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学院初等部 4学年生
訓練と実践?
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「皆様、ありがとうございます。訓練にお戻りください。お邪魔をしたいわけではないのです」
私が言うと、みんなは戻ってくれた。ダニエル様とシェーン様は残っているけど。
「ダニエル様、シェーン様もお戻りになってください。お邪魔をしてしまって申し訳ございません」
「邪魔などと。キャスリーン様を邪魔者扱いする者はこの場には居りませんよ」
「お嬢ちゃんを邪魔者扱いする奴は、消えてもらっても良いよね?」
「ダニエル様、我が家の私兵を消さないでくださいませ?」
冗談と分かりながら笑って言うと、ダニエル様が私の頭に手を伸ばした。それをシェーン様が素早く阻止する。
「何の真似だ?」
「こっちのセリフだ」
「軽々しくキャスリーン様に触れるな」
「これ位は許されたり……、しねぇかな?」
目線が私を通過した。どうやらフランに聞いたらしい。
「キャスリーン様にはローレンス様という婚約者がいらっしゃいます。そのような真似をなさいますと要らぬ噂の種になります。お控えください」
「確かにお嬢ちゃんが困る状況に、なっちまうよなぁ」
「分かったらキャスリーン様から離れろ。困っておられるだろう?」
「はいはい。訓練に戻りますか。お嬢ちゃん、またね」
「頑張ってくださいまし。お怪我にだけはお気を付けくださいね」
「そりゃあ無理な相談だな」
「そうですね。真剣に相手と打ち合えば、必ずどちらかが怪我をします」
そこを気を付けてって言っているんだけど。それに2人してバチバチに睨み合ってませんか?
私兵達に交ざって剣を打ち合う2人の速度と強さが、早く強くなっていく。最初は見ているだけだった私兵達が距離を取って、場所を開け始めた。
「お嬢様、放っておいて良いのでしょうか?」
「確実にどっちかは怪我をするわよね」
あぁっ、ダニエル様が吹っ飛ばされた。ズザザザザッと地面を滑ったダニエル様は素早く起き上がると、シェーン様に斬りかかる。今度はシェーン様がダニエル様にお腹を蹴られた。膝を付いて着地したシェーン様も即座に起き上がって一気にダニエル様との距離を詰める。
「フラン……」
「お嬢様、見ているのがお辛いなら、立ち去ってもよろしいのですよ?」
「そうしたいのはやまやまなんだけど、なんだか見届けないといけない気がするの」
私の様子に気がついたらしいランベルトお義兄様が、気遣わしげな視線を寄越した。大丈夫だという意味を込めて笑顔を浮かべる。
もはや殴り合いに発展しているダニエル様とシェーン様を見守る。私兵達がジリジリとその回りを囲んでいる。大丈夫だと合図を送ったはずのお義兄様が側に来てくれた。
「キャシー、大丈夫か?」
「大丈夫だと合図をいたしましたのに」
「合図はな。大丈夫だという顔ではないから来たんだ」
「お2人はどうなさってしまわれたのでしょう」
「あの2人は、元々キャシーを守るという点でしか相容れないようだから、想定内ではあったんだが。まさかキャシーの見ている前でおっ始めるとは」
「想定内でしたの?」
「一応な。隊長達とも話しはしていた。父上には報告しないとな」
「あのお2人をどうなさるおつもりですか?」
「我が家にあの2人をどうこうする権限は無い。キャシーだけがあの2人の行く先に口出し出来る。キャシーはどうしたい?」
「どうしたいと言われましても」
2人共地面に倒れ付して立てなくなった。
「決着が付いたかな?」
「お怪我を治さないと」
「その必要はないよ。怪我も自業自得だろう?」
「必要はございます。怪我をそのままにするといろんな弊害を引き起こす可能性がございます」
「出血部は洗浄して、骨折部位は固定するんだっけ?」
「治癒魔法を使わせないおつもりですか?」
私兵達が担架でダニエル様とシェーン様を運び出す。
「元気になって、同じ事を繰り返されても、我が家も迷惑だからね」
「かといって……」
担架で運ばれていく2人を見ていると、少し乱暴にワシャワシャを頭を撫でられた。フランが即座に髪を整えてくれる。
「まぁ、訓練の一貫で怪我をしたわけだし?訓練場から出ているし?その後は俺達は関与出来ないし?キャシーが何をしているかは、俺達は把握しきれないし?」
「ありがとうございます、お義兄様」
暗に「好きなようにすれば?治癒魔法を使おうがそれは私の自由だ」と、そう言われた事が分かった。聞いていたフランには「結構露骨でしたよ?」と言われてしまったけど。
これって私は治癒魔法を使っても良いけど、2度と同じ事を繰り返させないようにって、2人を説得する役目も委ねられたよね?
