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メインストーリー2
続々々々々・メムロの章:セキダイコ(緑)報告編
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「ロキはん、やばいで、やばいでー!」
サーカさんがギルドに入った第一声がそれだった。
僕達はなにがやばいのかをまだ教えてもらえていない。
続々々々々・メムロの章:セキダイコ(緑)報告編
「サーカ、ちょっと落ち着け」
ロキさんがそういうとサーカさんは少しだけ大人しくなった。
「セキダイコの調査とは言ったが、中に入ったのか?」
「はい、調査のために・・・」
「あーもぅ、メムロちゃんそこは伏せといてーや」
え、ということは中に入ったのはサーカさんの独断だったのか?
「はぁ、サーカの事だから中に入るとは思っていたが、本当に入っていくとはな」
ロキさんが呆れたような表情になった。
「それで、何がやばいのだ?」
ロキさんの問いかけに、僕とルーナさんは首を横に振ることしかできなかった。
「アホのサーカの事やから、中におるやつにびびって逃げ帰ってきたんやろ」
オオカさんがギルドに戻ってきた。
「オオカ、まぁそういうな、無事に帰ってくるのも任務の1つだ」
「せ、せやねん。戦略的撤退ってやつやねん」
無策で突入してすぐ出てくる事がはたして戦略的撤退なのだろうか。
「そういう事にしといたるけど、中におったんはリクドか?」
オオカさんが尋ねた。
「んや、そんな生易しいもんやない・・・っていうとオマエは喜ぶんやろうな」
「わかっとるやないか。はよー新しい武器をつこーてみたいわぁ」
「それでサーカ、どの部屋まで進んだのだ?」
話が逸れたのをロキさんが戻した。
「最初の部屋や」
「ふむ・・・セキダイコに入るまでは何もなかったのか?」
「なんかおりそうな気配はあったけど、殺気はちーっともなかったで」
「なるほど、中に入る事を拒む相手ということか」
ロキさんが考えこんだ。
「あのー・・・」
「なんや、メムロちゃん」
「これまでにセキダイコが光る事ってあったんですか?」
「お、メムロちゃんえぇとこに目ぇつけたなぁ」
オオカさんが僕の頭をくしゃくしゃしてくる。
これは褒められているのか?
「ここのギルドマスターになってからは見たことがないな」
ロキさんがそう答えた。
「オレもしらんで」
オオカさんも知らないのか。
「オオカさん、他の遺跡が光るのは?」
「あっちゃこっちゃ行くけど見たことないなー」
ロキさんが少し困ったような表情になっていた。
そもそも遺跡に入るのはギルドでは指示が無い限り禁止されている。
サーカさんは知らん振りしている、恐らく勝手に入っているのだろう。
「ロキ、どないするんや。セイドら戻ってくんのってもうちょいかかるんやろ?」
「あぁそうだが、戻ってくるまで待機・・・と言ってもオマエは勝手に行くんだろうな」
「そんな人聞きの悪いこといわんといてーや、ちゃんと報告はしとるで」
「そういう問題ではないのだが、まぁ仕方が無い。オオカ様子を見に行け」
「あいよー、まかきときー。そこのへたれとちやう所をみせたるわ」
オオカさんがサーカさんに向ってわざとそういった。
サーカさんは珍しく反論せずに黙って聞いている。
「あ、せやせや」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「んとなー、メムロちゃん借りてえぇか?」
「えーっ!」
「いまなんと言った?」
様々な反応があったが、一番驚いているのは僕だ。
何故、僕が必要なのだろう。
「オオカさん、僕がついて行っても足手まといになるだけですよ」
謙遜でもなんでもなく、自分が行っても足を引っ張るだけで、本当に役に立つとは思えない。
「メムロちゃんは旅に出て間もないんやろ?」
「はい、つい最近まで村で篭ってました」
