艶めく竜が愛すは…

イセヤ レキ

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本編

艶めく竜が愛すは猫人騎士

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「おい、そこにいるぞ!!!」

「囲め!!生け捕りだ!!」

柄の悪い悪漢共が埃を舞い上げながら、私のお気に入りである、お昼寝スポットの大木に近寄ってきた。


(煩い。何事だ?)


昼寝を中断して下を見れば、綺麗な顔をした女性がその身に纏う薄布を引っ張られている。


(‥‥あぁ、面倒だ。しかし、まさか見過ごす訳にもいくまい)


私は諦めて、抜刀しながら地上へと飛び降りた。





☆☆☆





「あの、助かりました。ありがとうございます」

何度も頭を下げる長身の女性を、片手をあげて制する。

「別に。王城の警護が仕事なだけですから」

そう。
女性が襲われていたのは、王城の目の前だった。
謂わば、警察署の目の前で盗みを働く様なもの。


何故こんな無謀な事をしたのか若干呆れながら悪漢共を捉えたが、襲われていた女性を見て理解した。


女性は、竜人だったのである。

動きやすそうな男装をしたその女性の額と手の甲には、キラキラとした鱗が光り輝いていた。

竜人は、多種多様な種族が存在するこの世界で一番高貴とされ、その数も非常に少ない。
竜人の血にはドラゴンと同様の効能(万能薬)があるとされ、人間に目撃された最後のドラゴンである黒龍が人間と千年前に番となった今、ドラゴンの血を引くとされる竜人は国に保護される程の、稀有な存在だ。


一方、私は単なる猫人だ。
しなやかな身体能力だけを味方につけ、騎士としてそこそこの功績はあげているが、別に日銭を稼げればそれ以上の生活は望まない。

そんな訳で、まず彼女を助けてから一番に思った事は。


(‥‥面倒な事にならなきゃいいが‥‥)
であった。





☆☆☆





嫌な予感程、当たるモノである。
猫人の予感は当たりやすいと言われているから、尚更だ。


「今、客室のベッドを整える。その辺適当に使ってくれ」


私はそう女性に言いながら、唯一の防具である胸当てを外して壁に掛けた。


「そう言えば、まだ名乗ってなかったな。私は、クロシュと言う。見ての通り、黒猫だ」


私は黒く長い尻尾を軽く振って、後ろを振り返った。


「‥‥何をしているんだ?」


竜人の女性は、顔を手で覆っていた。


「‥‥あ、あの。防具を外されますと、む、胸が見えます」


‥‥。
確かに、防具の下は白のタンクトップだから、見えるといえば見えるだろうが。
別に、同性・・に見られて問題のあるものでもない。


私は首を傾げて言った。


「構わん。それより、貴女の名前は何と言うんだ?」


「私は、シルフィと申します」
「貴女らしい、優しげな名前だな」


顔を赤くして緊張している彼女を少しでも安心させようと、珍しくニコリと、笑ってみる。


彼女はますます顔を赤くした。


‥‥何故だ。




☆☆☆





彼女を暴漢から救った後、私は我が国の法律に則って彼女を王城まで案内した。

竜人は、殆どの国で国賓扱いとなる。

そんな彼女が何故、王城の外に警護すら付けず出歩いていたのかは謎だ。

しかし、私は彼女に関わるつもりはなかった為、一切の質問をせずに王城警備の者に彼女を引き渡した。



‥‥しかし。


何故かその後私は呼び出され、宰相と騎士隊長にジロジロ見られながら、彼女を接遇する様に仰せつかった。


国賓を、単なる一般騎士に預ける事など、あり得ない。


流石に理由を尋ねたが、宰相と騎士隊長は「王命」としか言わなかった。


私が騎士の宿舎に住んでいるから無理だと言えば、騎士隊長と同等(来客室付き)の部屋を宛がうと言われる始末。


ため息をつきながら、私はその王命を承った。


(この女性に何かあれば、私の首が飛ぶんだろうなぁ)


