黒の解呪録 ~呪いの果ての少女~

蒼井 くじら

文字の大きさ
2 / 56

除霊師とは

しおりを挟む
 宗介は父親と二人暮らしをしている。
 
 父親の職業は占い師。家の一階が小さなお店になっており、女性客を中心に簡単な占いやお守りなどのグッズ販売を行っている。稀に順番待ちの列ができるほどで、地元では少しばかり有名な占いの館だ。
 
 だが、それはあくまで表向き。
 
 店の実態は、心霊現象に悩む人々の駆け込み寺である。
 
 普通の寺や神社では手に負えない人間――強力な呪いや悪霊に取り憑かれた者が、たらい回しにされた挙句、最後に辿り着く場所がここなのだ。
 
 
 
 宗介たちの世界では、霊が視える人間を『霊能(力)者』と呼んでいる。霊能者と聞くと、特別な人間に思われるかもしれないが、全くそんなことはない。
 
 
 俗に言う「霊感のある」人(神社の神主やお寺の住職なども)がこれに当たり、人口の二~三パーセントほどは霊能者だと言われている。平たく言えば、クラスに一人くらいは霊能者がいる計算だ。
 
 
 そんな霊能者の中でも、霊視だけに止まらず霊に対して能動的な働きかけができる人間――宗介たちのような人間を『除霊師』と呼ぶ(具体的には、悪霊を祓ったり、呪いを解いたりできる人間を指す。そして、除霊師の中でも、特に呪術に長けた者を『呪術師』と呼ぶ場合もある)。無論、除霊師になるためには厳しい訓練が必要だが、訓練すれば誰でもなれるわけではなく、血筋や生まれ持った才覚の影響が非常に大きい。
 
 
 ところが、霊能者の中には、霊が視えるというだけで除霊や解呪を生業にする者も少なくない。酷い場合になると、全く効果のない品物を高額で売りつける輩も存在する。
 
 
 そして、たとえ本物の除霊師であっても、その力はピンキリで、悪霊や呪いの強さによっては対処しきれない場合も多い。
 
 宗介の家は、そういった周囲が匙を投げたモノを専門に扱っている。
 

 そして、今日も――。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

視える僕らのシェアハウス

橘しづき
ホラー
 安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。    電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。    ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。 『月乃庭 管理人 竜崎奏多』      不思議なルームシェアが、始まる。

皆さんは呪われました

禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか? お勧めの呪いがありますよ。 効果は絶大です。 ぜひ、試してみてください…… その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。 最後に残るのは誰だ……

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

【完結】ホラー短編集「隣の怪異」

シマセイ
ホラー
それは、あなたの『隣』にも潜んでいるのかもしれない。 日常風景が歪む瞬間、すぐそばに現れる異様な気配。 襖の隙間、スマートフォンの画面、アパートの天井裏、曰く付きの達磨…。 身近な場所を舞台にした怪異譚が、これから続々と語られていきます。 じわりと心を侵食する恐怖の記録、短編集『隣の怪異』。 今宵もまた、新たな怪異の扉が開かれる──。

怪奇蒐集帳(短編集)

naomikoryo
ホラー
この世には、知ってはいけない話がある。  怪談、都市伝説、語り継がれる呪い——  どれもがただの作り話かもしれない。  だが、それでも時々、**「本物」**が紛れ込むことがある。  本書は、そんな“見つけてしまった”怪異を集めた一冊である。  最後のページを閉じるとき、あなたは“何か”に気づくことになるだろう——。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...