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学院中等部 7学年生
祈り
「呼吸が速く手が震えておられます。お顔をしかめておられましたから、おそらくは頭痛もしているものと」
「分かりました」
フランとマリアさんの会話は聞こえるんだけど、理解を脳が拒否している気がする。
パタンという音がして、しばらくしてフランが戻ってきた。
「お嬢様、お飲みください」
「マトリ、カミア?」
「通常の物ではありませんよ。特別なマトリカミアです。少し苦味がありますので、ハチミツを入れてあります。ゆっくりで良いですからね。少しずつゆっくりで」
フランの話し方が、いつもよりゆっくりで安心する。自分でも意識して大きく呼吸をしていく。
少しずつ手の震えと痺れが治まってきた。呼吸はまだ速いと思うけど、フランからハーブティーを受け取った。しっかり握れなくてフランが支えてくれる。マリアさんはずっと背中を擦ってくれていた。
「ありがとう。落ち着きました」
「キャシー、今から行くのか?」
「はい。気休めかもしれませんし、必要なくて今夜にも帰っていらっしゃるかもしれません。でも祈りたいのです」
「それで気が済むのか?」
「ありがとうございます」
「長いと思ったら無理にでも連れ戻すからな?」
お義兄様の言葉に返事をせずに、礼拝堂の聖堂に入った。タウンハウスの礼拝堂は極々小さくて、家族の為の祈りの場だ。月に1度は神官様に来ていただいているけど、基本的に家族しか使わない。
祭壇の前に跪いて、ピュリオンヴェルッティ教の主神、天父神シュターディルと地母神マーテルに祈りを捧げる。ローレンス様が無事でありますように。大きな怪我がありませんように。早く見付かりますように。
跪いて祈っていると心が落ち着いてくる。どうしたいのか、どうすれば良いと思うのかが徐々にはっきりとしてくる。
「キャシー、そろそろやめておけ」
ランベルトお義兄様に声をかけられた。それと同時に身体を揺さぶられたから、何度か声をかけていたけど、私が聴こえていなかっただけかもしれない。
「お義兄様」
「ほら、立って。まったく1時間も祈り続けていたぞ」
「1時間……」
「今日はこれで終わっておけ。俺だって兄貴の身は心配だ。それでも今は待つしかない」
「はい」
お屋敷に戻ってお義母様を訪ねる。お義母様は編み物をしていた。
「お義母様」
「キャシーちゃん、戻ったの?」
「編み物ですか?」
「川に落ちたらしいと聞いたの。だから寒さに震えているんじゃないかと思って」
「そうですわね。どなたかに見付けていただいていれば良いのですけど」
「そうね。どの辺りかは伺った?」
「教えていただけませんでした。飛び出していきそうだからですって」
「そう……」
現場に行って捜索に加わりたい。でも私が行っても有効な捜索方法も知らないし、役に立つと思えない。
何も出来ない自分が嫌になる。こういう時、光魔法なんて何の役にも立たない。もちろん被害者が見付かった後なら、いくらでも役に立てる。でも見付けるまでの過程のイメージが湧かない。
次の日から毎日、時には朝晩礼拝堂に行ってお祈りした。救民院に行っても暇を見つけては聖堂でお祈りしてばかりの私を、ララさんやリチャード神官、ミリアディス様やエドワード様が心配そうに見守ってくれていた。
「キャシーちゃん、少しお休みしたら?」
ローレンス様が行方不明になって10日経った日、いつものように救民院に行って時間が空いたからお祈りしていたら、ララさんに声をかけられた。
「ララさん?」
「救民院に来てもお祈りしてばかりでしょ?それが悪いとは言わないわ。ローレンス様の事は私も聞いているもの。でも見ていられないのよ。食事は摂ってる?夜はちゃんと眠れてるの?」