と、思いながら。





☆☆☆





「そこがシャワー室だ。風呂が良ければ、申し訳ないが、共同になるが‥‥一緒に行くか?」

「えぇっ!?一緒に!?」

竜人の女性は大仰に驚く。
もしかしたら、異種間同士、文化の違いがあるのかもしれない。


「何か不都合があれば、私はシャワーで‥‥」
「いえ、是非ご一緒させて下さい。」


シルフィはそそくさと風呂の準備をし出した。
彼女も、「文化の違いかな‥‥」と呟いている。


共同風呂は、女性騎士が圧倒的に少ない為、女性用がない代わりに貸切とする事が出来た。

シルフィの接待役を受けてから、予定していた全ての任をひとまず解かれた為、まだ夕刻前だ。

この時間帯ならまず、風呂が使われている事はないだろう。


私はあまり、水が得意でない。
何時もはシャワーで済ませているから、久々の風呂である。


思った通り誰もいない風呂にシルフィを案内し、内鍵を掛けた。

彼女に篭を渡し、それに荷物を入れる様に指示し、特に恥じらいもなく一気に素っ裸になる。


ひょいと彼女の方を見ると、こちらをガン見したまま真っ赤な顔で今度は口を抑えていた。


「‥‥お先に失礼する」


猫人の私は、スタイルだけは良い。
公衆浴場やプールでも、男よりむしろ女性から、そうした羨望の眼差しを投げられる事が往々にしてあった。





☆☆☆





ざぱっと頭からお湯をかぶり、短い黒髪をワシャワシャ洗う。
同時に、黒い猫耳も耳の中に水が入らない様、ペタリと倒してここだけは細心の注意を払いながら洗う。
耳の付け根は気持ち良すぎて長くなるから、丁寧過ぎずにささっと洗うのがポイントだ。


頭から体を洗い、最後に尻尾を洗おうと上半身だけ捻った時。


風呂場に入ってきたシルフィと目があった。


シルフィは、変わらずこちらをガン見していた。
私も、シルフィをガン見した。


その、1秒後。



「おとこーーーーーーーーーーーーーっっっ!?!?!?」



私はこの時やっと、シルフィの性別を正しく認識した。





☆☆☆





「申し訳ありません‥‥まさか、性別を勘違いされているとは全く思わず‥‥」


先程からシルフィは謝り続けている。


「いや‥‥、勝手に勘違いしたのはこちらだ。気にしないでくれ」


こんな時、自分のぶっきらぼうな言い方が嫌になる。
怒っている様にしか聞こえず、相手も萎縮してしまうに違いない。

チラ、とシルフィの方を見ると、彼は私の言葉を気にした様子もなくニコリと笑ってくれた。



しかし‥‥確かに、言われて見れば男物の服を着ているし、女としては背の高い私よりも長身だ。
今となっては、何故自分が勘違いしたのかわからない‥‥が、シルフィの顔を見て思った。


あ、この顔だ。
女顔としか言えない、造作の整った顔。
因みに、鱗はピンク。


人のせいにしてはいけないが、シルフィを見て一目で男性、と分かる方が少ないのではないだろうか?


しかし、何故男性とわかっていてシルフィを私に任せたのだろう??
宰相と騎士隊長の思惑が読めなかった。



「‥‥あの、私が男とわかって、同室が嫌になりましたでしょうか?私は部屋を移った方が良いでしょうか?」
シルフィが心細げに聞いてくる。


私は答えに詰まった。
騎士たるもの、一度引き受けた仕事を途中で投げ出す訳にもいくまい。
別に、一緒のベッドで寝る訳ではないのだ。
寝室は、リビングルームを挟んで左右にわかれている。
しかも、しようと思えば施錠も出来る。


「‥‥いや、私は構わない。気を遣わせて、済まなかった」
私がぺこりと頭を下げると、シルフィは慌てて手を振る。
「そんな!クロシュさん、やめてください!!昼は助けて頂き、その後もお世話になっているのはこちらなのに、謝らないで下さい」


私は直ぐさま頭をあげ、「そう言われてみればそうだな。じゃあ、もうお互い気にしないと言う事で」と言えば、シルフィはきょとんとしてから、声をあげて笑った。
私も、それを見て笑った。





