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第4話
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「よし、そうと決まればイーリス、あんたの口からあの子に、決定事項を伝えてきなさい」
盗賊エレンは、相棒の剣聖イーリスにそうけしかける。
驚いたのはイーリスだ。
「えぇえええっ!? な、なんで私の口から!? エレンが言ってくれるんじゃないの!?」
「甘ったれないの。ていうか、あたしはもう十分にウェルカムの意志は伝えたもの。今度はあんたの番よ。あの子はきっと不安がっているから、歓迎するってことをしっかり伝えてきなさい」
「む、無理だよぉっ! そ、そんなの、だって、私」
「無理って、あんたね……何もいきなり告白しろって言ってんじゃないわよ。『これから一緒にパーティを組む仲間としてよろしくね』って、そう言えばいいのよ。普通でしょ」
「うっ……そ、そっか……普通か……」
「なんなら『格好いい剣聖のお姉さん』としてでもいいから。ほら、行った行った」
「う、うん……分かった」
イーリスは、一度大きく深呼吸。
それから、いまだかつてない強敵に立ち向かうような真剣な顔つきになって、アルト少年のもとへと向かっていく。
どう見ても、ガッチガチに緊張していた。
それを見送るエレンは、あきれ顔でため息をひとつ。
「大丈夫かね、あれ……。まさかあの子が、あそこまで奥手だとは……」
***
一方の、賢者の少年アルト。
彼は今、これ以上ないほどに胸が高鳴り、同時に怯えていた。
(ど、ど、どうしよう……! あの剣聖のイーリスさんと、一緒のパーティなんて……!)
アルトにとって憧れの英雄、剣聖イーリス。
そんな雲の上の人物に、冒険者を始めようとした初日にいきなり出会うことができただけでも感無量だったのに、さらなる驚きがアルトを襲った。
剣聖イーリスのパーティメンバーだという、イーリスとも負けず劣らず綺麗な盗賊のお姉さんから、「自分たちのパーティに入らない?」と誘われてしまったのだ。
それはつまり、あの剣聖イーリスとも一緒のパーティメンバーになるということだ。
憧れのあの人と一緒に冒険できるなんて、夢のようだとしか思えない。
しかも剣聖イーリス、盗賊エレンという二人の綺麗なお姉さんに囲まれて、一緒に冒険するという話にもなる。
そんなおいしい状況を前にして、十五歳の健全な青少年にピンク色の妄想をするなというほうが無理がある。
そんなことは考えてはダメだと必死に頭を振るのだが、邪な妄想が消えてくれない。
少年は今、自分の中の邪念と懸命に戦っていた。
だが一方で、不安に思うことも一つ。
アルトは盗賊のお姉さんエレンからパーティメンバーに誘われたのだが、そのエレンを剣聖イーリスが引っ張っていって、今は何やら、酒場の隅のほうで喧々諤々と言い争っているように見える。
それはつまり、エレンが勝手に決めたことに対して、イーリスが抗議をしているということだ。
話の内容はよく聞こえないが、普通に考えれば「勝手に決めるな」「私はそんなことを認めるつもりはない」と、イーリスがそう言っているに違いない。
(やっぱり、迷惑だよなぁ……。当たり前だよ、話が出来過ぎだ……)
ついつい、エレンさん頑張れ、イーリスさんを説得してくれ、などと思ってしまうのだが、アルト自身も虫のいい話だとは分かっている。
そう思うと、急速に夢から覚めて、現実に戻ってきたような感覚になる。
まったく、自分は何を期待していたのか。
(それにしても──)
一方でアルトは、二人のお姉さん冒険者たちが飲んでいたテーブルの様子をちらりと見る。
テーブルの上には、結構な量のお酒と、料理の皿が置かれていた。
(当たり前だけど、イーリスさんもお酒とか飲むんだな……)
そんな感想を持っている自分に気付いて、アルトは苦笑する。
どうも自分は、剣聖イーリスのことを天使や妖精のような幻想的な生き物だとでも思っていたようだ。
人間なんだから、ご飯も食べるしお酒も飲む。
そんな当たり前すぎることに、こんな歳になるまで気付けないなんて、恥ずかしいことこの上ない。
きっと現実の剣聖イーリスには、アルトが知らない人間らしい面もたくさんあるのだろう。
それも知ってみたいなとも思ってしまって、まだ夢を見ているなと再び苦笑。
そんなことを考えていると、エレンとイーリスの話が終わったようだ。
イーリスがアルトのほうに向かって、歩み寄ってくる。
イーリスの表情は硬い。
