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第2章 未来のスクール
① 子供部屋(1)
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さて、スクールに隣接した子供の家で、子供達はどんな生活を送っているのだろう。
♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤
エムフィ・エリアの子供は、生まれてすぐから保育コースが修了するまでの間、
朝から晩まで同じ年の子が大きな部屋の中で、集団生活をしている。
初級コースに進むと、上級コースを卒業するまで、年齢が入り混じった子供部屋で一緒に寝起きする。
新しい部屋に入りたての子供は、知らない上の学年の子ばかりの部屋の生活になじめず、
保育コースの部屋に戻る子や、保護者の家へだまって帰ろうとする子がいる。
そのたびに、先生やスタッフが、大慌てで子供を探し回ったり、部屋に連れ戻したり、
その部屋に慣れるまで、付き添いのスタッフがそばで寝起きしたり…。
そんな周りの苦労もお構いなく、子供達は部屋でお互いの権利を主張しては、ケンカを繰り返す。
先生もスタッフも、時には怒鳴ったり、涙を浮かべて抱き締めたり、一緒に泣き、笑いながら、
初級生が新しい環境に慣れるまで、辛抱強く見守っている。
特に管理が厳しくて、戦争を禁止している平和的なエムフィ・エリアは、
ひとときの安住を求める移住者に、一時的に落ち着ける場所を提供した。
近くで災害や戦争などがあると、エムフィ・エリアの人口が急激に増え、
時間が経つと、管理の厳しいこのエリアのルールになじめず、潮が引くように人口が減ってゆく・・・。
つまり、他のエリアに比べると、入ってくる人も多いが、出てゆく人も多い。
タケルが火星行きを決めた同じ時期、新たに火星への移住を志す親と一緒に、
たくさんの子供達が子供の家を離れた。
では、キラシャの部屋の住民を簡単に紹介しておこう。
♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤♣♧♠♤
最上級生の子は、もうすぐスクールの卒業を迎える15歳のケイ。
オシャレで素敵なデザインの宝石を見ると、何時間もずっと夢の世界にいられる彼女は、
宝石のデザイナーを目指し、卒業後の進路も、デザイナー・カレッジと決まっている。
デザイナーとしての才能はAクラスなので、あとは卒業テストに合格できれば、
それがカレッジへの入学許可となる。
ケイは恋愛学のパートナーで、同じ年のボブと、仲良くテスト勉強に励んでいる。
上級生は、恋愛学を授業として学ぶ。
そこでは、パートナーを選ぶ目を養い、お互い助け合って生活するための心構えを
身につけることが目標となる。
だから、単位を取るためには、パートナーと2人の将来や恋愛についての考えなど、
話し合った結果をレポートして、担当の先生に合格を認めてもらわなくてはならない。
自然と恋愛を楽しむ、雰囲気の良いカップルも出てくる。
逆に、気持ちが通じ合えないまま、しかたなく恋愛学で出された宿題のレポートを作成する、
気の毒なカップルもいる。
授業を選択する生徒達は、モアで登録している人物を検索し、自分の好みの相手を選択する。
付き合ってみて、途中で相手を変えたいという希望も、先生のアドバイスを受けた後、
お互いにキチンと話し合いがついてからだったら、変更可能だ。
トランスジェンダーなど、同じ性の人に興味を持つ生徒は、
同じ考えの人を見つけて恋愛学を学ぶことも可能だ。
ケイは、この恋愛学で良きパートナーを得たようである。
幸せそうなハートを周りに飛ばしながら、2人の新しい生活のために、
迎えに来たボブと楽しそうに買い物へ出かけている。
しかし、こんな素敵なカップルがそばにいると、キラシャは大好きだったタケルを思い出して、
涙が出そうになる。
あんなに信頼し合っていると、思っていたタケルなのに・・・。
タケルが一言も何も言わず、目の前から消えてしまったこともショックだったが、
火星に行ったまま、上級コースになってもタケルが帰って来なかったら・・・。
ケイのような、お似合いのパートナーに出会えるンだろうか・・・?
キラシャは、日増しに不安な気持ちになり、ため息をついては自分の将来を思った。
♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦♡♥♢♦
14歳のルディは、理知的な上級コースの2年生。
宇宙ステーションで生まれたが、流星騒ぎで命からがら家族と地球へと戻って来た。
それでも、いつかは宇宙へ帰りたくて、将来は宇宙船の飛行士を目指している。
宇宙でどんな危険に遭うかわからないから、ドームの外出許可を取るための厳しい訓練を受け、
スポーツはオリン・ゲームを選択している。
オリン・ゲームは、初級・中級・上級レベルに分かれている。
午後の選択科目のひとつで、オリン・ゲームの初級・中級レベルは、ドームの中で行うが、
上級レベルになると、ドームの外で行う。
ドームの外は天候も荒く、視界も悪い。何が起こるか予測できない危険もある。
気候の急な変化によって、暴風に巻き込まれ、行方不明になった生徒もいた。
そんな危険なスポーツでも、テレビ中継もあり、SASUKE(サスケ)のように一度やってみると、
またトライしてみたくなるほど、スクール時代にその魅力に取りつかれた人が多い。
社会人の参加も可能だ。
エリアの大会もあり、上位に入賞するとバッジももらえるので、冒険好きな子供には人気がある。
キラシャもタケルと一緒に参加して優勝を目指したいと、大会に出るための訓練も受けていた。
しかし、大会で子供が危険な目に遭うのではと、心配する保護者には不評だ。
上級レベルのチームは2人1組で、相手は誰と組んでもよいが、危険を伴うので、
たいていは恋愛学で知り合った信頼できるパートナーを選んでいるようだ。
