私だけに優しい世界

イセヤ レキ

文字の大きさ
7 / 7

転生先の幸せは

しおりを挟む
「……ん、ぁぁっ……」
「ミオン、可愛い。綺麗だよ」
立場は逆転し、先輩を昂らせていた私が、今は逃しきれない熱に翻弄されている。

先程のキスは、直ぐに先輩の舌が私の口内に入ってきて、それはもうびっくりしてしまった。
息を出来ずにもがいていると、気付いた先輩が口を離し、私の口元についた唾液を親指でとりながら「大丈夫!?」と聞いてくれて助かった。
私が、舌が入ってきた事に驚いた事を伝えると、「そか、ミオンは本当に音楽しかしてなかったからなぁ……」とクスクス笑い、「じゃあ、これから全部私が教えてあげるから、安心してね」と今度は唇が触れあうだけのキスをする。

「舌を入れた深いキスの事を、ディープキスって言うんだよ」先輩は、そう言って再び口内を舌でまさぐる。しかし、直ぐに抜いて、「息は鼻でするから、顔は角度をつけて鼻息が相手にかからない様にしたり、相手の頬を触っていれば気にならない」と教えてくれた。

先輩に習い私も手を伸ばして先輩の頬を包み、一生懸命舌を絡めると、先輩は「凄く上手」と言ってくれる。
そのキスをしながら、先輩は私の身体を両手で触った。
肩から腕、二の腕の下をなぞりながら身体の横のラインを添って腰。
そのまま片手は背中やお尻を撫でたが、もう片手は私のベビードールの様な夜着の上から、胸を手でおさめるようにしっかりと包む。

「……ん、ふぅん……」
胸を、形が変わる様に大胆に揉まれて声が漏れた。
痛くは、ない。
揉まれながら、器用に尖った先っぽを親指と人差し指できゅ、と摘ままれ、胸から腰へ、痺れが走る。
「んんっ……」
「ミオン、怖くない?」
私は、未知の感覚に驚きながらも、キスをしながら絶えず優しい手つきで愛撫してくれる先輩に完全に堕ち、蕩けていた。
コクリと頷いた私を見て目を嬉しそうに細め、先輩は「次、下、触るよ?」と声を掛けてくれる。

「少し脚を開いて」
と言われ、恐る恐るベッドの上で開脚した。先輩からは見えない筈だから、羞恥心はあるけどまだ抵抗はない。

乳首を弄んでいた片手が、私の脚の付け根に移動する。
くちゅり……
先輩がそこを触り、一度その指先を引き上げた。
指先が、先程の先輩のペニスの先端に溜まっていた液体の様な、粘り気のあるモノで濡れている。

「……良かった。ミオン、感じてくれて、ありがとう」
先輩は、私の頬に一度キスすると、「そのまま、感じてみて?」と再び指先を戻して動かした。

先輩は私の膣から蜜を掬い、その上にある突起を弄った。
「最初は、クリトリスの方が感じやすいと思うから」と、その突起をクリクリと捏ねくり回される。

「ん、あ、ぁあ……っっ!!」
初めは変な感じしかしなかったそこも、直ぐに気持ち良さを感じる様になってしまい、先程の液体はとろとろと溢れてシーツに染みを作ってしまう。
「ミオン、少し舐めさせて?」

私を感じた事のない快感に浸らせたまま、先輩は私の横から下へと移動して、私のその突起を舐め出した。
「ひゃう!ん、んふぅ……!!」
パクリと咥えられた時の衝撃は凄いもので、私は顔の横でシーツをぎゅう、と握りしめる。

「ここもまだ可愛い。苦しそうだから、皮を剥いてあげようね」
先輩はそう言って、何をしたのかわからないが、その芽に更に刺激を与える。
れろれろと先輩の舌先が私の芽を下から上へ、と何度も舐めあげられ、皮も剥かれたそこはツンと勃ったままだ。

敏感になったそこを、更に舌先でツンツンつつかれたり、左右に小刻みに揺らされて、私の腰には何か熱いものが溜まっていく。
そして、仕上げとばかりに先輩がその芽を咥えて優しく吸い込むと、私は気持ち良さが爆発してしまった。

「ひぁあ──っっ!!」
私が爆発すると、先輩は嬉しそうに「上手にイけたね、ミオン」と下半身から上へと戻ってきてくれ、私を抱き締めた。
私も、下半身をガクガクさせながら、先輩に抱きつく。

「じゃあ、次はミオンの膣を広げていくよ」
「……は、はい……」
正直、いっぱいいっぱいだったが、もうまな板の上の鯉と同じで、先輩に全て任せようと決めた。

まだ余韻の残る芯に触られるとくすぐったい様な気持ちになったが、先輩は指一本を、私の膣に挿入する。

「……ぁっ……」
「痛い?」
私が反応すると、先輩は動きを止めてくれた。
「……いえ、変な感じはしますが……まだ、痛くはない……と、思います」
「そう?……無理はしないでね」
心配そうに私の様子を確認しながら、優しくゆっくり指が出入りする。

