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一章
19、キスの続きを【2】
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まったく困った子だ。俺は小さく息をついた。
こんなにも純真に育っているのに、俺を煽るような愛らしい声を出すのだから。
ワンピースの襟を開き、その下にまとっているさらりとした手触りの下着をめくり上げる。
大きくはないが、柔らかな胸には、昨夜俺が刻んだ印がはっきりと残っている。
さすがに初めての日には酷かもしれないと思い、胸の尖りには触れずにいたが。
俺はさらに上体を沈めて、薔薇色の小さな尖りに唇を触れた。びくっと小さくレナーテが身を竦める。
ああ、怖いのだな。可哀想に。
彼女の震えが、唇に伝わってくる。
「大丈夫だ。痛いことは、まだしないから」
「……はい」
――君が恥ずかしがることは、今もこれからもするけれど。
その言葉は口には出さない。
舌先で、脅える胸の尖りに触れ、そして口に含む。柔らかな胸に反して、そこは硬くなっていた。
「や……ぁ、エルヴィン、さまぁ」
「痛くはないだろう?」
「は……い、でも」
何かを訴えようとするレナーテに「でも?」と続きを促しつつ、俺は手際よく彼女のワンピースを脱がせた。上半身を露わにし、ちょうど腹部の辺りに布地が留まっている。
俺から逃れようとしているのか、彼女は必死に足を動かす。
駄目だよ。どこへも行かせない。
君は、俺の腕の中で溺れていくんだ。だから、俺だけに縋りなさい。
レナーテの背中をしっかりと手で支えて、彼女の動きを封じる。
少しやましい気分になりはするが。俺は彼女の夫なのだと、自分に言い聞かせる。
でないと、襲っているような気がしてしまうから。
「あ……ん、んん……ぅ」
レナーテがもがいて逃れようとするたびに、俺の口の中で彼女の胸は翻弄される。
右手は俺の腕をしっかりと掴み、左手は顔を隠している。
けれど、キスだけでもう正気を保てないレナーテの潤んだ瞳も、甘い喘ぎを洩らす唇も、指の間から見えている。
本当に困ったものだ。いつになったら、本当にあなたを抱けるのだろう。
今も愛らしく啼いて、柔らかな肌に触れさせてはくれるのに。
脅えさせたくはない、苦しめたくはない。その気持ちで、どうしも歯止めをかけてしまう。
「あ、だめ……です、エルヴィン、さまぁ」
抱きしめるレナーテの体が、しなやかなその背が弓なりになった。
え? まさか。
俺は驚きに目を見開いた。
俺の腕の中のレナーテの息は荒く、薄い肩が上下している。しかも体はひくひくと痙攣を繰り返す。
まさか胸を弄んだだけで、達してしまったのか? あなたはそんなにも感じやすいのか?
薄く瞼を開いた紫水晶の瞳には、涙が滲み。汗ばんだ頬に、乱れた髪が張りついている。その色香にぞくりとした。
「わたし……?」
「いいんだよ、それで。恥ずかしがらなくていいんだ」
俺は彼女の頭を撫でて、しっとりと汗を浮かべた体を強く抱きしめた。
レナーテは、少し安心したように俺の胸に顔を寄せる。まるで猫がそうするように、顔を擦りつけてきた。
無理だ。このまま自分を抑えるのは。
だが、決めたはずだ。レナーテを怖がらせない、少しずつ慣れさせるのだと。
意志の力は弱くはないはずだが。
なかなかに難しいものだ。
こんなにも純真に育っているのに、俺を煽るような愛らしい声を出すのだから。
ワンピースの襟を開き、その下にまとっているさらりとした手触りの下着をめくり上げる。
大きくはないが、柔らかな胸には、昨夜俺が刻んだ印がはっきりと残っている。
さすがに初めての日には酷かもしれないと思い、胸の尖りには触れずにいたが。
俺はさらに上体を沈めて、薔薇色の小さな尖りに唇を触れた。びくっと小さくレナーテが身を竦める。
ああ、怖いのだな。可哀想に。
彼女の震えが、唇に伝わってくる。
「大丈夫だ。痛いことは、まだしないから」
「……はい」
――君が恥ずかしがることは、今もこれからもするけれど。
その言葉は口には出さない。
舌先で、脅える胸の尖りに触れ、そして口に含む。柔らかな胸に反して、そこは硬くなっていた。
「や……ぁ、エルヴィン、さまぁ」
「痛くはないだろう?」
「は……い、でも」
何かを訴えようとするレナーテに「でも?」と続きを促しつつ、俺は手際よく彼女のワンピースを脱がせた。上半身を露わにし、ちょうど腹部の辺りに布地が留まっている。
俺から逃れようとしているのか、彼女は必死に足を動かす。
駄目だよ。どこへも行かせない。
君は、俺の腕の中で溺れていくんだ。だから、俺だけに縋りなさい。
レナーテの背中をしっかりと手で支えて、彼女の動きを封じる。
少しやましい気分になりはするが。俺は彼女の夫なのだと、自分に言い聞かせる。
でないと、襲っているような気がしてしまうから。
「あ……ん、んん……ぅ」
レナーテがもがいて逃れようとするたびに、俺の口の中で彼女の胸は翻弄される。
右手は俺の腕をしっかりと掴み、左手は顔を隠している。
けれど、キスだけでもう正気を保てないレナーテの潤んだ瞳も、甘い喘ぎを洩らす唇も、指の間から見えている。
本当に困ったものだ。いつになったら、本当にあなたを抱けるのだろう。
今も愛らしく啼いて、柔らかな肌に触れさせてはくれるのに。
脅えさせたくはない、苦しめたくはない。その気持ちで、どうしも歯止めをかけてしまう。
「あ、だめ……です、エルヴィン、さまぁ」
抱きしめるレナーテの体が、しなやかなその背が弓なりになった。
え? まさか。
俺は驚きに目を見開いた。
俺の腕の中のレナーテの息は荒く、薄い肩が上下している。しかも体はひくひくと痙攣を繰り返す。
まさか胸を弄んだだけで、達してしまったのか? あなたはそんなにも感じやすいのか?
薄く瞼を開いた紫水晶の瞳には、涙が滲み。汗ばんだ頬に、乱れた髪が張りついている。その色香にぞくりとした。
「わたし……?」
「いいんだよ、それで。恥ずかしがらなくていいんだ」
俺は彼女の頭を撫でて、しっとりと汗を浮かべた体を強く抱きしめた。
レナーテは、少し安心したように俺の胸に顔を寄せる。まるで猫がそうするように、顔を擦りつけてきた。
無理だ。このまま自分を抑えるのは。
だが、決めたはずだ。レナーテを怖がらせない、少しずつ慣れさせるのだと。
意志の力は弱くはないはずだが。
なかなかに難しいものだ。
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