ルディも付き合って2年目のジャンと、仲良くオリン・ゲームのトレーニング。
ルディもきれいだが、同じ年のジャンもカッコいいので、みんなからうらやましがられている。
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エムフィ・エリアの子供は、生まれてすぐから保育コースが修了するまでの間、
朝から晩まで同じ年の子が大きな部屋の中で、集団生活をしている。
初級コースに進むと、上級コースを卒業するまで、年齢が入り混じった子供部屋で一緒に寝起きする。
新しい部屋に入りたての子供は、知らない上の学年の子ばかりの部屋の生活になじめず、
保育コースの部屋に戻る子や、保護者の家へだまって帰ろうとする子がいる。
そのたびに、先生やスタッフが、大慌てで子供を探し回ったり、部屋に連れ戻したり、
その部屋に慣れるまで、付き添いのスタッフがそばで寝起きしたり…。
そんな周りの苦労もお構いなく、子供達は部屋でお互いの権利を主張しては、ケンカを繰り返す。
先生もスタッフも、時には怒鳴ったり、涙を浮かべて抱き締めたり、一緒に泣き、笑いながら、
初級生が新しい環境に慣れるまで、辛抱強く見守っている。
特に管理が厳しくて、戦争を禁止している平和的なエムフィ・エリアは、
ひとときの安住を求める移住者に、一時的に落ち着ける場所を提供した。
近くで災害や戦争などがあると、エムフィ・エリアの人口が急激に増え、
時間が経つと、管理の厳しいこのエリアのルールになじめず、潮が引くように人口が減ってゆく・・・。
つまり、他のエリアに比べると、入ってくる人も多いが、出てゆく人も多い。
タケルが火星行きを決めた同じ時期、新たに火星への移住を志す親と一緒に、
たくさんの子供達が子供の家を離れた。
では、キラシャの部屋の住民を簡単に紹介しておこう。
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最上級生の子は、もうすぐスクールの卒業を迎える15歳のケイ。
オシャレで素敵なデザインの宝石を見ると、何時間もずっと夢の世界にいられる彼女は、
宝石のデザイナーを目指し、卒業後の進路も、デザイナー・カレッジと決まっている。
デザイナーとしての才能はAクラスなので、あとは卒業テストに合格できれば、
それがカレッジへの入学許可となる。
ケイは恋愛学のパートナーで、同じ年のボブと、仲良くテスト勉強に励んでいる。
上級生は、恋愛学を授業として学ぶ。
そこでは、パートナーを選ぶ目を養い、お互い助け合って生活するための心構えを
身につけることが目標となる。
だから、単位を取るためには、パートナーと2人の将来や恋愛についての考えなど、
話し合った結果をレポートして、担当の先生に合格を認めてもらわなくてはならない。
自然と恋愛を楽しむ、雰囲気の良いカップルも出てくる。
逆に、気持ちが通じ合えないまま、しかたなく恋愛学で出された宿題のレポートを作成する、
気の毒なカップルもいる。
授業を選択する生徒達は、モアで登録している人物を検索し、自分の好みの相手を選択する。
付き合ってみて、途中で相手を変えたいという希望も、先生のアドバイスを受けた後、
お互いにキチンと話し合いがついてからだったら、変更可能だ。
トランスジェンダーなど、同じ性の人に興味を持つ生徒は、
同じ考えの人を見つけて恋愛学を学ぶことも可能だ。
ケイは、この恋愛学で良きパートナーを得たようである。
幸せそうなハートを周りに飛ばしながら、2人の新しい生活のために、
迎えに来たボブと楽しそうに買い物へ出かけている。
しかし、こんな素敵なカップルがそばにいると、キラシャは大好きだったタケルを思い出して、
涙が出そうになる。
あんなに信頼し合っていると、思っていたタケルなのに・・・。
タケルが一言も何も言わず、目の前から消えてしまったこともショックだったが、
火星に行ったまま、上級コースになってもタケルが帰って来なかったら・・・。
ケイのような、お似合いのパートナーに出会えるンだろうか・・・?
キラシャは、日増しに不安な気持ちになり、ため息をついては自分の将来を思った。
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14歳のルディは、理知的な上級コースの2年生。
宇宙ステーションで生まれたが、流星騒ぎで命からがら家族と地球へと戻って来た。
それでも、いつかは宇宙へ帰りたくて、将来は宇宙船の飛行士を目指している。
宇宙でどんな危険に遭うかわからないから、ドームの外出許可を取るための厳しい訓練を受け、
スポーツはオリン・ゲームを選択している。
オリン・ゲームは、初級・中級・上級レベルに分かれている。
午後の選択科目のひとつで、オリン・ゲームの初級・中級レベルは、ドームの中で行うが、
上級レベルになると、ドームの外で行う。
ドームの外は天候も荒く、視界も悪い。何が起こるか予測できない危険もある。
気候の急な変化によって、暴風に巻き込まれ、行方不明になった生徒もいた。
そんな危険なスポーツでも、テレビ中継もあり、SASUKE(サスケ)のように一度やってみると、
またトライしてみたくなるほど、スクール時代にその魅力に取りつかれた人が多い。
社会人の参加も可能だ。
エリアの大会もあり、上位に入賞するとバッジももらえるので、冒険好きな子供には人気がある。
キラシャもタケルと一緒に参加して優勝を目指したいと、大会に出るための訓練も受けていた。
しかし、大会で子供が危険な目に遭うのではと、心配する保護者には不評だ。
上級レベルのチームは2人1組で、相手は誰と組んでもよいが、危険を伴うので、
たいていは恋愛学で知り合った信頼できるパートナーを選んでいるようだ。
ルディも付き合って2年目のジャンと、仲良くオリン・ゲームのトレーニング。
ルディもきれいだが、同じ年のジャンもカッコいいので、みんなからうらやましがられている。
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