☆☆☆





「シルフイージス。着いたぞ」


私は顔をあげた。
気付けば馬車が止まっている。

「ああ、やっとハスラー王国か。まだまだ先は長いな」

軽くのびをして、欠伸をする。

「こら。そんな行儀の悪い事するな。少なくとも、竜人に夢を持つ人々の前ではな」

私のお目付役である、熊人のガッシュが唸るように叱ってくる。
私はそれに、ニコリと笑って答えた。



馬車から降りると、いつも通りに国王を始め、執政者達が勢揃いしていた。
竜人を手厚く保護し、国賓扱いする代わりに求めてくるものは、この生き血だ。
‥‥反吐が出る。


私がそんな感情をおくびにも出さずに挨拶をしようとした時だ。


ザワザワ、と胸がざわめくのを感じた。
‥‥?
何か、気になる。


戸惑いながらも、何とか口上を述べたが、胸のざわめきは止まらない。


ザワザワ、ザワザワ。


「‥‥ガッシュ、気分がすぐれない。済まないが、休ませてくれる様に頼んでくれ」
私がそう言うと、聞き耳を立てていた輩がバタバタと準備を始めた。


「おい、大丈夫か?」
「済まないが、少しひとりにしてくれ」


私は、故郷から着いてきてくれたガッシュですらも追い払った。
こんな事は初めてで、ガッシュが戸惑っているのが伝わってくる。

だが、今は他人にそこまで気を回せなかった。


‥‥なんだ?これは‥‥
高揚した様な、興奮した様な、変な気持ちがずっと胸に渦巻く。


顔でも洗って落ち着こうと、洗面台に近づいた時だ。


「‥‥まさか‥‥!!!」


自分の顔‥‥額の鱗を見て、驚いた。
白銀のハズの鱗が、恋でもした様に桃色に染まっているのだ。


つがいが‥‥番が、傍にいる!!!


私は、いてもたってもいられず、その部屋を飛び出した。





☆☆☆




胸のざわめきが大きくなる方へ、大きくなる方へと駆けていく。


竜人は、番と言うものに滅多に出会えない。

だから、番に会えた者の状態変化を皆知っていても、それを経験出来る者はごくごく僅かだ。

私のこの旅も、元々同じ竜人である婚約者に会いに行くためのものであった。
お互いがお互いを、番ではないとわかった上での婚約。
竜人は皆、番に会う事は奇蹟であり、まず自分には起こり得ないと考えている。
だから割り切って、子孫を遺す為だけに結婚したりするのだが‥‥


ざわめきを追ったが、王城の城壁に邪魔をされて向こう側へは行けない。
仕方なく、王城の門から回り道をして、ざわめきの原因に近づいていく。


回り道をしている間に、その気配が消えてしまわないかと気が気でなかったが、どうやら動いた気配は感じられなかった。


安心して、走り寄ろうとした時だ。



「見ろ、竜人だ!!!」
「捕まえろ!!」


野蛮な者共に、見つかってしまった。


このまま番に近付けば、番に危害が加えられかねない。
‥‥しかし、直ぐにでも、一目でも、先に見ておきたい。
その存在を、感じたい。



私は止まらず走り続けた。


「おい、そこにいるぞ!!!」

「囲め!!生け捕りだ!!」


‥‥いない!?!?


私は呆然とした。
確かに、番の気配は感じるのに、その場所には誰もいないのである。

ぐん、と腕が引っ張られる。

番が見つからなかった苛立ちを、私は明らかに彼らに向けた。
‥‥ひとまず、邪魔者は消して‥‥

私がその手を振り上げた時。




上から、美しい肢体をした、黒猫人が、降って来た。





☆☆☆





猫らしい、素早い身のこなしで彼女はあっという間に悪党を捉えた。
私の様に、殺す事等一切考えず、初めから捉える事を目的とした、無駄のない動き。


ショートカットの黒髪が舞い、猫耳が時折ピクピクと動く。
しなやかに尻尾が動き、きつめの猫目が瞬時に判断を下す。


私は、その一部始終を眺めながら、彼女に見惚れていた。


綺麗だ。


「怪我はないか?」


声も、ハスキーでセクシーだ。
堪らない。
耳から入って、下半身にゾクゾクときたのがわかる。


ああ、この黒猫ひとだ。
私の番は、この黒猫ひとだ‥‥!!!




