新章たるウメチカ！

第十五章 お待ちかねの次のステージへ！

第八十回 今宵、ふと想う。

　――とある日曜日にも似た、そんな夜のこと。


　ＮＰＣノートパソコンの画面を目の当たりに、僕は思考する……というよりも、整理を試みる脳内を。

　僕はこの先の、少し未来のことを述べるなら、

　今は五人となった我がチーム。お母さんが入手した『片道切符』から始まる『第二回格ゲー選抜大会』のためのチーム。今一度、念のためメンバー点呼を行うと、チームリーダーにお母さん。戦略などの頭脳プレーに可奈かな。宇宙開発用の強化服に身を包み『アイアンホーク』と改名……そのアバターを操る梨花りか。セーラー服ＪＣの、もう一人のＵＴを名乗るアバター、ＰＮペンネームと同じ『ウメチカ』と名乗る僕。そして……

　先日、新メンバー加入した。

　五人目の最強の戦士。本家のＵＴだ！　その名も『ウルトラ・タロ』――まさしく太郎たろう君がウルトラマンに変身したようなアバターだ。衝撃ソニック波や夏潮サマーソルト蹴りなどが得意……

　あれれ？　全く同じだ。
　一年前、僕とプレーしていた頃と……まあ、それはそれとして、

　選抜大会を勝ち進むと、挑戦権を獲得することができる。コンテストで例えるなら一次選考通過に匹敵……なら、そこから先は強者揃い。かつて僕に戦いを挑んだゲーマーとも顔を合せることだろう。舞台は、私の鉄道『最寄りの駅』から十一駅目に所在する『ウメダ』という名称。その地下街の『ドバシ』という℮スポーツ専門店が連なる会場だ。

　もう少し未来に存在する七夕を超えた二十三日。そこから三日間だ。

　そこにはきっと、……きっと、Ｍさんや、Ｙさんとも会えるだろう。

　梨花の噂によるとね、川合かわい未来みらいさんも蝗のような仮面キャラで参戦するようなの。早坂はやさか海里かいりさんことマリさんと仲睦まじく、僕らに挑んでくる。色んな人たちが集う場所。

　それが題して――『第一回℮スポーツ・ウメチカ戦』なのだ。

　優勝すれば、賞金額は五十万円。その先の、℮スポーツへの挑戦権も獲得できる。

　優勝するよ、お母さん。……そして、みんなで行こうね、お祖母ちゃんのお家へ。