しばらくすると、それは二本に増やされ、更に三本に増やされた。
三本に増やされる頃には、私はクリトリスの方で五回ほどイかされ、脚を動かすのが容易でない程にダルく、愛液でベッドはぐしゃぐしゃだった。


「沢山濡れてるから、大丈夫だと思うけど……こっちも滑り良くしといた方が良いから」
先程使用した液体を再びペニスに落とし、泉先輩は自らの手で広げた。

ちゅぷ、と私の穴に、先輩のペニスの先が当てられる。
「ミオン……好きだよ……ずっと前から……」
「……え?」
先輩がそう言いながら、肉棒をゆっくり挿し入れた。
「~~~っっ!!」
ミシミシ、という音が聞こえてきそうな程の、穴が無理矢理広げられていく痛みと衝撃。
あまりの痛さに、先程までかいた汗が、全て一瞬で冷たくなったかの様に感じた。

「……くっ、ぅ……」
先輩は、私をぎゅう、と抱き締めたまま、一回腰を引き……一気に叩き付ける。
「つぅっっ!!」
「ミオン、大丈夫!?……全部、入ったよ……少し、このままでいるね」
つい、痛みに声が漏れた私を気遣いながら、先輩は頭や肩を撫でてくれた。

蛙の様に、曲げながら広げた脚そのものにも違和感があるが、私の身体の中心の穴に、先輩のペニスが突き刺さっているのをしっかりと感じる。
それは、ドクドクと脈打っている様で、時折ビクンビクンと動く。
その動きに連動するかの様に、私の穴は勝手にヒクヒクと蠢いた。

「ミオン……、締めないで……」
「ぇ?……」
ど、どうしたら良いのかわからない!
私が焦っていると、先輩は笑って私の汗ばんだ髪を耳にかけた。
「ごめん、初めてなのにそんな事無理だよね……ただ、気持ち良すぎて……あっという間にイっちゃいそうで、自分が恥ずかしかっただけ」
先輩は、顔を赤くしながら下にいる私に、ちゅ、とリップ音を鳴らしながら、首筋、頬、鎖骨、と色々な場所にキスを落としていく。

そうされながら、私の心と身体の緊張が解れていく。
そして、思った。
この人を、愛したい。そして、愛されたい……

私は、キスを受けながら、シーツを握っていた手を開いて、先輩の背中に回した。
「ミオン、大丈夫そう?少し動いても良い?」
「……はい」
瞳を閉じた私の瞼にキスを送って、先輩は律動を始める。

ヒリヒリひきつれる感じはしたが、しばらくすると身体から潤滑液が出たのか滑りが良くなり、痛みに変わって異物感が、異物感に変わって小さな快感を感じる様になった。

じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、と淫らな音が深夜に響く。
「ん、………ぁあんっ!!」
先輩の先端が引き抜かれそうになるタイミングで膣の壁をこりごりと擦られる感じがとても気持ち良くて、もっともっとして欲しくなる。
「ミオン……、ミオン!!」
汗を滴らせながら、腰をリズミカルに打ち付けていた先輩の声が掠れ、限界を告げてきた。

「ミオン、も、イきそ……」
「……は、ぃ、私の、膣内ナカで……!!」
私が懇願すると、先輩は嬉しそうに笑って。

「ミオン、イく、イく……!!」
「ぁん!!んん……っっ!!」
どくん、と私の膣内ナカで、熱が弾け。
奥深く目掛け、先輩の子種が吐き出され続けた。



***



「イヅミさん、今度、観劇に行きませんか?」
私が聞くと、イヅミさんは直ぐに「いいね、いつ?」と答えてくれた。
「ええと、私が作曲した曲が、この劇団で使って下さるみたいで……」
私が一枚のチラシを見せると、イヅミさんとスイさんは顔を見合わせた。

「……あの?」
「……ミオン、この劇の内容知ってる?」
イヅミさんが聞いてきた。
「え?確か、一人の男性がたった一人の妻しか持たず、その愛を貫かれるというお話らしいのですが……」

二人はまた顔を見合わせた。
「……この劇のモデルという自覚なしか……!」
「流石ミオン様ですね」
「え?」

確かに、イヅミさんは毎晩……いやほぼ毎日私と一緒にいるし、他の奥さんを娶った話も聞かなかった。
けれども、まさかそんな情報が漏れて、世間に知れ渡っているとは思ってもいなかったのだ。
だから、過去に実在した人のはなしなのかと思っていた。


イヅミさんは、やはり女性に酷く人気があって、私は何度かやきもきさせられた事もあるけど。
この世界では、本来、男性は一人の女性が一人占めして良い訳では決してないのだ。

だから、きっとこの世界は私にだけ優しい世界なのだろう。





──隣で微笑むイヅミが、ミオンと全く同じ様に思っていた事を、彼女は知るよしもなかった──
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...