白苑後宮の薬膳女官

絹乃

文字の大きさ
29 / 32
三章

4、本性

しおりを挟む
「食材の管理は私に一任されていますからね。保管庫に行って足りぬものを一緒に探しましょう」

 一桐はふっくらとした手で、瑞雪の背中を押した。

「皆さんは調理を続けてくださいね。孫時宜さん、持ち場を離れてはなりませんよ」

 誰も主席女官である一桐の命令には逆らえない。女官たちは顔を見合わせて、再び調理を始めた。
 ダメだ、このまま連れていかれたら。陛下が殺されてしまう。

 さぁ早く出ていけとばかりに、背中に触れる一桐の手が急かしている。どうにかしてこの場に留まる理由を、一桐の注意を逸らせる何かがあれば。

「あっ!」と、瑞雪は声を張り上げた。
 灰色の残像が床に見えたのだ。それは素早く調理台の下へと走っていった。

「どうしたのです、瑞雪。びっくりするではありませんか」

 一桐の手が離れた。呼び名すらも「瑞雪さん」ではなく「瑞雪」と変わっている。動揺している今だ。瑞雪は慌てた様子で調理台を指さした。

「鼠です。鼠が今、走っていたんです! かなり大きいです」

 瑞雪の指摘に、女官たちが「きゃあああっ」と悲鳴を上げる。

「そこです! 足を登られますよ」

 瑞雪は女官たちの足元を指さした。

「どこよ」
「いやぁ、猫を連れてきて」
「誰か捕まえて」

 穀物や食材を扱う場所に鼠がいるのは当然だが、やはり目にするのは怖いのだろう。開いた窓から逃げようとする者、まさかの調理台によじ登ろうとする者までいる。

「お静かに! 落ち着きなさい」

 一桐の叱責すらも、女官の耳には届かない。部下たちの混乱を一桐はなんとか収めようと焦っている。
 この隙だ。瑞雪は室内に目を凝らした。

 毒として用いられるのは干した莨菪ろうとう。見た目は藍苺ランメイと変わらない。そして小甜餅シャオティエンビンに細工をしてどれが無毒であるのか分かるようにするには——毒見みずから菓子を作るはずだ。

 もし伝達に間違いでもあれば、女官がその場で死んでしまうのだから。
 誰だ、どこにいる。一桐に買収され、毒見を託された女官は。

「尚食さま。外に出てもいいですか、あたし鼠が本当に怖くて」

 おろおろとしながら一人の女官が一桐に頼み込んでいる。手に小さな蓋つきの壺を包んで。

(これか、莨菪の実)

 瑞雪は瞬時に調理台に目を向けた。そこには藍苺の入った器が残っている。小甜餅に持って逃げねばならぬほど、高価な香辛料は用いない。そう、毒以外は——

 壺を大事そうに両手で包んだ女官は痩せていた。
 この顔、覚えている。瑞雪は目を見開いた。以前、瑞雪に足をかけて転倒させようと企んだ女官だ、言い争いをしたから覚えている。確か杏杏シンシンと呼ばれていた。

 瑞雪は戸口から廊下に出ようとした杏杏の前に立ちふさがった。

「退いてよ。こっちは急いでいるのよ」

 杏杏が肩で瑞雪を突き飛ばす。だが残念なことに杏杏は痩せこけて細く、薬草畑での作業に慣れている瑞雪の体はぐらつかない。むしろ杏杏の方がよろけた。

「あっ」

 壺が杏杏の手から離れる。一桐が「落とすでないっ」と絶叫に近い声を上げた。何事かと室内にいる女官たちが一斉に一桐に視線を向ける。もはや鼠どころではない。

 宙に浮いた壺を瑞雪は叩き落とした。握り締めたこぶしで目にも止まらぬ速さで。
 壺の蓋が外れ、本体が割れる。割れ残った底の方が床を転がっていく。萎んだ藍紫らんしの粒が散乱した。