どこか動きがぎくしゃくしているようにも見える。
イーリスにとっては、仲間のエレンが切り出したことをひっくり返して、アルトをパーティに入れるという話をなかったことにしないといけないから、気が重いのだろう──少年はそう想像する。
やがてイーリスが、アルトの目の前まで来た。
綺麗な剣聖のお姉さんは、そこで一つ大きく深呼吸をして──
アルトに向かって、少しこわばったような笑顔で、こう言ってきた。
「ま、待たせてごめんなさい、アルトくん。それで、エレンと話をしたのだけど──これから私は、ただのパーティメンバーとして、キミと付き合っていきたいと思っているわ。あくまでも、ただのパーティメンバーとしてよ。そこのところは、勘違いしないでね」
「あ、は、はい……。って、あれ……?」
アルトにとって、そのイーリスの言葉は、寝耳に水だった。
てっきり断られるとばかり思っていたので、オーケーを言い渡されたのが意外だったのだ。
もちろん、「ただのパーティメンバー」と念押しされたのは、それ以上の邪な感情は抱くなということだろう。
つい数秒前までピンク色の妄想をしていたアルトは、自分の邪念を見抜かれていたことに気付いて羞恥し、顔が熱くなる。
自分のような若い少年の煩悩など、目の前の剣聖のお姉さんは当然にお見通しということだ。
「す、すみません……」
「はわっ……か、かわいい……! ……じゃなかった。──すみませんって、何がかな?」
「い、いえ……本当に、ごめんなさい」
アルトはいたたまれなくなり、杖を抱くようにしながら、両手で顔を覆ってしまう。
もうダメだ。
せっかく新人冒険者である自分に善意でいろいろと教えてくれようとしていたのに、その相手に異性として欲望の目を向けるなんてあるまじきことだ。
完全に嫌われた。
底抜けに優しい剣聖イーリスは、それでもアルトの面倒を見てくれるつもりなのだろう。
人がいいにもほどがある。
アルトはそう思っていたのだが──
そのとき、ふわりと。
柔らかくていい匂いのする何かが、アルトの体を優しく包み込んだ。
(え……?)
何かが、ではない。
疑いようもなく──剣聖イーリスが、その豊満な体でアルトを抱き締めたのだ。
(えっ……ええっ!? ど、どうして……!?)
混乱するばかりのアルト。
その少年の鼻先は、優しい剣聖のお姉さんの大きな胸に包まれている。
くらくらするようないい匂い。
「……どうしたの、アルトくん。何かイケナイことでもしたのかな? よかったら、お姉さんに話してごらん」
そう言って、剣聖のお姉さんはアルトの頭を優しくなでてくる。
子供の頃の、母親に抱かれているような心地よさを感じて、アルトの心は溶けていく。
(ああ、もう……この人に嘘はつけない……嘘なんかついたって、全部バレているんだし……)
全部正直に言ってしまえ。
そんな、懺悔をするようなつもりで、アルトは自身のピンク色の妄想を口にする。
「すみません、俺……イーリスさんとエレンさんを相手に、エッチな妄想をしていました……本当に、ごめんなさいっ!」
「──ふぁっ!?」
剣聖のお姉さんが素っ頓狂な声を上げて、アルトの頭をなでていた手が止まった。
盗賊エレンは、相棒の剣聖イーリスにそうけしかける。
驚いたのはイーリスだ。
「えぇえええっ!? な、なんで私の口から!? エレンが言ってくれるんじゃないの!?」
「甘ったれないの。ていうか、あたしはもう十分にウェルカムの意志は伝えたもの。今度はあんたの番よ。あの子はきっと不安がっているから、歓迎するってことをしっかり伝えてきなさい」
「む、無理だよぉっ! そ、そんなの、だって、私」
「無理って、あんたね……何もいきなり告白しろって言ってんじゃないわよ。『これから一緒にパーティを組む仲間としてよろしくね』って、そう言えばいいのよ。普通でしょ」
「うっ……そ、そっか……普通か……」
「なんなら『格好いい剣聖のお姉さん』としてでもいいから。ほら、行った行った」
「う、うん……分かった」
イーリスは、一度大きく深呼吸。
それから、いまだかつてない強敵に立ち向かうような真剣な顔つきになって、アルト少年のもとへと向かっていく。
どう見ても、ガッチガチに緊張していた。
それを見送るエレンは、あきれ顔でため息をひとつ。
「大丈夫かね、あれ……。まさかあの子が、あそこまで奥手だとは……」
***
一方の、賢者の少年アルト。
彼は今、これ以上ないほどに胸が高鳴り、同時に怯えていた。
(ど、ど、どうしよう……! あの剣聖のイーリスさんと、一緒のパーティなんて……!)
