいたのは動物たちだった。
 野生の本能なのか馬小屋の馬達、食肉用の生きた家畜達が、犬猫が、ネズミが、一斉に騒ぎ始めてデストロイの街から脱走を試みたからだ。
 動物の一部が柵などから脱出に成功し、街の中を門に向かって暴走。
 その騒ぎによってデストロイの住民達も、パニックを起こした。
「な、なんだ。何がおきた」
「明日朝一番で出荷する豚が盗まれた」
「馬泥棒だ」
「Zzzzz」
 一部この騒ぎ中なのに寝ている図太い人もいたが、デストロイの街は混乱の極みであった。
 この混乱の原因は親父たちが落とした(スられた)呪いの金袋によるものだった。
 本来であれば、デストロイの街はモンスター除けの結界が施されているので、呪いの金袋の効果は無力になるのだが、教授の錬金術により強化された呪いが結界の力を上回り、デストロイの街は迷宮ダンジョン、野生問わずモンスターたちによる四面楚歌となりつつあった。
 もしも呪いの金袋の事を知っている者がいれば、対策を立てられたかもしれない。
 しかし、現状は誰も知らない為、動物達が騒いでいる原因を理解できなかった。
 本来であれば、この状態を鎮静する役目であるはずの冒険者ギルドのギルドマスター、教会の神父、デストロイの街の役人たちは、それぞれ泥酔状態(酒飲み過ぎ)、ネズミで失神(未来のネコ型ロボット?)、自分から行動しなかった(災害時に役に立たないトップ?)。
 そんな中、デストロイの街を守っている壁の上で見張っていた兵士がモンスターの大群を発見し、緊急警報を鳴らしたが、集団パニックを起こしていた住民には聞こえなかった。
 そんな状態である為に、モンスターの侵入を許してしまい、デストロイの街は崩壊した。
 生き残ったのは一部のネズミと猫と犬だけで、住民たちは誰一人生き残れなかった。
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