2人の運び決まれた部屋を確認して、いったん部屋に戻り、メイクを直してもらって2人が寝ている部屋に行く。
「おや、お嬢様」
「お2人の怪我はいかがですか?」
「そうですな。お嬢様が診ればすぐにお分かりになると思いますが、両人とも殴打による打撲傷多数、黒髪の、えぇっとシェーンさんでしたか。彼は左の肋骨にヒビが入っておりますな。その他は骨に異状は無いかと。もうひとりの赤茶髪のダニエルさんは左鎖骨の骨折。動かした所為でしょうが位置がずれておりました。こちらも同じく他の骨に異状は無いかと思われます。治癒魔法を使われるのですか?」
「はい。それとお説教を少々」
「お説教ですか。お嬢様のお説教はあの2人にはよく効くでしょうな」
声を潜めてフッフッフっと笑うお医者様は、気の良いお爺ちゃんにしか思えない。
部屋に入ると2人は並んで横たわっていた。
「怪我の程度は同等ですが、より急いで治癒を施したいのはダニエルさんの方でしょうな」
「分かりました」
お医者様の言葉に頷いて、ダニエル様の手を握る。
「お、嬢ちゃん……」
「黙ってください」
何かを言いかけたダニエル様を黙らせて、治癒魔法を使う。幸いにも損傷部はすべて綺麗に洗浄されていた。お医者様付きのメイドさんがやってくれたらしい。
擦過傷、打撲傷、石によると思われる切傷など、数えてはいないけど全身の傷を治していく。
「ダニエル様は終わりです。もう少しそこに居てくださいね?」
にっこり笑って言うと、黙って起き上がって服装を整え始めた。
「シェーン様、お待たせいたしました」
「キャスリーン様、申し訳ご……」
「それは後でお聞きします」
こちらも言葉は封じておいて、治癒魔法を使う。ダニエル様と同じように全身に擦過傷、打撲傷、石によると思われる切傷などがみられた。
すべての治癒が終わると、お医者様がみんなを連れて出ていった。室内に私とフラン、ダニエル様とシェーン様が残される。
「お2人共、私が何を言いたいかお分かりですか?」
何故か正座をしている2人を見て言う。
「私、言いましたわよね?お怪我にだけはお気をつけくださいませと。あの本気の殴り合いはなんですか?お義兄様に伺いましたが、あのような状況になるのは初めてではないそうですわね?」
「お嬢ちゃん、落ち着いて?」
「落ち着いております。訓練であると言うなら、私はこのような事は申しません。ですが先程は訓練の範疇を越えておりましたわよね?お2人が私を守ってくださるのはとても嬉しいですが、その為にお怪我を負われると、私は悲しく、辛くなります」
ここで空涙を一粒。
「ただでさえお2人を危険にさらしているのではと、心苦しいのです。お願いいたします。このような事は2度となさらないでくださいませ」
ポロポロと泣きながら訴える。当然ウソ泣きだけど、騙されてくれるかな?
