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第3章 美しい転校生
④ キラシャのクラス仲間(2)
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マギィとジョディの2人は、タケルがいなくなったら、別のスポーツの選手が
カッコいいと言って騒いでいる。
どうやらこの2人が、キラシャを問い詰め
タケルとキラシャが話したことを、みんなに言いふらしていたらしい・・・。
2人がキラシャに呪いのメールを送るよう、他の子にも強制していたが、
キラシャはいっこうにめげる様子はなかった。
それに、タケルにいじわるなメールを出しても、まったく返事がなかったので、
キラシャにも関心がなくなったようだ。
キラシャにとっては、タケルがそばにいないことの方がつらかったので、
周りの女の子にイジメを受けても、逆に励みになっているように思えた。
『だって、タケルのこと本当に好きだったもン。
タケルも絶対忘れないって言ってたし・・・。
会えないのは、ホントつらいけどね・・・』
小さいころから一緒だったサリーやエミリは、キラシャにどんなことがあっても、
仲間ハズレなんてしなかったし、いつもと同じように声をかけてくれた。
ケンとマイクは、他の男の子との友情より、キラシャを遊び相手に選んでくれたし、
オリンのチームにも入れてくれた。
『やさしい友達に感謝しなくっちゃ・・・』
マギィとジョディは、チアガールの子と3人でオリン・ゲームに出場するが、
この2人の機嫌を損ねるようなことをしたら、その子は後でいやというほどイジメられる。
女の子のイジメは、怖いのだ。
休日に海洋牧場に行くのだって、キラシャは誘わなかったのだが、
オリンが始まる前に、急に行きたくなったからと言って、参加を申し出て来た。
また、何かたくらんでいるんだろうかといやな予感がしたが、断る理由もなく、
なるべく2人には気をつけようと、キラシャは思った。
サリーとエミリのコンビは、スポーツは苦手だけど、歌が好き。
2人で作った曲を一緒に演奏したり、歌ったりして楽しんでいる。
オリンでは、マイクと走りたがっていたが、キラシャにユズってくれたようだ。
上級コースの恋愛学で、誰をパートナーに選ぶのか、興味が高まる時期でもある。
今回は、隣のクラスでちょっとイイ感じの男の子に、2人がかりで誘い込み、
レースに参加しながら、パートナーの適性を確かめようとするサリーとエミリ。
父親の仕事の都合で転校して来たマイクは、また他のエリアに転校するかもしれないから、
2人ともパートナーの対象から外している。
いつまでも、マイクをからかって、おもしろがっている場合ではないのだろう。
また、海洋牧場へは一緒に行かないが、この2人は同じクラスでも、
ちょっと変わった存在なので、紹介しておこう。
オリエント・エリアから来た12歳のカイと、初級コースから編入して来た7歳のニール。
カイは、すんなりとクラスに溶け込んだマイクと違って、同じエリアの仲間とは、
普通にしゃべっているようだが、他のエリアの子だと共通語でしか話さない。
ニールの場合は、同じ年の子供達と学習するより、自分の研究を早く始めたい
という希望があって、この中級コースを選んだ。
2人とも、同じクラスに長く居続けるつもりはない。
カイの方は、オリエント・エリアで暴動が起きる前に、家族とジヴァ・エリアへ
たどり着いたのだが、規律正しすぎる生活や、親切すぎるモアになじめない。
カイ本人は、移民クラスに行きたかったようだが、家族がこのエリアに定住したいと
考えていたので、しぶしぶそれに従っているという感じだ。
一方のニールは、女の子達のかわいいマスコット。
マイクがプーさんなら、ニールは、ピカチュウだろうか?
好奇心の強い女の子は、自分よりうんと年下で、まだまだかわいい顔のニールが、
難しいプログラムに取り組んでいるのが、不思議でしょうがないらしい。
先生の話によると、ニールほどの知能があれば、すぐにでも上級コースに進んで良いのだが、
上級コースの大半は、ディベート形式の授業や実地訓練が多い。
だから、まず知識を吸収するという点では、中級コースに所属するのが一番なのだ。
しかし、ニールは、いったいどんな研究をしたいのか?
