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二章
9、星宇の過去【2】
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うだるような暑い午後だった。毛皮が密集していて暑さに弱い天雷は木陰で寝そべっていた。傍らには幼い瑞雪が夏草の上に腰を下ろしている。
風も停滞し、瑞雪はしきりにひたいに浮かぶ汗を拭っていた。草いきれの青い匂いが強く、蝉すらも鳴くのを止めていた。
庭から離れた母屋が、急に騒々しくなった。瑞雪の母の悲鳴と『大変だ、欣然が!』と叫ぶ父の声が響く。
これまで聞いたこともない声だ。瑞雪は立ち上がり、目を覚ました天雷も警戒して両耳を立てる。
『瑞雪、瑞雪。どうしたらいいんだろう、叔母さまが』
兄がつまずいて転びそうになりながらも、瑞雪の元に駆けてきた。
『叔母さまが侍女に毒を盛ったって、それで笞打ちになって瀕死だって……』
兄は流れる涙を拭うことすらできずに、瑞雪を抱きしめた。
天雷には、笞打ちも瀕死の意味も分からない。ただ、とてつもなく恐ろしいことが起こって、欣然が危ない目に遭っていることだけは伝わってきた。
『おばさまは、どくはあぶないからさわっちゃダメっていってたよ? おくすりもどくになるから、ダメって』
立ち上がった瑞雪の膝が、がくがくと震えだす。天雷は尻尾を垂れさせて、瑞雪を見上げた。
その日のうちに、欣然は璠家に戻された。引き車の板の上でぐったりと横たわる欣然は、まるでゴミであった。みすぼらしい麻の衣の背中一面は、赤黒い血で染まっていた。錆びた鉄のような匂いがきつい。それは血の匂いだった。
『阿欣! 阿欣! しっかりして』
瑞雪の母は、叔母をいつもの愛称で呼んだ。欣然はなんとか手を伸ばそうとしたが、ほんのわずかでも板から指を離すのさえ難儀なようだ。
『義姉さん……兄さん、ごめんなさい』
口の端に血をこびりつかせた欣然が、かろうじて声を発する。
『私、何も、してません。本当に何も……』
それまで何度訴え続けたことだろう。欣然は自分の無実を繰り返した。
璠家は薬師の一族だ、瑞雪の母親も幼い頃から璠家で薬について学んできている。まだ幼い兄も瑞雪も、薬の知識は叩きこまれている。
だからこそ生薬の取り扱いには、誰もが細心の注意を払う。
相手が気に入らないから毒を盛りました、などあり得ない。薬の量を間違えました。そんな馬鹿なことを璠家の人間はしない、するはずがない。
人的な間違いは必ずあるものだ。だからこそ璠家の人間は生薬の種類と量を必ず二重三重に確認する。
璠家で暮らしている間に、天雷はそうした教えを何度も耳にした。
『ええ、ええ。分かりますよ。阿欣は誰かに嵌められたのです』
欣然を慰めるためだったのかもしれないが、瑞雪の母親がとっさに出した言葉は真実だ。
どの妃嬪の侍女が毒を盛られたのか、欣然も璠家の者も教えてもらうことはできなかった。
毒にあたった侍女が、璠の人間を怖がっているから——と。
おかしな話ではないか。欣然が犯人であれば、誰が被害者であるか周知のはずなのに。欣然は被害者を知らぬ。力のある者が裏で糸を引いているのではないか。
背中の傷がようやく癒えた頃、欣然は追い立てられて璠家を出た。
国外追放。もう二度と岷国の地を踏むことはない旅路だ。それでも死罪にならなかったのは、尚食としての地位を築いていた斉一桐が減刑を願い出てくれたからだ。
欣然がいなくなってから、幼い瑞雪はずっと手紙を書き続けた。文字が難しくてうまく書けなくても、叔母の身を案じて筆を執った。