「食欲が無くて……」
「眠れてもいないわよね?」
「……はい」
はぁぁぁ、と大きな息を吐いて、ララさんが私を立たせた。
「ちょうど良いわ。リーサさんの所に行きましょう」
「リーサさんの所に?」
「セシルさんも昨日着いたと連絡が来たの。だからお泊まりしましょう。パジャマパーティー、しましょ」
「お義父様とお義母様の許可を得ておりませんわ」
「ちゃんと許可は取ったわよ。エドワード様とミリアディス様も後押ししてくれたの。気分転換にって言ってくれてね。ね?キャシーちゃん、行きましょ?」
「でも……」
「着替えなんかは気にしなくて良いわよ。準備してあるって言ってたから」
誰が?と思う暇もなく、聖堂から連れ出されてしまった。お爺ちゃん先生2人が笑顔で手を振って、お見送りをしてくれていたのが見えた。
馬車に乗せられてリーサさんのお屋敷に着いた。
「キャシーちゃんを連れてきたわよ」
「よくやった、ララ嬢」
「え?サミュエル先生?」
リーサさんのお屋敷に着くと、寒いのに玄関先にサミュエル先生が待っていた。
「話は聞いたよ。しばらくここでゆっくりしなさい。救民院の方は私とピアーズ君が代わりに行くから」
「ご迷惑をお掛けします」
「迷惑なんかじゃないよ。少しは頼りなさい。我慢はしてないだろうけど無理はしているでしょ?」
怒っているというポーズで、先生が言う。
「ダニエルとマリアと護衛達は置いていくから。便利に使って良いからね」
「便利にって……。ありがとうございます」
「さ、中に入りなさい。身体が冷えてしまう」
「はい」
リーサさんのお屋敷に入ると、リーサさんとセシルさんと、暖かい空気が歓迎してくれた。
「いらっしゃい。キャスリーンちゃん、痩せたわね」
「でも幼いと言う印象は抜けたわよ?」
「そうね。可愛い美人さんって感じ。これは腕が鳴るわね」
「ヘアメイクなら任せておいて?」
「ちょっと、キャシーちゃんを疲れさせないでよね」
「あら、少し疲れた方がよく眠れるわよ?」
「パジャマも色々持ってきたわ。楽しみましょ」
リーサさんとセシルさんとララさんの気遣いが温かい。
「まずはウェルカムドリンクよね。キャスリーンちゃん、ココア、ハーブティー、ミルクティー、ストレートの紅茶、どれが良い?」
「あ、ココアが飲みたぁい」
「ララちゃんには聞いてないの。キャスリーンちゃんに聞いているのよ」
「あの、ミルクティーを」
「ミルクティーね。分かったわ。リーサはいつものストレートティーよね?ララちゃんはココア。フフ。ララちゃんはココアが好きよねぇ」
ティールームに案内された。落ち着いた明るい部屋にゆったりとしたテーブル。
「大きいでしょう?いつもここで使用人の皆さんも誘ってお茶をしてるのよ。今はお茶だけだけど、午後からはみんなでアフタヌーンティーを楽しみましょうね」
リーサさんが言う。気を使われている感じの無い、自然な話し方だ。
ティーワゴンを押した使用人とセシルさんが入ってきた。
「座って。アッポーがあればアップルティーも良いんだけどね。明日に残してあるのよ」
「明日、何かあるのですか?」
「明日はアップルパイを焼こうと思って。キャスリーンちゃんはアップルパイは好きかしら?」
「はい」
「ミンスパイも焼くわよ。この世界にはクリスマスは無いけれど、聖臨祭はあるものね」
聖臨祭はピュリオンヴェルッティ教の主神、天父神シュターディルと地母神マーテルが、はじめてこの世界に降り立ったとされる週間だ。大々的にお祝いはしないけれど静かに感謝を捧げ、プレゼントを贈り合う風習がある。
「でも、聖臨祭は春よ?」
「関係無いわよ。とにかく冬といえばクリスマス。クリスマスといえばミンスパイとシュトーレンと、パネトーネとパンドーロとストゥルッフォリよ」
