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第十二章 あの頃の初恋は今、本当の音色を奏でる。
第六十三回 わかっちゃった?
しおりを挟む――僕のこと。……一年も会ってなかったのに、君の容姿もこれほど変わって、きっと同じように、僕も変わっていて……にも拘らずに、僕のこと一目でわかっちゃった?
で、その上に、
すぐの傍らに、僕と瓜二つと言っても過言ではない梨花がいるのに、
間違いなくその視線は、怖い程まっすぐに、更にブレることなく確信をもって僕を射止めている。……だから、だから僕も信じる! 自分の女の勘を――その男の子は、
そう。間違いなく、
「太郎君!」なのだ。この時、僕には彼しか見えていなくて「会いたかったよ!」と、堪えきれずに大粒の涙。それに加えてハグハグと……彼の胸へ飛び込み抱きついた。
「おいおい、お前、周り見てるだろ? わかってるのか? 密会も自粛なのに、そんなに接触したら駄目だろ?」
「お前じゃないもん、千佳だもん、……これはね、運命の再会なんだよ? 僕がどんだけ会いたかったかわかる? もう離れちゃヤダなんだから!」
フウ……と、穏やかな息へと変わるのがわかる、頬に感じる太郎君の息。華奢のように見えるけれど、ガッチリとしていて僕と違う体温、それに鼓動……何か熱くなる。
くしゃ……
と、彼が撫でるように僕の髪を触るその最中で、キョトンとしている梨花……
視界に入る。で、一言。「千佳って、大胆……」
それに続いて「……僕?」と、太郎君は不思議そうな顔で僕の濡れた顔を見る。
僕も冷静になったのか、
「そう、僕」……太郎君は、僕の一人称が『私』から『僕』へ変わったことを知らなかった。そして、僕に『梨花』という双子のお姉ちゃんがいることも。僕の名字が『梅田』に変わったことも、きっと知らないと思う。――いずれにしてもここからが本番だ。
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