実際はもうすでにあちこち行っているのだが、説明するとややこしくなるので伏せておこう。
「オオカ、何を考えているのかわからんが危険すぎないか?」
ロキさんも止めに入った。
「そうよそうよ、メムロくんを連れて行ってちゃんと面倒みれるの?}
酷いいいようだがルーナさんも心配して止めてくれている。
「1人旅は寂しいんかいな、寂しがりやのオオカちゃーん」
サーカさんはここぞとばかりに先ほどの恨みを晴らすかのようにオオカさんをからかった。
「ちゃうちゃう、ちゃうで」
「オオカ、何が違うのだ?」
「自分らの意見なんかどーでもえぇねん、オレはメムロちゃんと一緒の方がえぇような気がしてんねん」
「気がするって、根拠はないのか・・・」
ロキさんが呆れた顔をしている。
「ほんで、メムロちゃんはどうしたい?」
オオカさんが問いかけてきた。
緑に光るセキダイコの先にはなにがあるのか気になる。
でも、自分がオオカさんについていっても足を引っ張るだけだ。
僕はロキさんの方をチラッと見た。
「セイドには怒られるかもしれないが、メムロくんが一緒に行きたいのならそれでいいぞ」
「ちょっと、ロキまでどうしたのよ、メムロくん今回はパスして一緒に魔法の練習でもしよ?しよ?」
魔法の練習は僕を引きとめるためのウソだろう。
でもルーナさんの気持ちもわかる。
どうしよう。
いや、僕はどうしたい?
これまで家の中で読んでいたどの物語でもセキダイコが光る描写はなかった。
でもさっき見に行った時は確かに光っていた。
セキダイコには何が隠されているのだろう。
気になる。
「オオカさん、ついていきます」
「えーっ!ダメダメ、メムロくんダメよダメ」
ルーナさんが必死になって止めているが、ロキさんがわかってやれと言わんばかりにルーナさんの肩にやさしく手を置いた。
「メムロくん、必ず戻ってくるんだぞ」
ロキさんはそう言ってくれた。
「はい!行ってきます!」
僕とオオカさんはギルドを出てセキダイコに向った。
続々々々々・メムロの章つづく
サーカさんがギルドに入った第一声がそれだった。
僕達はなにがやばいのかをまだ教えてもらえていない。
続々々々々・メムロの章:セキダイコ(緑)報告編
「サーカ、ちょっと落ち着け」
ロキさんがそういうとサーカさんは少しだけ大人しくなった。
「セキダイコの調査とは言ったが、中に入ったのか?」
「はい、調査のために・・・」
「あーもぅ、メムロちゃんそこは伏せといてーや」
え、ということは中に入ったのはサーカさんの独断だったのか?
「はぁ、サーカの事だから中に入るとは思っていたが、本当に入っていくとはな」
ロキさんが呆れたような表情になった。
「それで、何がやばいのだ?」
ロキさんの問いかけに、僕とルーナさんは首を横に振ることしかできなかった。
「アホのサーカの事やから、中におるやつにびびって逃げ帰ってきたんやろ」
オオカさんがギルドに戻ってきた。
「オオカ、まぁそういうな、無事に帰ってくるのも任務の1つだ」
「せ、せやねん。戦略的撤退ってやつやねん」
無策で突入してすぐ出てくる事がはたして戦略的撤退なのだろうか。
「そういう事にしといたるけど、中におったんはリクドか?」
オオカさんが尋ねた。
「んや、そんな生易しいもんやない・・・っていうとオマエは喜ぶんやろうな」
「わかっとるやないか。はよー新しい武器をつこーてみたいわぁ」
「それでサーカ、どの部屋まで進んだのだ?」
話が逸れたのをロキさんが戻した。
「最初の部屋や」
「ふむ・・・セキダイコに入るまでは何もなかったのか?」
「なんかおりそうな気配はあったけど、殺気はちーっともなかったで」
「なるほど、中に入る事を拒む相手ということか」
ロキさんが考えこんだ。
「あのー・・・」
「なんや、メムロちゃん」
「これまでにセキダイコが光る事ってあったんですか?」
「お、メムロちゃんえぇとこに目ぇつけたなぁ」
オオカさんが僕の頭をくしゃくしゃしてくる。
これは褒められているのか?