「あ、あっ、あああっ」

 杏杏は慌てて莨菪の粒を拾おうとした。その時だった、調理台の下から走り出た鼠が毒の実を咥えたのは。
「やめて、返して」と、杏杏が鼠を追う。

「あの鼠を捕えなさい。瑞雪、お前ならできるでしょう? 今、藍苺は貴重なのです」

 一桐に命じられたが、瑞雪は動かなかった。

「……わたしでは無理です。一桐さま」

 そう、あなたが叔母さまを陥れたと知った今では。もう命令は聞けません。

「使えない奴め」

 一桐は忌々しそうに眉をひそめて、舌打ちした。そして鼠を追ったが遅かった。鼠はすでに莨菪の実を食べてしまったのだから。

「何てこと」と呟いて、一桐は立ち尽くしている。杏杏は急いで鼠を追いかけて走った。

 鼠は怖いと言っていたばかりなのに、泡を吹いて倒れた鼠を杏杏は素手で掴む。他の掌膳の女官たちは顔を見合わせて息を呑んだ。
 苦手でなくとも誰も鼠を手づかみなどできない。

「その者を捕えよ! そいつは毒を隠し持っていたのだぞ」

 一桐の鋭い命令が廊下に響いた。

「その者って、誰?」
「杏杏のこと? 毒見が毒を持っていたの?」

 女官たちはおろおろと互いに顔を見合わせる。廊下には死んでしまった鼠と散乱した藍苺、そして絶叫しながら床をこぶしで叩く杏杏。

「そうだ、呉杏杏ウーシンシンは毒見でありながら陛下を毒殺しようと企んでおった。誰が宦官を呼んで参れ」
「違います、あたしは……」
「何も違わぬ。ええい、見苦しい。この逆賊が」

 訴えようとする杏杏の言葉を、一桐は遮る。

(ああ、こうやって叔母さまは正当な主張すらも聞いてもらえずに罰せられたのか)

 瑞雪は目の前が暗くなるのを感じた。かつて同じようなことが後宮で繰り広げられた。鼠の代わりに侍女であった宋舞が毒に倒れ、叔母の無実の訴えは聞き入れられることはなかった。

 当時はもっと慎重に一桐も動いたことだろう。欣然ですら自分を陥れたのが一桐であると分からなかったはずだ。もし知っていたら、一桐には気をつけろと伝えていたはずだから。
 瑞雪はしゃがんで床に落ちた莨菪の実を拾った。一粒、二粒……十粒。干した実は皴が寄り、黒っぽく見える。

「一桐さま。貴重な藍苺ですよ、どうぞ」

 てのひらに載せた毒の実を一桐に差し出す。

「床に落ちたものを陛下の菓子には使えませんね。一桐さまが召し上がってください」
「何を言っているのだ? 瑞雪。私も床に落ちた藍苺など」
「でも貴重なのでしょう? 捨てるのも勿体なくありませんか。それとも……」

 瑞雪は言葉を切って立ち上がった。

「藍苺にそっくりな莨菪を食べたら死んでしまうから。だから一桐さまは食べることができないんですか?」
「瑞雪……」

 一桐の声がかすれている。莨菪を決して受け取るまいと、短い指をぐっと握り締めながら。

「ああ、ごめんなさい。尚食ともあろうお方が食材と偽って毒物を購入するはずないですよね。えっと、これも薬命司であるわたしの責任になるんでしょうか。先代の薬命司の時も確か同じ莨菪でしたよね?」

 今は焼き菓子である小甜餅シャオティエンビン、かつては杏仁汁粉きょうにんじるこ。そこにどんな事情があるかは知らぬが、食の安全を確保すべき人間が一番危険とは笑えない。

「どうしますか? 一桐さま。やはり今度も薬命司が悪人ですか?」

 なぜ一桐が、廃止された薬命司を復活させたのかようやく分かった。
 文護ウェンフーに毒を盛った実行犯を杏杏に、毒の入手先を瑞雪にするためだ。これまで隠していた欣然と瑞雪の血のつながりを暴露して、自分は逃れるつもりだったのだろう。皇帝暗殺という大罪から。