「お嬢ちゃん、悪かった」
「もう2度といたしません」
2人の言葉をマルっと信じられはしないけど、謝ってくれたしお説教はここまでにしておく。フランもハンカチを差し出してくれながら、十分でしょうと言っているし。
私が言うと、みんなは戻ってくれた。ダニエル様とシェーン様は残っているけど。
「ダニエル様、シェーン様もお戻りになってください。お邪魔をしてしまって申し訳ございません」
「邪魔などと。キャスリーン様を邪魔者扱いする者はこの場には居りませんよ」
「お嬢ちゃんを邪魔者扱いする奴は、消えてもらっても良いよね?」
「ダニエル様、我が家の私兵を消さないでくださいませ?」
冗談と分かりながら笑って言うと、ダニエル様が私の頭に手を伸ばした。それをシェーン様が素早く阻止する。
「何の真似だ?」
「こっちのセリフだ」
「軽々しくキャスリーン様に触れるな」
「これ位は許されたり……、しねぇかな?」
目線が私を通過した。どうやらフランに聞いたらしい。
「キャスリーン様にはローレンス様という婚約者がいらっしゃいます。そのような真似をなさいますと要らぬ噂の種になります。お控えください」
「確かにお嬢ちゃんが困る状況に、なっちまうよなぁ」
「分かったらキャスリーン様から離れろ。困っておられるだろう?」
「はいはい。訓練に戻りますか。お嬢ちゃん、またね」
「頑張ってくださいまし。お怪我にだけはお気を付けくださいね」
「そりゃあ無理な相談だな」
「そうですね。真剣に相手と打ち合えば、必ずどちらかが怪我をします」
そこを気を付けてって言っているんだけど。それに2人してバチバチに睨み合ってませんか?
私兵達に交ざって剣を打ち合う2人の速度と強さが、早く強くなっていく。最初は見ているだけだった私兵達が距離を取って、場所を開け始めた。
「お嬢様、放っておいて良いのでしょうか?」
「確実にどっちかは怪我をするわよね」
あぁっ、ダニエル様が吹っ飛ばされた。ズザザザザッと地面を滑ったダニエル様は素早く起き上がると、シェーン様に斬りかかる。今度はシェーン様がダニエル様にお腹を蹴られた。膝を付いて着地したシェーン様も即座に起き上がって一気にダニエル様との距離を詰める。
「フラン……」
「お嬢様、見ているのがお辛いなら、立ち去ってもよろしいのですよ?」
「そうしたいのはやまやまなんだけど、なんだか見届けないといけない気がするの」
私の様子に気がついたらしいランベルトお義兄様が、気遣わしげな視線を寄越した。大丈夫だという意味を込めて笑顔を浮かべる。
もはや殴り合いに発展しているダニエル様とシェーン様を見守る。私兵達がジリジリとその回りを囲んでいる。大丈夫だと合図を送ったはずのお義兄様が側に来てくれた。
「キャシー、大丈夫か?」
「大丈夫だと合図をいたしましたのに」
「合図はな。大丈夫だという顔ではないから来たんだ」
「お2人はどうなさってしまわれたのでしょう」
「あの2人は、元々キャシーを守るという点でしか相容れないようだから、想定内ではあったんだが。まさかキャシーの見ている前でおっ始めるとは」
「想定内でしたの?」
「一応な。隊長達とも話しはしていた。父上には報告しないとな」
「あのお2人をどうなさるおつもりですか?」
「我が家にあの2人をどうこうする権限は無い。キャシーだけがあの2人の行く先に口出し出来る。キャシーはどうしたい?」
「どうしたいと言われましても」
2人共地面に倒れ付して立てなくなった。
「決着が付いたかな?」
「お怪我を治さないと」
「その必要はないよ。怪我も自業自得だろう?」
「必要はございます。怪我をそのままにするといろんな弊害を引き起こす可能性がございます」
「出血部は洗浄して、骨折部位は固定するんだっけ?」
「治癒魔法を使わせないおつもりですか?」
私兵達が担架でダニエル様とシェーン様を運び出す。
「元気になって、同じ事を繰り返されても、我が家も迷惑だからね」
「かといって……」
担架で運ばれていく2人を見ていると、少し乱暴にワシャワシャを頭を撫でられた。フランが即座に髪を整えてくれる。
「まぁ、訓練の一貫で怪我をしたわけだし?訓練場から出ているし?その後は俺達は関与出来ないし?キャシーが何をしているかは、俺達は把握しきれないし?」
「ありがとうございます、お義兄様」
暗に「好きなようにすれば?治癒魔法を使おうがそれは私の自由だ」と、そう言われた事が分かった。聞いていたフランには「結構露骨でしたよ?」と言われてしまったけど。
これって私は治癒魔法を使っても良いけど、2度と同じ事を繰り返させないようにって、2人を説得する役目も委ねられたよね?