「ストゥル?」
「分かりました」
フランとマリアさんの会話は聞こえるんだけど、理解を脳が拒否している気がする。
パタンという音がして、しばらくしてフランが戻ってきた。
「お嬢様、お飲みください」
「マトリ、カミア?」
「通常の物ではありませんよ。特別なマトリカミアです。少し苦味がありますので、ハチミツを入れてあります。ゆっくりで良いですからね。少しずつゆっくりで」
フランの話し方が、いつもよりゆっくりで安心する。自分でも意識して大きく呼吸をしていく。
少しずつ手の震えと痺れが治まってきた。呼吸はまだ速いと思うけど、フランからハーブティーを受け取った。しっかり握れなくてフランが支えてくれる。マリアさんはずっと背中を擦ってくれていた。
「ありがとう。落ち着きました」
「キャシー、今から行くのか?」
「はい。気休めかもしれませんし、必要なくて今夜にも帰っていらっしゃるかもしれません。でも祈りたいのです」
「それで気が済むのか?」
「ありがとうございます」
「長いと思ったら無理にでも連れ戻すからな?」
お義兄様の言葉に返事をせずに、礼拝堂の聖堂に入った。タウンハウスの礼拝堂は極々小さくて、家族の為の祈りの場だ。月に1度は神官様に来ていただいているけど、基本的に家族しか使わない。
祭壇の前に跪いて、ピュリオンヴェルッティ教の主神、天父神シュターディルと地母神マーテルに祈りを捧げる。ローレンス様が無事でありますように。大きな怪我がありませんように。早く見付かりますように。
跪いて祈っていると心が落ち着いてくる。どうしたいのか、どうすれば良いと思うのかが徐々にはっきりとしてくる。
「キャシー、そろそろやめておけ」
ランベルトお義兄様に声をかけられた。それと同時に身体を揺さぶられたから、何度か声をかけていたけど、私が聴こえていなかっただけかもしれない。
「お義兄様」
「ほら、立って。まったく1時間も祈り続けていたぞ」
「1時間……」
「今日はこれで終わっておけ。俺だって兄貴の身は心配だ。それでも今は待つしかない」
「はい」
お屋敷に戻ってお義母様を訪ねる。お義母様は編み物をしていた。
「お義母様」
「キャシーちゃん、戻ったの?」
「編み物ですか?」
「川に落ちたらしいと聞いたの。だから寒さに震えているんじゃないかと思って」
「そうですわね。どなたかに見付けていただいていれば良いのですけど」
「そうね。どの辺りかは伺った?」
「教えていただけませんでした。飛び出していきそうだからですって」
「そう……」
現場に行って捜索に加わりたい。でも私が行っても有効な捜索方法も知らないし、役に立つと思えない。
何も出来ない自分が嫌になる。こういう時、光魔法なんて何の役にも立たない。もちろん被害者が見付かった後なら、いくらでも役に立てる。でも見付けるまでの過程のイメージが湧かない。
次の日から毎日、時には朝晩礼拝堂に行ってお祈りした。救民院に行っても暇を見つけては聖堂でお祈りしてばかりの私を、ララさんやリチャード神官、ミリアディス様やエドワード様が心配そうに見守ってくれていた。
「キャシーちゃん、少しお休みしたら?」
ローレンス様が行方不明になって10日経った日、いつものように救民院に行って時間が空いたからお祈りしていたら、ララさんに声をかけられた。
「ララさん?」
「救民院に来てもお祈りしてばかりでしょ?それが悪いとは言わないわ。ローレンス様の事は私も聞いているもの。でも見ていられないのよ。食事は摂ってる?夜はちゃんと眠れてるの?」
「食欲が無くて……」
「眠れてもいないわよね?」
「……はい」
はぁぁぁ、と大きな息を吐いて、ララさんが私を立たせた。
