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―――――第4部―――――
6話「{ 結婚 = “幸せ” }= 共通認識 」㉓
しおりを挟む良太の顔が、俺から背いた。
「…なんで…そっち向くんだよ…。」
俺は左手を伸ばして、枕の下に差し込み、
そっぽ向いている良太の頬に触れ、
こちらに向かそうとする。
「…寝ようよ…。」
しかし良太が体重をかけるため、
動かず。
俺は、息をついて。
良太の耳に、唇を当てた。
「…じゃあ…
……おやすみのキス…しよう…?」
そのまま、唇を、小さく動かし、
微かな声を、耳の穴へ吹き込むと、
ピクッと、良太の肩が震え。
そうして、
ゆっくり、良太の顔が、こちらへ向く。
「………1回だけだよ?」
良太は半目に俺を見ながら、
ぽつりと言った。
俺は、頷き。
顔を近付け。
良太の唇にキスをして、
チュ…ッと、吸い付いた。
そのまま、
両手で、良太の頬を押さえ。
チュッ…チュッ…と、角度を変えて、
吸い付き。
食んでいって。
チュッ…ちゅぱ…と、
音が、
何度も、繰り返し、響いていく。
そして、
良太の手に肩を押され、
唇が離された。
「……1回だけだって…」
そう、小さく開いた唇が、
目に映った瞬間。
その隙間へ、舌を押し入れる。
そのまま、
もっと顔を近付けて、
口と口の距離を0にしていき。
大きく舌を動かして、
歯列を、頬の内側を、上顎をと、
口内の粘膜を舐め取るように、
舌で触れていく。
そうして、
良太の厚い舌に、絡み付いて。
舌の上を、横を、裏を、
なぞって、撫で回していった。
そうやって。
ちゃ…ぴちゃ…と、
唾液の交じる音が、
頭の中に鳴りながら。
舌と吐息の柔らかい熱に、
体中が、熱く痺れ、
ぞわぞわしながら、絡み付いていると。
次第に、
良太の舌も、それに、応えてきた。
そうして。
息が荒くなって、
視界が霞んでいった頃。
唇が離れ。
は…は…と、
互いに肩を上下させつつ、
近い距離で、顔を合わせる。
良太の熱い息が、
顔にかかるのを、感じ、
舌の間に流れる、光る糸が、
垂れて、途切れるのが、
視界に入ったまま。
俺は、
左脚を、良太の脚の間に入れ、
腕を伸ばして、右肩へ触れて、
良太の左半身に、覆い被さった。
そのまま
胸と胸と、ピッタリとくっ付け。
互いの心臓の、速くなった音が、
ぶつかり合うのを感じながら。
ぼやける瞳で、
良太の目を、見つめ。
「…………最後まで…
しなきゃ…
…いいんじゃ…ないか…?」
乱れる息に、声を混ぜ。
「…触りっこ…ぐらい…
なら…さ……。」
良太の、首を、
鎖骨を、胸を、
撫でていき。
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