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番外編
16、夜は長いので【4】
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わたしの意思を汲み取ってくださったのでしょう。エルヴィンさまは、背後から強く抱きしめてくださったの。
「エルヴィン……さまぁ」
「ああ、レナーテはいい子だね。大人になっても、本当に変わらない」
口からハンカチが落ちて。でももう、それを気にする余裕はわたしにはありませんでした。
エルヴィンさまはまだ服をお召しなんです。
わたしは彼の素肌に触れたくて、肌を重ねたくて。
目隠しをされたまま、体をよじってエルヴィンさまの寝間着のボタンを外そうとしました。
「レナーテ。俺にちゃんと抱かれたい?」
わたしは、こくりと頷きます。
「じゃあ、ちゃんと言葉で言わないといけないな」
わたしをお抱きになるとき、エルヴィンさまは意地悪になってしまわれるの。
普段はとても優しくていらっしゃるのに。
「わたしを抱いて……ください。エルヴィンさまが、その……欲しいんです」
視界を閉ざされたわたしには、何も見えません。なのに、エルヴィンさまが柔らかく微笑んだように思えたんです。
さっきまでハンカチを噛みしめていた口。その唇に、エルヴィンさまは優しくキスしてくださいます。
「痛かったら言いなさい」
「え?」
腰に、大きな手が添えられます。わたしの体はふわっと持ち上がりました。そして、屹立の上に降ろされたんです。
「う……ぁ、ぁ……ぁっ」
エルヴィンさまは背後にいらっしゃるから。しがみつくこともできません。
まるで体が軋むように、徐々にわたしの中に入ってくるんです。
圧迫感が苦しくて。なのに、エルヴィンさまはわたしのことを、よくご存じですから。
浅い部分を責められて、わたしはまともな声も出せませんでした。
「ん……っ、んん……ぁ、ぁ……ん」
「ああ、綺麗だよ。レナーテ」
何を仰っているの? エルヴィンさまの位置からは、わたしのことは見えないはずなのに。
何度も穿たれ、敏感な部分を指で触れられ。わたしは荒く短い呼吸を繰り返しました。
「どこが気持ちいい?」
「い、言えま、せん」
「じゃあ、気持ちよくないのかな?」
いいえ、いいえ。でも駄目なの。できないんです。
「ん……んんっ、っ……ぁ」
「こんなに感じているのに。ちゃんと言葉にしないとなぁ」
「無理を、おっしゃらない、で」
エルヴィンさまの指がわたしの唇に触れました。またハンカチを噛まされるのかと思ったのですが。そのまま長い指が、わたしの口の中に入って来たんです。
口を閉じることも出来ないので、唇を伝って唾液が溢れてきます。エルヴィンさまの指まで濡らしてしまい……ああ、なんてはしたないの。
「昼間は清楚でおとなしいのに。レナーテは夜になると淫らになるんだね」
違うの。違うんです。
エルヴィンさまにしか、こんな姿は見せません。
あなたにしか、体も心も許しません。他の殿方と手を繋いだりもしません。
「ん……っ」
口に指を入れられたまま、もう片方の手でエルヴィンさまはわたしの胸の尖りをつまみます。ええ、繋がったまま。
強く先端を押さえられ、びくりと身を竦ませると、中までさらに感じてしまって。
「……ぁ、ぁあ……ん、んんっ」
わたしはエルヴィンさまの腕に爪を立てながら、達してしまったのです。
「エルヴィン……さまぁ」
「ああ、レナーテはいい子だね。大人になっても、本当に変わらない」
口からハンカチが落ちて。でももう、それを気にする余裕はわたしにはありませんでした。
エルヴィンさまはまだ服をお召しなんです。
わたしは彼の素肌に触れたくて、肌を重ねたくて。
目隠しをされたまま、体をよじってエルヴィンさまの寝間着のボタンを外そうとしました。
「レナーテ。俺にちゃんと抱かれたい?」
わたしは、こくりと頷きます。
「じゃあ、ちゃんと言葉で言わないといけないな」
わたしをお抱きになるとき、エルヴィンさまは意地悪になってしまわれるの。
普段はとても優しくていらっしゃるのに。
「わたしを抱いて……ください。エルヴィンさまが、その……欲しいんです」
視界を閉ざされたわたしには、何も見えません。なのに、エルヴィンさまが柔らかく微笑んだように思えたんです。
さっきまでハンカチを噛みしめていた口。その唇に、エルヴィンさまは優しくキスしてくださいます。
「痛かったら言いなさい」
「え?」
腰に、大きな手が添えられます。わたしの体はふわっと持ち上がりました。そして、屹立の上に降ろされたんです。
「う……ぁ、ぁ……ぁっ」
エルヴィンさまは背後にいらっしゃるから。しがみつくこともできません。
まるで体が軋むように、徐々にわたしの中に入ってくるんです。
圧迫感が苦しくて。なのに、エルヴィンさまはわたしのことを、よくご存じですから。
浅い部分を責められて、わたしはまともな声も出せませんでした。
「ん……っ、んん……ぁ、ぁ……ん」
「ああ、綺麗だよ。レナーテ」
何を仰っているの? エルヴィンさまの位置からは、わたしのことは見えないはずなのに。
何度も穿たれ、敏感な部分を指で触れられ。わたしは荒く短い呼吸を繰り返しました。
「どこが気持ちいい?」
「い、言えま、せん」
「じゃあ、気持ちよくないのかな?」
いいえ、いいえ。でも駄目なの。できないんです。
「ん……んんっ、っ……ぁ」
「こんなに感じているのに。ちゃんと言葉にしないとなぁ」
「無理を、おっしゃらない、で」
エルヴィンさまの指がわたしの唇に触れました。またハンカチを噛まされるのかと思ったのですが。そのまま長い指が、わたしの口の中に入って来たんです。
口を閉じることも出来ないので、唇を伝って唾液が溢れてきます。エルヴィンさまの指まで濡らしてしまい……ああ、なんてはしたないの。
「昼間は清楚でおとなしいのに。レナーテは夜になると淫らになるんだね」
違うの。違うんです。
エルヴィンさまにしか、こんな姿は見せません。
あなたにしか、体も心も許しません。他の殿方と手を繋いだりもしません。
「ん……っ」
口に指を入れられたまま、もう片方の手でエルヴィンさまはわたしの胸の尖りをつまみます。ええ、繋がったまま。
強く先端を押さえられ、びくりと身を竦ませると、中までさらに感じてしまって。
「……ぁ、ぁあ……ん、んんっ」
わたしはエルヴィンさまの腕に爪を立てながら、達してしまったのです。
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