「ここのギルドマスターになってからは見たことがないな」
ロキさんがそう答えた。
「オレもしらんで」
オオカさんも知らないのか。
「オオカさん、他の遺跡が光るのは?」
「あっちゃこっちゃ行くけど見たことないなー」
ロキさんが少し困ったような表情になっていた。
そもそも遺跡に入るのはギルドでは指示が無い限り禁止されている。
サーカさんは知らん振りしている、恐らく勝手に入っているのだろう。
「ロキ、どないするんや。セイドら戻ってくんのってもうちょいかかるんやろ?」
「あぁそうだが、戻ってくるまで待機・・・と言ってもオマエは勝手に行くんだろうな」
「そんな人聞きの悪いこといわんといてーや、ちゃんと報告はしとるで」
「そういう問題ではないのだが、まぁ仕方が無い。オオカ様子を見に行け」
「あいよー、まかきときー。そこのへたれとちやう所をみせたるわ」
オオカさんがサーカさんに向ってわざとそういった。
サーカさんは珍しく反論せずに黙って聞いている。
「あ、せやせや」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「んとなー、メムロちゃん借りてえぇか?」
「えーっ!」
「いまなんと言った?」
様々な反応があったが、一番驚いているのは僕だ。
何故、僕が必要なのだろう。
「オオカさん、僕がついて行っても足手まといになるだけですよ」
謙遜でもなんでもなく、自分が行っても足を引っ張るだけで、本当に役に立つとは思えない。
「メムロちゃんは旅に出て間もないんやろ?」
「はい、つい最近まで村で篭ってました」
実際はもうすでにあちこち行っているのだが、説明するとややこしくなるので伏せておこう。
「オオカ、何を考えているのかわからんが危険すぎないか?」
ロキさんも止めに入った。
「そうよそうよ、メムロくんを連れて行ってちゃんと面倒みれるの?}
酷いいいようだがルーナさんも心配して止めてくれている。
「1人旅は寂しいんかいな、寂しがりやのオオカちゃーん」
サーカさんはここぞとばかりに先ほどの恨みを晴らすかのようにオオカさんをからかった。
「ちゃうちゃう、ちゃうで」
「オオカ、何が違うのだ?」
「自分らの意見なんかどーでもえぇねん、オレはメムロちゃんと一緒の方がえぇような気がしてんねん」
「気がするって、根拠はないのか・・・」
ロキさんが呆れた顔をしている。
「ほんで、メムロちゃんはどうしたい?」
オオカさんが問いかけてきた。
緑に光るセキダイコの先にはなにがあるのか気になる。
でも、自分がオオカさんについていっても足を引っ張るだけだ。
僕はロキさんの方をチラッと見た。
「セイドには怒られるかもしれないが、メムロくんが一緒に行きたいのならそれでいいぞ」
「ちょっと、ロキまでどうしたのよ、メムロくん今回はパスして一緒に魔法の練習でもしよ?しよ?」
魔法の練習は僕を引きとめるためのウソだろう。
でもルーナさんの気持ちもわかる。
どうしよう。
いや、僕はどうしたい?
これまで家の中で読んでいたどの物語でもセキダイコが光る描写はなかった。
でもさっき見に行った時は確かに光っていた。
セキダイコには何が隠されているのだろう。
気になる。
「オオカさん、ついていきます」
「えーっ!ダメダメ、メムロくんダメよダメ」
ルーナさんが必死になって止めているが、ロキさんがわかってやれと言わんばかりにルーナさんの肩にやさしく手を置いた。
「メムロくん、必ず戻ってくるんだぞ」
ロキさんはそう言ってくれた。
「はい!行ってきます!」
僕とオオカさんはギルドを出てセキダイコに向った。
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