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第五章 そして、青春へ。
第二十三回 ホワイトな続き、それからEの誘惑?
しおりを挟むそうは謳いながらも、まずはホワイト。つまり、今はまだ十四日の土曜日。
――三月十四日のその日なのだ。
ホワイトには二つの意味。一つは……そう、今目覚めたばかり、カーテンの隙間から差し込む光は、ぼんやりとした早朝の独特な風景。または白い世界。
同じお布団、電気カーペットの温もり。……でも、それだけでもなく、寝息だけでもなく、息がかかるほど近くて、向い合せると、とっても密着する梨花の顔。
……なので、
チュッ! と、ある種のお約束のように、唇と唇が触れた。
パチクリと、梨花も目を覚まして……そのまま、
「千佳、今もしかして、僕にキスした?」と、物申したのだ。
「違う、チュッ! だけ。たまたま触れただけだから」……と、僕は言った。
無理もない、このシングルな布団。
この中で、二人で眠るには狭かった。それに、それにね……ピンクと黄色のNPCを用いてエッセイのコラボを果たして、所謂雑魚寝状態に近し……だけれども、丁寧な方だと思う。多少の密着は許容範囲だと、僕は思うよ。――そう思っていると、
「そうだね、今日はホワイトデーだね」
と、急に梨花はニッコリ、話題まで変えてきた。相槌を打つ間もなく、梨花はそのまま話を続ける。……まあ、話といっても、一言二言の程度だけど……
「バレンタインの御返し、千佳も協力してね」
「へ?」
「へ? じゃないの! これは千佳のためでもあるんだよ」
う~む、意味はわからないけど、二つは……ホワイトデーだな。すると――
「EスポだよEスポ。僕と一緒にパパにおねだりするの。それでもってお願い、千佳じゃないとできないことなの」って、梨花は、とびっきりの甘えた声で言ったのだ。
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