幾月も、幾年も。墨汁で指や手を黒く染めながら。
高価な紙は使わせてもらえないので、瑞雪はぼろ布から作った麻紙に手紙を綴った。紙は床に積み上がり、子猫の姿よりも育った天雷は机に向かう瑞雪の小さな背中を見つめ続けた。
——ぼくがおばさまに、とどけてあげればいいんだ。
夜になると欣然のことが恋しくなるのだろう。瑞雪に抱きしめられた天雷の被毛は、彼女の涙でよく濡れた。
——おばさまにおてがみをもっていったら、ルイシュエはわらってくれるかな。
『な、なーぁ』
だがそう伝えようとしても、天雷の口からは猫の鳴き真似しか出てこない。
——きっとひとのことばも、なけるようにならないといけないんだ。
いや、違う。人の言葉を話す貂は怪しまれる。だったら、どうしたらいいんだろう。
解決策も分からないまま、天雷は瑞雪の書いた手紙を一枚咥えた。不思議なことに、ふかふかの被毛の中に手紙が入る。驚いた天雷は、次の一枚も毛の中に入れてみた。
——はいる! すごい、さすがはぼく。すごいよ。
あまりの驚きに天雷は、紙窓から差し込む月光に目を輝かせた。
頰に涙の痕を残しながら眠っている瑞雪に、天雷は顔を寄せた。きっと起きているときに出発を告げたら、瑞雪は「自分も行く」と言い張るだろう。
それはいけない。欣然のいる南方というのは遥かに遠く、危険な場所だと瑞雪の両親が話していた。
——でもぼくはすごいから、いけるんだ。
『ティエンレイ、こっちだよ』
夢の中で瑞雪は天雷を呼び寄せている。
『なーぁ』と答えると、眠ったままで瑞雪は微笑んだ。
自分がいれば瑞雪は笑っていられる。でも、心の底では欣然を失った寂しさから逃れられない。
——よし、いこう。
瑞雪が書き続けた手紙と一緒なんだ。だから一人じゃない、大丈夫。
天雷は何度も振り返りながら、部屋を出て行った。
月は明るく、夜なのにたなびく雲が白く見えるほどだ。夜露の降りた草を肉球で踏むと、邪魔をされたとばかりにバッタが跳ねた。
風も停滞し、瑞雪はしきりにひたいに浮かぶ汗を拭っていた。草いきれの青い匂いが強く、蝉すらも鳴くのを止めていた。
庭から離れた母屋が、急に騒々しくなった。瑞雪の母の悲鳴と『大変だ、欣然が!』と叫ぶ父の声が響く。
これまで聞いたこともない声だ。瑞雪は立ち上がり、目を覚ました天雷も警戒して両耳を立てる。
『瑞雪、瑞雪。どうしたらいいんだろう、叔母さまが』
兄がつまずいて転びそうになりながらも、瑞雪の元に駆けてきた。
『叔母さまが侍女に毒を盛ったって、それで笞打ちになって瀕死だって……』
兄は流れる涙を拭うことすらできずに、瑞雪を抱きしめた。
天雷には、笞打ちも瀕死の意味も分からない。ただ、とてつもなく恐ろしいことが起こって、欣然が危ない目に遭っていることだけは伝わってきた。
『おばさまは、どくはあぶないからさわっちゃダメっていってたよ? おくすりもどくになるから、ダメって』
立ち上がった瑞雪の膝が、がくがくと震えだす。天雷は尻尾を垂れさせて、瑞雪を見上げた。
その日のうちに、欣然は璠家に戻された。引き車の板の上でぐったりと横たわる欣然は、まるでゴミであった。みすぼらしい麻の衣の背中一面は、赤黒い血で染まっていた。錆びた鉄のような匂いがきつい。それは血の匂いだった。
『阿欣! 阿欣! しっかりして』
瑞雪の母は、叔母をいつもの愛称で呼んだ。欣然はなんとか手を伸ばそうとしたが、ほんのわずかでも板から指を離すのさえ難儀なようだ。
『義姉さん……兄さん、ごめんなさい』
口の端に血をこびりつかせた欣然が、かろうじて声を発する。
『私、何も、してません。本当に何も……』
