アリスと女王

ちな

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ちくちく、ころころ

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「凛、咥えて」

鎖骨の上に丸めたワンピースを、凛の口に押し込みます。先ほどと同じようにして、凛はワンピースを思い切り噛みました。

「いい子だね。さて、凛。拷問の時間だよ。いいね?」

拷問のことばに、凛は反応して見せました。ふるふると震える白い乳房に、蓮はふっと息を吹きかけます。

「凛は今、囚人だ。いいね?僕が何を言っても、答えは"NO"だよ。ああ、声は出せないから、首を振るだけでいい。もしものための練習も兼ねてるから、絶対にYESと答えないように」

「うぅ…」

ワンピースを噛んでいるせいでまともに返事もできませんが、蓮は分かっているので咎めませんでした。それよりも、キチンと返事を返してくれたことを褒めました。

蓮の視線を浴びて、ひくひくと震え出すのは乳房だけではありません。刺激を待ちわびているクリトリスやアナルやヴァギナは、拷問、囚人といったワードに殊更強く反応してみせました。

蓮は沸き立つ心を隠して、四角い部屋を見渡します。あの不思議なハンカチを使えば何とか使えそうな鎖鞭はあるものの、ここは安全ではありません。鎖鞭は音が響くのです。1本鞭もありますが、あれは凛に使用したことがないので却下です。酷い痛みを伴う一本鞭は、凛にはまだ早いと判断しました。

「…うーん…鞭くらいはあっても良かったんだけどね。音で僕らのことがバレちゃうかもしれない。僕の手で我慢してくれるかな…あ、いいのがあった」

こつこつと革靴を鳴らして、蓮は部屋の隅へ歩いていきます。

凛にはその靴音が新鮮でした。

というのも、凛はずっと森の中にいたからです。柔らかい草の上では靴音はしませんでした。小気味よい靴音がぴたりと止み、それからまた戻ってきました。

「森と違ってここは金属や木製のものがたくさんあるからね。加工技術も大したものだと思うよ。なんせ昔は大国だったんだから」

そうやって懐かしむみたいにして言う蓮の、手元は見えません。一体何を持ってきたのか見当も付かない凛は、聞き慣れない車輪の音を耳にしました。

「拷問部屋といっても、程度はそれぞれなんだよね。それこそ骨が折れるくらいに鞭で叩かれる子もいたし、海老反を何時間もさせられる子もいたよ。あれはちょっと可哀想だったな…」

海老反なら凛も知っています。見た目よりもずっとつらく、拷問部屋で行われていたとしてもなんら不思議ではありません。

凛は森での出来事を鮮明に思い出しました。陽の光を目いっぱい浴びて、蔦に拘束されたことです。じわりと新たな蜜が滲みました。

蓮はかちゃりと音を立てて、何かを取り出しながら笑いました。

「僕はそんな酷いことはしないよ。凛も知っているよね。海老反にしたときだって、ちゃんと気持ちよくしてあげたでしょ。ザーメン浣腸、気持ちよかったよね」

かちゃりかちゃり。聞き慣れない金属音は、軽そうな音です。そうしてザーメン浣腸を思い出して、凛の足の間は切ないと泣き出しました。

「まずはこれね。歯車を改良したものなんだ。ほとんどの場合、誰と共謀したのかを聞き出すための道具として使われてたみたい」

既にふうふうと上下する凛の薄い腹に、蓮はそれをそっと押し当てました。

「ふっ!?」

ちくりとした痛みを感じた凛は、ワンピースを噛みました。ちくちくした感覚は、一定の間隔をあけて肌を刺し、徐々に乳房に向かってきます。

「気持ちいいよね。凛、針責め好きでしょう」

蓮はクスクス笑いました。蓮が手にしたものは、それこそピザカッターのようなものでした。

ただしそれは、双子が凛に使用していたパールのようなものではありません。短めの針がびっしり付いて、車のタイヤのように転がりながら肌を刺すのです。当然加減していますから、その針が凛の柔らかい肌を貫通することはありません。

「さ、拷問を開始しよう。凛、きみは誰かとここへ来たね?」

ちくちくちくちく。回転しながら肌を刺すそれは、徐々に乳房へ向かいました。

慎ましい乳房の曖昧な境目をなぞるようにして、コロコロところがり、ちくちくと肌を刺していきます。凛は必死に首を横に振りました。

「そうそう、その調子だよ。首を縦に振ってはいけないよ」

乳輪を丁寧になぞり、蓮は続けました。

  「一人で来たのかな」

うん。一瞬頷きそうになり、凛は慌てて首を横に振りました。凛は拷問の意味を知りました。質問の答えに全てNOで答えると、必ず矛盾が生じるのです。

ころころ、ちくちく。針の行進は止みません。

  「じゃあ、誰かと来たよね」

ちくちく、ちくちくちくちく。

乳輪を転がっていた歯車は、反対側へ向かっていきます。凛は僅かな痛みと、もし蓮の手元が狂ってしまったら…という恐怖、それから、

  「ふふっ。凛はやっぱり少し痛いのが好きみたい」

頷きたい気持ちをぐっと抑えて、凛は首を横に振りました。

ころころ転がる歯車が、前触れなく乳首をぐっと刺しました。針は凛の皮膚が破れることはありませんが、凛の背中にはつーっと汗が流れました。

  「誰と来たの?」

答えは、NO。これでは答えにならないことなど、凛も分かっています。

針がぐっと押し込まれました。

  「んんんんっ!!」

ちくりと刺す痛み、それから明らかな快感。凛は手足を緊張させ、目を見開きます。

  「同行者は、ひとり?」

くんくんと針を上下させ、連動して乳首がゆるく沈みます。凛は必死に首を横に振るしかありません。

  「ああ、可哀想に。拷問はまだまだこれからだよ…」

蓮の楽しそうな指が蜜を掬い、とろりと伸びるそれを口へ入れました。

あまい。蓮の声に、凛はふるりと身を震わせました

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