☆☆☆




「ガッシュ!!今すぐ電報をいれろ!!」

私は、宛がわれた客室に戻ると、直ぐさま指示を出した。

「シルフイージス!!何処に行ってたんだ!!」
「番だ!!私の番がいた!!!」
「‥‥!!本当か!?」
「今すぐ、電報を打て。番が見つかった為、婚約の取りやめと、しばらくハスラー王国に滞在する旨を」
「承知致した」

ガッシュはすぐに踵を返すと、部屋から出て行った。

ハスラー王国の宰相と騎士隊長を呼び付け、彼女について聞きこむ。
幸い、彼女が私を助けた張本人の為、そこまで訝しがられる事はなかった。
彼女が私の番とわかれば、下手をすれば人質となりかねない。


何とか建前を立てて、彼女との再会を果たした時には、天にも昇る心地だった。


しかし彼女は、竜人ではない。
私と同じ様に、彼女が私を番と感じる事はないのだ。



‥‥だから。
囲って、囲って、彼女を私のモノにし続けなければ、私は安心出来ないのだ。





☆☆☆





カタ‥‥ン。

物音がして、私は飛び起きた。
枕元に忍ばせていた短剣を握る。
いつでもシルフィの部屋に飛び込める様に、私は自室に鍵を掛けていなかった。


‥‥しかし。


「シルフィ?そこで何をしているんだ?」


夜目に映ったのは、まさかのシルフィその人であった。
堂々と、私の部屋の扉を開けて、中に入って来ている。


「‥‥クロシュ。何時も、鍵を掛けずに寝ているのですか?知らない男を泊めた時も?」


何となく、何となーく、怒っている様な印象を受けて首を傾げる。


「‥‥いや、普段は一人で寝ているし、部屋には鍵を掛ける」
「そうですか。それなら安心致しました」


シルフィは、そのまま私の寝台横まで歩いて来た。


「で?シルフィ、こんな時間にどうしたんだ?」
「はい。クロシュに夜這いをしようかと思いまして」


たっぷり10秒。



「‥‥は?」



それしか答えられなかった私に、咎はあるまい。





☆☆☆





(うーむ‥‥どうしたものか)

流れる様な所作で寝台にあがり、のし掛かってくるシルフィをマテマテしながら、私は悩んだ。


これ、断ったとしたら、やはり私の首はとぶのだろうか??

もしかして、シルフィの護衛という仕事の裏側に、夜伽という仕事まで押し付けられていたのか?


まぁ、正直別に、操を立てている相手がいるわけでもないし、シたところで問題はない。
今は発情期でもないから、そんなに乱れないですむだろうし。


うーん、と悩んで、ひとまずシルフィに聞いてみた。


「シルフィ、もしかしてこれは、竜人なりの文化なのだろうか?」
「文化?」
「部屋を共にした女性に夜這いをしなければならない、とか」
「‥‥いや、まさか」


シルフィは面白そうにクスクス笑った。
口に手を当てて笑う姿は、やはり嫋やかな女性にしか見えない。


「‥‥あ、けれども、命の恩人には躰でお返しするのが当たり前なんですよ」
「えっ!?」
「だって、命の恩人ですよ?勿論、相手に断られたら無理矢理する訳にもいきませんが‥‥仲間内では、恩返しすら出来ぬ不作法者と誹られます」
シルフィはそこで、よよよ、とばかりに泣き崩れる。


そ、そうか。
竜人は大変なんだな。
私がここで断れば、どうやらシルフィが悪者扱いされるらしい。


「そうか、では頼む」


私はあっさり、シルフィの夜這いを受け入れた。





☆☆☆





(これは‥‥どうした事だ!?)

シルフィの美しい顔に似合わない、巨悪な極太の分身を後ろから受け入れながら、私は焦っていた。

まずい。

今は発情期ではないと言うのに、気持ち良すぎる。
私の弱点である耳や尻尾の付け根を丹念に愛撫されたのも一つの要因であろうが、それだけでは説明がつかない。

まずい。まずい。

このままでは、淫乱な発情中の猫になりそうだ。
早く切り上げて貰って、この熱をなだめなければ‥‥!!