それまで何度訴え続けたことだろう。欣然は自分の無実を繰り返した。
璠家は薬師の一族だ、瑞雪の母親も幼い頃から璠家で薬について学んできている。まだ幼い兄も瑞雪も、薬の知識は叩きこまれている。
だからこそ生薬の取り扱いには、誰もが細心の注意を払う。
相手が気に入らないから毒を盛りました、などあり得ない。薬の量を間違えました。そんな馬鹿なことを璠家の人間はしない、するはずがない。
人的な間違いは必ずあるものだ。だからこそ璠家の人間は生薬の種類と量を必ず二重三重に確認する。
璠家で暮らしている間に、天雷はそうした教えを何度も耳にした。
『ええ、ええ。分かりますよ。阿欣は誰かに嵌められたのです』
欣然を慰めるためだったのかもしれないが、瑞雪の母親がとっさに出した言葉は真実だ。
どの妃嬪の侍女が毒を盛られたのか、欣然も璠家の者も教えてもらうことはできなかった。
毒にあたった侍女が、璠の人間を怖がっているから——と。
おかしな話ではないか。欣然が犯人であれば、誰が被害者であるか周知のはずなのに。欣然は被害者を知らぬ。力のある者が裏で糸を引いているのではないか。
背中の傷がようやく癒えた頃、欣然は追い立てられて璠家を出た。
国外追放。もう二度と岷国の地を踏むことはない旅路だ。それでも死罪にならなかったのは、尚食としての地位を築いていた斉一桐が減刑を願い出てくれたからだ。
欣然がいなくなってから、幼い瑞雪はずっと手紙を書き続けた。文字が難しくてうまく書けなくても、叔母の身を案じて筆を執った。
幾月も、幾年も。墨汁で指や手を黒く染めながら。
高価な紙は使わせてもらえないので、瑞雪はぼろ布から作った麻紙に手紙を綴った。紙は床に積み上がり、子猫の姿よりも育った天雷は机に向かう瑞雪の小さな背中を見つめ続けた。
——ぼくがおばさまに、とどけてあげればいいんだ。
夜になると欣然のことが恋しくなるのだろう。瑞雪に抱きしめられた天雷の被毛は、彼女の涙でよく濡れた。
——おばさまにおてがみをもっていったら、ルイシュエはわらってくれるかな。
『な、なーぁ』
だがそう伝えようとしても、天雷の口からは猫の鳴き真似しか出てこない。
——きっとひとのことばも、なけるようにならないといけないんだ。
いや、違う。人の言葉を話す貂は怪しまれる。だったら、どうしたらいいんだろう。
解決策も分からないまま、天雷は瑞雪の書いた手紙を一枚咥えた。不思議なことに、ふかふかの被毛の中に手紙が入る。驚いた天雷は、次の一枚も毛の中に入れてみた。
——はいる! すごい、さすがはぼく。すごいよ。
あまりの驚きに天雷は、紙窓から差し込む月光に目を輝かせた。
頰に涙の痕を残しながら眠っている瑞雪に、天雷は顔を寄せた。きっと起きているときに出発を告げたら、瑞雪は「自分も行く」と言い張るだろう。
それはいけない。欣然のいる南方というのは遥かに遠く、危険な場所だと瑞雪の両親が話していた。
——でもぼくはすごいから、いけるんだ。
『ティエンレイ、こっちだよ』
夢の中で瑞雪は天雷を呼び寄せている。
『なーぁ』と答えると、眠ったままで瑞雪は微笑んだ。
自分がいれば瑞雪は笑っていられる。でも、心の底では欣然を失った寂しさから逃れられない。
——よし、いこう。
瑞雪が書き続けた手紙と一緒なんだ。だから一人じゃない、大丈夫。
天雷は何度も振り返りながら、部屋を出て行った。
月は明るく、夜なのにたなびく雲が白く見えるほどだ。夜露の降りた草を肉球で踏むと、邪魔をされたとばかりにバッタが跳ねた。
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