「ちが……私ではない。私はただ欣然シンランの悪行を止めようとしたのだ」

 唇を震わせながら、一桐は言葉を必死で紡ぐ。

「そうだ。欣然の減刑を嘆願したのは私であるぞ。そんなにも薬命司の立場を慮る尚食たる私が、毒を盛るはずなかろう」

 瑞雪から逃れようと一桐は後ろに下がった。そして壁にぶつかって止まる。

「ええ、毒じゃないんですね。なら、これはあくまでも藍苺。どうぞ、一桐さま」

 一桐のふくよかな手首を掴み、右手で彼女の指を開いていく。そして瑞雪は一桐のてのひらに毒の実を落とす。
 指の間から実がこぼれていく。

「やれやれ、往生際が悪いですね」

 決して一桐の手首を離さぬまま、瑞雪は莨菪を拾ってまた渡す。一桐は再び毒の実を落とし、瑞雪は拾う。

「……しつこいぞ、瑞雪」

 憎々しげに歯を見せて、一桐が瑞雪を睨みつける。眉根を寄せたその表情のどこにも、瑞雪を可愛がっていた面影はない。
 目を閉じて、瑞雪はかつての一桐を思い出す。

 ——こちらですよ、阿雪アーシュエ。欣然ばかりじゃなくて、私にも抱っこさせてくださいな。

 両手を広げて小さな瑞雪を抱きしめた一桐は、元から幻だったのか。

「ええ、わたしはしつこいです。叔母さまの人生を奪われたのですから。どこまでも食い下がりますし、諦めません」
「誰か! 薬命司が乱心した。取り押さえよ!」

 しびれを切らした一桐が叫ぶ。その時、女官が動いた——杏杏だ。

「そうだ、呉杏杏ウーシンシン。お前の名誉を守ってやろう。薬命司にその藍苺を食わせるのだ」

 ゆらりと立ち上がった杏杏が莨菪を握り締めて、歩き出す。

「やめなさい! 呉杏杏」

 時宜の声が廊下の天井や壁に響く。

 その時だった。廊下の窓の格子が鈍い音を立てて砕けたのは。割れた格子ごと紙窓しそうが廊下に落ちてくる。一瞬遅れて、黒い影が飛び込んできた。

 誰もが呆然と立ち尽くす中、影は瑞雪の体を後ろに引っ張った。まるで重さを忘れたかのように、瑞雪の足が地面から離れる。
 視界には黒い服。そして明るい色の柔らかな髪。床が遠い。

「何事もないか? 瑞雪」

 問いかけてきたのは星宇だった。瑞雪を右肩に担いで、すっと立っている。枠だけになった窓から入る四角い光に照らされて、星宇は銀の光を纏っているように見えた。

「星宇さん。どうして。陛下は?」
「すでに陛下と他の護衛に異変は知らせた。案ずるな、瑞雪。私は足が速い、知っているだろう?」

 瑞雪を肩に担いだまま、星宇が低く優しい声で囁いた。

「……うん、知ってる」

 足が速いことも。どこまでも走って、そして戻ってきてくれることも。
 天雷の、星宇の向かう先には光がある。いつも、いつまでも。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる

gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く ☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。  そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。  心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。  峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。  仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く 

液体猫
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞受賞しました(^_^)/  香を操り、死者の想いを知る一族がいる。そう囁かれたのは、ずっと昔の話だった。今ではその一族の生き残りすら見ず、誰もが彼ら、彼女たちの存在を忘れてしまっていた。  ある日のこと、一人の侍女が急死した。原因は不明で、解決されないまま月日が流れていき……  その事件を解決するために一人の青年が動き出す。その過程で出会った少女──香 麗然《コウ レイラン》──は、忘れ去られた一族の者だったと知った。  香 麗然《コウ レイラン》が後宮に現れた瞬間、事態は動いていく。  彼女は香りに秘められた事件を解決。ついでに、ぶっきらぼうな青年兵、幼い妃など。数多の人々を無自覚に誑かしていった。  テンパると田舎娘丸出しになる香 麗然《コウ レイラン》と謎だらけの青年兵がダッグを組み、数々の事件に挑んでいく。  後宮の闇、そして人々の想いを描く、後宮恋愛ミステリーです。  シリアス成分が少し多めとなっています。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

後宮の隠れ薬師は闇夜を照らす

絹乃
キャラ文芸
12月26日よりコミカライズ開始。 旧題:後宮の隠れ薬師は、ため息をつく~花果根茎に毒は有り~ 陸翠鈴(ルーツイリン)は年をごまかして、後宮の宮女となった。姉の仇を討つためだ。薬師なので薬草と毒の知識はある。だが翠鈴が後宮に潜りこんだことがばれては、仇が討てなくなる。翠鈴は目立たぬように司燈(しとう)の仕事をこなしていた。ある日、桃莉(タオリィ)公主に毒が盛られた。幼い公主を救うため、翠鈴は薬師として動く。力を貸してくれるのは、美貌の宦官である松光柳(ソンクアンリュウ)。翠鈴は苦しむ桃莉公主を助け、犯人を見つけ出す。※中国の複数の王朝を参考にしているので、制度などはオリジナル設定となります。 ※第7回キャラ文芸大賞、後宮賞を受賞しました。ありがとうございます。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

処理中です...