「ちょうど良いわ。リーサさんの所に行きましょう」
「リーサさんの所に?」
「セシルさんも昨日着いたと連絡が来たの。だからお泊まりしましょう。パジャマパーティー、しましょ」
「お義父様とお義母様の許可を得ておりませんわ」
「ちゃんと許可は取ったわよ。エドワード様とミリアディス様も後押ししてくれたの。気分転換にって言ってくれてね。ね?キャシーちゃん、行きましょ?」
「でも……」
「着替えなんかは気にしなくて良いわよ。準備してあるって言ってたから」
誰が?と思う暇もなく、聖堂から連れ出されてしまった。お爺ちゃん先生2人が笑顔で手を振って、お見送りをしてくれていたのが見えた。
馬車に乗せられてリーサさんのお屋敷に着いた。
「キャシーちゃんを連れてきたわよ」
「よくやった、ララ嬢」
「え?サミュエル先生?」
リーサさんのお屋敷に着くと、寒いのに玄関先にサミュエル先生が待っていた。
「話は聞いたよ。しばらくここでゆっくりしなさい。救民院の方は私とピアーズ君が代わりに行くから」
「ご迷惑をお掛けします」
「迷惑なんかじゃないよ。少しは頼りなさい。我慢はしてないだろうけど無理はしているでしょ?」
怒っているというポーズで、先生が言う。
「ダニエルとマリアと護衛達は置いていくから。便利に使って良いからね」
「便利にって……。ありがとうございます」
「さ、中に入りなさい。身体が冷えてしまう」
「はい」
リーサさんのお屋敷に入ると、リーサさんとセシルさんと、暖かい空気が歓迎してくれた。
「いらっしゃい。キャスリーンちゃん、痩せたわね」
「でも幼いと言う印象は抜けたわよ?」
「そうね。可愛い美人さんって感じ。これは腕が鳴るわね」
「ヘアメイクなら任せておいて?」
「ちょっと、キャシーちゃんを疲れさせないでよね」
「あら、少し疲れた方がよく眠れるわよ?」
「パジャマも色々持ってきたわ。楽しみましょ」
リーサさんとセシルさんとララさんの気遣いが温かい。
「まずはウェルカムドリンクよね。キャスリーンちゃん、ココア、ハーブティー、ミルクティー、ストレートの紅茶、どれが良い?」
「あ、ココアが飲みたぁい」
「ララちゃんには聞いてないの。キャスリーンちゃんに聞いているのよ」
「あの、ミルクティーを」
「ミルクティーね。分かったわ。リーサはいつものストレートティーよね?ララちゃんはココア。フフ。ララちゃんはココアが好きよねぇ」
ティールームに案内された。落ち着いた明るい部屋にゆったりとしたテーブル。
「大きいでしょう?いつもここで使用人の皆さんも誘ってお茶をしてるのよ。今はお茶だけだけど、午後からはみんなでアフタヌーンティーを楽しみましょうね」
リーサさんが言う。気を使われている感じの無い、自然な話し方だ。
ティーワゴンを押した使用人とセシルさんが入ってきた。
「座って。アッポーがあればアップルティーも良いんだけどね。明日に残してあるのよ」
「明日、何かあるのですか?」
「明日はアップルパイを焼こうと思って。キャスリーンちゃんはアップルパイは好きかしら?」
「はい」
「ミンスパイも焼くわよ。この世界にはクリスマスは無いけれど、聖臨祭はあるものね」
聖臨祭はピュリオンヴェルッティ教の主神、天父神シュターディルと地母神マーテルが、はじめてこの世界に降り立ったとされる週間だ。大々的にお祝いはしないけれど静かに感謝を捧げ、プレゼントを贈り合う風習がある。
「でも、聖臨祭は春よ?」
「関係無いわよ。とにかく冬といえばクリスマス。クリスマスといえばミンスパイとシュトーレンと、パネトーネとパンドーロとストゥルッフォリよ」
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