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悪夢
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(ここは……どこだ?)
気が付くと、宗介は見知らぬ場所にいた。
草一本すら生えていない黒く穢れた大地。
剥き出しになっている土から微かに立ち上る血の匂い。
陽の光を一切通さない黒い雲。
そして、辺りにはおびただしい数の磔と、それに縛られた屍があった。
今なお鮮血を滴らせる死体もあれば、すでに身体の半分が白骨化してしまっているものもある。
(これは……罪人の処刑場か……?)
見ているだけで気持ちが悪くなり、すぐにこの場を離れたかったが、宗介の身体は全く動いてくれない。
よく見ると、宗介自身も磔の一つに縛り付けられていた。
何とか抜け出そうとするも身体は指一本動かせない。
そうこうしていると、宗介の前方に複数の人影が現れた。
人影は宗介の元へと近づいてくる。
どうやらそれは、白い服を身に纏った男と数人の子供たちのようだ。
小奇麗な衣装の男とは対照的に、子供たちの服装は皆一様にみすぼらしく、どの子も異様に痩せている。
男は宗介の前までやって来ると、手に持っていた風呂敷包みを地面に置いた。
広げられた風呂敷の中身を見て、宗介はぎょっとなる。
風呂敷に包まれていたのは、包丁、鎌、鉈、鋸といった刃物の数々。
男はその刃物を子供たちに手渡していく。
そして子供たちに向かって何事か言葉を掛けると、次の瞬間、子供たちの目が一斉に宗介へと向けられた。
ゆっくりと宗介へ近づいてくる子供たち。
彼らがこれから何をするつもりなのか、宗介には分かってしまった。
(やめろ……来るな……あっちへ行け!)
精一杯叫んだはずが、何故か声にならない。
その間も、子供たちは徐々に宗介との距離を詰める。
そしてついに――一人の男の子が宗介の腹部に刃物を突き立てた。
(うっ……あ、れ……?)
不思議と痛みはない。
だが、それは宗介にとって最大の不幸だった。
痛みで気を失うことができていれば、この先を見ることもなかったから。
宗介の腹を裂いた子供は無遠慮に裂け目へと手を突っ込み、腸を引きずり出した。
その子は血に染まった赤い手で宗介の臓物を口に運ぶと、ぴちゃぴちゃという音を立てて食べ始める。
それを皮切りに、他の子供たちも手に持った刃物で宗介の身体を削いでいく。
宗介から切り取った肉を、臓腑を、骨を、彼らは次々に頬張る。
気がおかしくなりそうな狂った光景が、目の前で繰り広げられていた。
宗介の身体が減っていくにしたがって、宗介の意識も次第に遠のいていく。
最後、女の子が宗介の目に包丁を突き立てた瞬間、宗介のかろうじて残っていた意識は完全に消失した。
気が付くと、宗介は見知らぬ場所にいた。
草一本すら生えていない黒く穢れた大地。
剥き出しになっている土から微かに立ち上る血の匂い。
陽の光を一切通さない黒い雲。
そして、辺りにはおびただしい数の磔と、それに縛られた屍があった。
今なお鮮血を滴らせる死体もあれば、すでに身体の半分が白骨化してしまっているものもある。
(これは……罪人の処刑場か……?)
見ているだけで気持ちが悪くなり、すぐにこの場を離れたかったが、宗介の身体は全く動いてくれない。
よく見ると、宗介自身も磔の一つに縛り付けられていた。
何とか抜け出そうとするも身体は指一本動かせない。
そうこうしていると、宗介の前方に複数の人影が現れた。
人影は宗介の元へと近づいてくる。
どうやらそれは、白い服を身に纏った男と数人の子供たちのようだ。
小奇麗な衣装の男とは対照的に、子供たちの服装は皆一様にみすぼらしく、どの子も異様に痩せている。
男は宗介の前までやって来ると、手に持っていた風呂敷包みを地面に置いた。
広げられた風呂敷の中身を見て、宗介はぎょっとなる。
風呂敷に包まれていたのは、包丁、鎌、鉈、鋸といった刃物の数々。
男はその刃物を子供たちに手渡していく。
そして子供たちに向かって何事か言葉を掛けると、次の瞬間、子供たちの目が一斉に宗介へと向けられた。
ゆっくりと宗介へ近づいてくる子供たち。
彼らがこれから何をするつもりなのか、宗介には分かってしまった。
(やめろ……来るな……あっちへ行け!)
精一杯叫んだはずが、何故か声にならない。
その間も、子供たちは徐々に宗介との距離を詰める。
そしてついに――一人の男の子が宗介の腹部に刃物を突き立てた。
(うっ……あ、れ……?)
不思議と痛みはない。
だが、それは宗介にとって最大の不幸だった。
痛みで気を失うことができていれば、この先を見ることもなかったから。
宗介の腹を裂いた子供は無遠慮に裂け目へと手を突っ込み、腸を引きずり出した。
その子は血に染まった赤い手で宗介の臓物を口に運ぶと、ぴちゃぴちゃという音を立てて食べ始める。
それを皮切りに、他の子供たちも手に持った刃物で宗介の身体を削いでいく。
宗介から切り取った肉を、臓腑を、骨を、彼らは次々に頬張る。
気がおかしくなりそうな狂った光景が、目の前で繰り広げられていた。
宗介の身体が減っていくにしたがって、宗介の意識も次第に遠のいていく。
最後、女の子が宗介の目に包丁を突き立てた瞬間、宗介のかろうじて残っていた意識は完全に消失した。
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