「クロシュ、何処が良いですか?」
シルフィは余裕の笑みを浮かべてリズミカルに腰を打ちつける。
まだまだ、達するまでは長そうだ。


「‥‥ぁ、ん、すまな、い。後は、口で、するから」
「‥‥?」
「一度、抜いてぇっ‥‥」


シルフィは動きを止めずに、私の顔を覗き込む。
その顔には不安ではなく、不思議そうな表情を浮かべていた。


「‥‥どうしました?」
「よ、すぎて、変に、なりそうだ、から」


私がそう言うと、シルフィは蕩けそうな微笑みを返してくる。
「クロシュ‥‥貴女は、なんて可愛い女性ひとなんだ‥‥」

パン パン パン パン パン パンッ


「にゃ‥‥!!!あぁ、やめ、狂っちゃ、う、からぁ‥‥!!」
シルフィが速度を速めて、分身ペニスの凹凸を擦りつけてくるものだから、泣きたくなった。


まずい。まずい。まずい。


発情中の私は、とてもじゃないが、人に見せられるものではない。
セックスに飢えて、欲しがって、欲しがって、欲しがる。
娼婦よりもよっぽど、娼婦らしく貪るのだ。


そうなった時の私は、記憶はあるものの、狂っていると、真実そう思う。


「もぅ、ダメぇ!!やめ、あ、にあぁぁん!!」


頭が真っ白に、塗りつぶされた。





☆☆☆





クロシュはあっさりと私の嘘に騙されて、その身を私に捧げた。
彼女は処女ではなかったらしい。
些かムッとしながら、けれども、彼女に伴侶がいなかっただけマシ、と思う事にした。
本当は、彼女の今までの相手を全て殺して回りたかったが、そんな想いに蓋をする。


竜人の生き血は万能薬、精液は媚薬だ。


私は誰とも契った事はなかったから、クロシュにリードされたらどうしよう、と直前まで思っていたが、いざ契ってみれば、何の問題もなかった。


媚薬の効果は抜群らしく、クロシュは無理矢理発情期の状態にさせられている。
その痴態は、通常のクロシュからは想像がつかないもので。
私を益々、夢中にさせた。



「にゃ、ここに、たくさん、下さぁいっっ」
「勿論、良いですよ」
ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ

「あん、ぁん、気持ち、いいにゃ、そこ、もっと、突いてぇっ」
「ここですか?ほら、ほら、喘ぎなさい」
「んにゃあああんっっっ」


私の愛しい黒猫は、自らのスラリとした美しい脚を抱え上げて、両手でくぱぁと肉襞を広げていた。
私は、猫耳の付け根を舐めしゃぶりながら、片手で尻尾の付け根を愛撫しつつ、腰を打ち据える。


「淫らな、貴女も、素敵です」
「にゃん、欲しいの、熱いの、なかに、たくさん、出してぇっ」
ずちゅん、ずちゅん、ずちゅん、ずちゅん、ずちゅん
「良いですよ、貴女の、何処に、出しましょうか?」

「ん、オマンコの、奥とぉ、お口にも、欲しいのぉっ」
「ふふ、欲張り、さんですね。わかり、ました」
ずっちゅずっちゅずっちゅずっちゅずっちゅずっちゅ

腰を速めれば、にゃんこは喜びに尻尾の先を私の腰に巻き付けてきた。
きっと、無意識なのだろう。
私は微笑を浮かべる。

「あ、あ、きちゃう、きちゃうにゃ、あ、あ、あぁぁぁーーーーー!!!!」
彼女を先に絶頂に追いやり、自らの精も放出する。
半分以上を膣内に出した後、最後まで埋めていたい欲求を封じ込めて、ズルリと抜く。

「にゃうんっ」
ビクビク痙攣している彼女の口元にペニスを宛がえば、彼女はキャンデーでも舐めるかの様に咥えて満足そうに頬張った。
彼女の可愛い猫目は今は夢心地で閉じられ、うっとりとした表情をしている。


‥‥可愛い。


昼間は、スラリとしたとても綺麗な美猫。
夜は、淫乱でとても可愛い仔猫。


どちらの彼女も、最高だった。


「‥‥もう、離さないよ」


私は、私の凸凹した肉棒をクロシュの口からそっと抜いて、彼女に深い口吻を送った。
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