時々、それがクラス中の関心事となる。
高度な知能を持つ生徒では、先輩格のヒロ。
彼が言うには、今よりもっと効率的なエネルギーの開発方法があるらしいとのこと。
これ以上は、言ってもわからないし、ひょっとすると、これですごい金もうけになるから、
秘密にしといた方がいいのかもしれない、とも付け加えた。
未来の技術は、未来の子供達によって、思いもよらないような新しい進歩を遂げるのだ。
ニールがこのクラスに編入してから、生徒は感化されたように、授業中に先生を困らせるような、
難しい質問をするようになった。
キラシャのクラスを担当する先生達は、生徒の突拍子もない質問に、少々戸惑いながら、
モアを最大限に使った説明に追われた。
カッコいいと言って騒いでいる。
どうやらこの2人が、キラシャを問い詰め
タケルとキラシャが話したことを、みんなに言いふらしていたらしい・・・。
2人がキラシャに呪いのメールを送るよう、他の子にも強制していたが、
キラシャはいっこうにめげる様子はなかった。
それに、タケルにいじわるなメールを出しても、まったく返事がなかったので、
キラシャにも関心がなくなったようだ。
キラシャにとっては、タケルがそばにいないことの方がつらかったので、
周りの女の子にイジメを受けても、逆に励みになっているように思えた。
『だって、タケルのこと本当に好きだったもン。
タケルも絶対忘れないって言ってたし・・・。
会えないのは、ホントつらいけどね・・・』
小さいころから一緒だったサリーやエミリは、キラシャにどんなことがあっても、
仲間ハズレなんてしなかったし、いつもと同じように声をかけてくれた。
ケンとマイクは、他の男の子との友情より、キラシャを遊び相手に選んでくれたし、
オリンのチームにも入れてくれた。
『やさしい友達に感謝しなくっちゃ・・・』
マギィとジョディは、チアガールの子と3人でオリン・ゲームに出場するが、
この2人の機嫌を損ねるようなことをしたら、その子は後でいやというほどイジメられる。
女の子のイジメは、怖いのだ。
休日に海洋牧場に行くのだって、キラシャは誘わなかったのだが、
オリンが始まる前に、急に行きたくなったからと言って、参加を申し出て来た。
また、何かたくらんでいるんだろうかといやな予感がしたが、断る理由もなく、
なるべく2人には気をつけようと、キラシャは思った。
サリーとエミリのコンビは、スポーツは苦手だけど、歌が好き。
2人で作った曲を一緒に演奏したり、歌ったりして楽しんでいる。
オリンでは、マイクと走りたがっていたが、キラシャにユズってくれたようだ。
上級コースの恋愛学で、誰をパートナーに選ぶのか、興味が高まる時期でもある。
今回は、隣のクラスでちょっとイイ感じの男の子に、2人がかりで誘い込み、
レースに参加しながら、パートナーの適性を確かめようとするサリーとエミリ。
父親の仕事の都合で転校して来たマイクは、また他のエリアに転校するかもしれないから、
2人ともパートナーの対象から外している。
いつまでも、マイクをからかって、おもしろがっている場合ではないのだろう。
また、海洋牧場へは一緒に行かないが、この2人は同じクラスでも、
ちょっと変わった存在なので、紹介しておこう。
オリエント・エリアから来た12歳のカイと、初級コースから編入して来た7歳のニール。
カイは、すんなりとクラスに溶け込んだマイクと違って、同じエリアの仲間とは、
普通にしゃべっているようだが、他のエリアの子だと共通語でしか話さない。
ニールの場合は、同じ年の子供達と学習するより、自分の研究を早く始めたい
という希望があって、この中級コースを選んだ。
2人とも、同じクラスに長く居続けるつもりはない。
カイの方は、オリエント・エリアで暴動が起きる前に、家族とジヴァ・エリアへ
たどり着いたのだが、規律正しすぎる生活や、親切すぎるモアになじめない。
カイ本人は、移民クラスに行きたかったようだが、家族がこのエリアに定住したいと
考えていたので、しぶしぶそれに従っているという感じだ。
一方のニールは、女の子達のかわいいマスコット。
マイクがプーさんなら、ニールは、ピカチュウだろうか?
好奇心の強い女の子は、自分よりうんと年下で、まだまだかわいい顔のニールが、
難しいプログラムに取り組んでいるのが、不思議でしょうがないらしい。
先生の話によると、ニールほどの知能があれば、すぐにでも上級コースに進んで良いのだが、
上級コースの大半は、ディベート形式の授業や実地訓練が多い。
だから、まず知識を吸収するという点では、中級コースに所属するのが一番なのだ。
しかし、ニールは、いったいどんな研究をしたいのか?
時々、それがクラス中の関心事となる。
高度な知能を持つ生徒では、先輩格のヒロ。
彼が言うには、今よりもっと効率的なエネルギーの開発方法があるらしいとのこと。
これ以上は、言ってもわからないし、ひょっとすると、これですごい金もうけになるから、
秘密にしといた方がいいのかもしれない、とも付け加えた。
未来の技術は、未来の子供達によって、思いもよらないような新しい進歩を遂げるのだ。
ニールがこのクラスに編入してから、生徒は感化されたように、授業中に先生を困らせるような、
難しい質問をするようになった。
キラシャのクラスを担当する先生達は、生徒の突拍子もない質問に、少々戸惑いながら、
モアを最大限に使った説明に追われた。
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