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「……おにぃ、見て……っ」

恥ずかし過ぎて、目を閉じる。



兄の顔が近付き、その荒い吐息が、陰毛を揺らした。

「……亜矢音……」

ごくり、と喉を鳴らしたのはどちらなのか。

「……もしかして、誘って、る?」

「え?ぁ、……ひゃんっ♡♡」

頑張って誘惑した甲斐があり、兄はまんまと私の膣やその上の小さな突起を縦横無尽に舐め回し出した。

「ぁ♡あぁん♡♡」

「はぁ、亜矢音の声、めっちゃちんこに響く……っっ!!」

「おにぃ♡だめぇ♡♡」

「大丈夫、亜矢音のここ、すっごく濡れて、僕の棒で掻き回してって言ってるから……!!」

私は必死でイヤイヤと首を振った。

「おにぃ、私達、兄妹なんだよ……っっ」

残念ながら、私達はしっかりと血の繋がった兄妹だ。

そうじゃなければ、私だって……!!



私の頬に涙が伝う。



駄目だ、このままじゃ兄が罪に問われてしまうかもしれない。

兄が守ってきた平凡で平穏で平和な日々が崩れてしまう。折角今まで能力を隠して公務員になったのに……!



「何の問題もない。……愛してるよ、亜矢音」

「……っっ」



誘惑してヤらせて告らせて振って兄妹に戻ろう作戦は、順調に進んだ。

後は私が振るだけだ。

キモイ、汚い、顔も見たくない──



兄を傷付ける言葉を発しようとするのに、胸につかえて言葉が出ない。


代わりに。

「……私も、好き」

涙で視界がぼやける。

好き。大好き。でも、駄目だ。



「でも、兄妹だから……っっ」

この兄が、他の女性に優しく声を掛けたり。頭を撫でたり。愛撫したり。キスしたり。繋がったりすることを想像するだけで、胸が張り裂けそうになるけど。

何で私達は、血が繋がっているのって、叫びたくなるけど……!!



「……何の、問題もない」

「問題っ、あるっ、よぉ……!!」

私は兄の胸をドンドンと叩いた。兄は、その手を優しく掴んで、微笑む。

「ごめん。亜矢音と離されたくなくて隠してたんだけど、僕、能力者なんだ。自覚したのは七歳の頃だったんだけどね」

知ってる。

「……だから、何?」

「だから、亜矢音とセックスしても問題ないんだよ。なんなら結婚だって出来る」

「……え?」

私はポカーン、と口をあんぐりと開けた。
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