アルトにとって憧れの英雄、剣聖イーリス。
そんな雲の上の人物に、冒険者を始めようとした初日にいきなり出会うことができただけでも感無量だったのに、さらなる驚きがアルトを襲った。
剣聖イーリスのパーティメンバーだという、イーリスとも負けず劣らず綺麗な盗賊のお姉さんから、「自分たちのパーティに入らない?」と誘われてしまったのだ。
それはつまり、あの剣聖イーリスとも一緒のパーティメンバーになるということだ。
憧れのあの人と一緒に冒険できるなんて、夢のようだとしか思えない。
しかも剣聖イーリス、盗賊エレンという二人の綺麗なお姉さんに囲まれて、一緒に冒険するという話にもなる。
そんなおいしい状況を前にして、十五歳の健全な青少年にピンク色の妄想をするなというほうが無理がある。
そんなことは考えてはダメだと必死に頭を振るのだが、邪な妄想が消えてくれない。
少年は今、自分の中の邪念と懸命に戦っていた。
だが一方で、不安に思うことも一つ。
アルトは盗賊のお姉さんエレンからパーティメンバーに誘われたのだが、そのエレンを剣聖イーリスが引っ張っていって、今は何やら、酒場の隅のほうで喧々諤々と言い争っているように見える。
それはつまり、エレンが勝手に決めたことに対して、イーリスが抗議をしているということだ。
話の内容はよく聞こえないが、普通に考えれば「勝手に決めるな」「私はそんなことを認めるつもりはない」と、イーリスがそう言っているに違いない。
(やっぱり、迷惑だよなぁ……。当たり前だよ、話が出来過ぎだ……)
ついつい、エレンさん頑張れ、イーリスさんを説得してくれ、などと思ってしまうのだが、アルト自身も虫のいい話だとは分かっている。
そう思うと、急速に夢から覚めて、現実に戻ってきたような感覚になる。
まったく、自分は何を期待していたのか。
(それにしても──)
一方でアルトは、二人のお姉さん冒険者たちが飲んでいたテーブルの様子をちらりと見る。
テーブルの上には、結構な量のお酒と、料理の皿が置かれていた。
(当たり前だけど、イーリスさんもお酒とか飲むんだな……)
そんな感想を持っている自分に気付いて、アルトは苦笑する。
どうも自分は、剣聖イーリスのことを天使や妖精のような幻想的な生き物だとでも思っていたようだ。
人間なんだから、ご飯も食べるしお酒も飲む。
そんな当たり前すぎることに、こんな歳になるまで気付けないなんて、恥ずかしいことこの上ない。
きっと現実の剣聖イーリスには、アルトが知らない人間らしい面もたくさんあるのだろう。
それも知ってみたいなとも思ってしまって、まだ夢を見ているなと再び苦笑。
そんなことを考えていると、エレンとイーリスの話が終わったようだ。
イーリスがアルトのほうに向かって、歩み寄ってくる。
イーリスの表情は硬い。
どこか動きがぎくしゃくしているようにも見える。
イーリスにとっては、仲間のエレンが切り出したことをひっくり返して、アルトをパーティに入れるという話をなかったことにしないといけないから、気が重いのだろう──少年はそう想像する。
やがてイーリスが、アルトの目の前まで来た。
綺麗な剣聖のお姉さんは、そこで一つ大きく深呼吸をして──
アルトに向かって、少しこわばったような笑顔で、こう言ってきた。
「ま、待たせてごめんなさい、アルトくん。それで、エレンと話をしたのだけど──これから私は、ただのパーティメンバーとして、キミと付き合っていきたいと思っているわ。あくまでも、ただのパーティメンバーとしてよ。そこのところは、勘違いしないでね」
「あ、は、はい……。って、あれ……?」
アルトにとって、そのイーリスの言葉は、寝耳に水だった。
てっきり断られるとばかり思っていたので、オーケーを言い渡されたのが意外だったのだ。
もちろん、「ただのパーティメンバー」と念押しされたのは、それ以上の邪な感情は抱くなということだろう。
つい数秒前までピンク色の妄想をしていたアルトは、自分の邪念を見抜かれていたことに気付いて羞恥し、顔が熱くなる。
自分のような若い少年の煩悩など、目の前の剣聖のお姉さんは当然にお見通しということだ。
「す、すみません……」
「はわっ……か、かわいい……! ……じゃなかった。──すみませんって、何がかな?」
「い、いえ……本当に、ごめんなさい」
アルトはいたたまれなくなり、杖を抱くようにしながら、両手で顔を覆ってしまう。
もうダメだ。
せっかく新人冒険者である自分に善意でいろいろと教えてくれようとしていたのに、その相手に異性として欲望の目を向けるなんてあるまじきことだ。
完全に嫌われた。
底抜けに優しい剣聖イーリスは、それでもアルトの面倒を見てくれるつもりなのだろう。
人がいいにもほどがある。
アルトはそう思っていたのだが──
そのとき、ふわりと。
柔らかくていい匂いのする何かが、アルトの体を優しく包み込んだ。
(え……?)
何かが、ではない。
疑いようもなく──剣聖イーリスが、その豊満な体でアルトを抱き締めたのだ。
(えっ……ええっ!? ど、どうして……!?)
混乱するばかりのアルト。
その少年の鼻先は、優しい剣聖のお姉さんの大きな胸に包まれている。
くらくらするようないい匂い。
「……どうしたの、アルトくん。何かイケナイことでもしたのかな? よかったら、お姉さんに話してごらん」
そう言って、剣聖のお姉さんはアルトの頭を優しくなでてくる。
子供の頃の、母親に抱かれているような心地よさを感じて、アルトの心は溶けていく。
(ああ、もう……この人に嘘はつけない……嘘なんかついたって、全部バレているんだし……)
全部正直に言ってしまえ。
そんな、懺悔をするようなつもりで、アルトは自身のピンク色の妄想を口にする。
「すみません、俺……イーリスさんとエレンさんを相手に、エッチな妄想をしていました……本当に、ごめんなさいっ!」
「──ふぁっ!?」
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