2人の運び決まれた部屋を確認して、いったん部屋に戻り、メイクを直してもらって2人が寝ている部屋に行く。
「おや、お嬢様」
「お2人の怪我はいかがですか?」
「そうですな。お嬢様が診ればすぐにお分かりになると思いますが、両人とも殴打による打撲傷多数、黒髪の、えぇっとシェーンさんでしたか。彼は左の肋骨にヒビが入っておりますな。その他は骨に異状は無いかと。もうひとりの赤茶髪のダニエルさんは左鎖骨の骨折。動かした所為でしょうが位置がずれておりました。こちらも同じく他の骨に異状は無いかと思われます。治癒魔法を使われるのですか?」
「はい。それとお説教を少々」
「お説教ですか。お嬢様のお説教はあの2人にはよく効くでしょうな」
声を潜めてフッフッフっと笑うお医者様は、気の良いお爺ちゃんにしか思えない。
部屋に入ると2人は並んで横たわっていた。
「怪我の程度は同等ですが、より急いで治癒を施したいのはダニエルさんの方でしょうな」
「分かりました」
お医者様の言葉に頷いて、ダニエル様の手を握る。
「お、嬢ちゃん……」
「黙ってください」
何かを言いかけたダニエル様を黙らせて、治癒魔法を使う。幸いにも損傷部はすべて綺麗に洗浄されていた。お医者様付きのメイドさんがやってくれたらしい。
擦過傷、打撲傷、石によると思われる切傷など、数えてはいないけど全身の傷を治していく。
「ダニエル様は終わりです。もう少しそこに居てくださいね?」
にっこり笑って言うと、黙って起き上がって服装を整え始めた。
「シェーン様、お待たせいたしました」
「キャスリーン様、申し訳ご……」
「それは後でお聞きします」
こちらも言葉は封じておいて、治癒魔法を使う。ダニエル様と同じように全身に擦過傷、打撲傷、石によると思われる切傷などがみられた。
すべての治癒が終わると、お医者様がみんなを連れて出ていった。室内に私とフラン、ダニエル様とシェーン様が残される。
「お2人共、私が何を言いたいかお分かりですか?」
何故か正座をしている2人を見て言う。
「私、言いましたわよね?お怪我にだけはお気をつけくださいませと。あの本気の殴り合いはなんですか?お義兄様に伺いましたが、あのような状況になるのは初めてではないそうですわね?」
「お嬢ちゃん、落ち着いて?」
「落ち着いております。訓練であると言うなら、私はこのような事は申しません。ですが先程は訓練の範疇を越えておりましたわよね?お2人が私を守ってくださるのはとても嬉しいですが、その為にお怪我を負われると、私は悲しく、辛くなります」
ここで空涙を一粒。
「ただでさえお2人を危険にさらしているのではと、心苦しいのです。お願いいたします。このような事は2度となさらないでくださいませ」
ポロポロと泣きながら訴える。当然ウソ泣きだけど、騙されてくれるかな?
「お嬢ちゃん、悪かった」
「もう2度といたしません」
2人の言葉をマルっと信じられはしないけど、謝ってくれたしお説教はここまでにしておく。フランもハンカチを差し出してくれながら、十分でしょうと言っているし。
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