【R18】ねぇ先輩、抵抗やめなよ~後輩にホテル連れ込まれてマカ飲まされて迫られてんだけど?~

レイラ

文字の大きさ
1 / 18
本編

01 なんで同室?

しおりを挟む
302

 渡されたカードキーと同じ番号の部屋の前に立ち、黒戸くろとはなぜか後ろにピッタリと付いてきている水瀬みなせを振り返る。

「えーっと、俺はこれで。お前の部屋は……隣か?……あ、そうだ、明日は休みだし、ゆっくり帰るわ。こっからは別行動って事で」

 じゃ、と背を向けてカードをかざす。
 ピッと短い電子音が聞こえた直後、黒戸がドアノブに手をかけるよりも早く水瀬が動き、扉と彼の間に割って入った。

「やだなぁ先輩。ここは私の部屋でもあるんですよ?」
「は……?」

 酒のせいか頭の回らない黒戸の腕を掴み、扉を開く勢いそのままに、部屋へとなだれ込む。

「ほら、先輩荷物貸してください、片付けるんで。あんまりよく分かってないんですか? 飲みすぎですよ。それとも、私にお世話して欲しいとか?」
「まっ……! おい、なんで同室? ダメだろ、一応男と、女で」

 大して広くもない部屋で、目の前のダブルのベッドがやけに存在感を放っている。
 何とも無さげな水瀬とは対照的に、黒戸は今の状況に目眩がしそうだった。

「~~~~フロントに言ってもう一部屋」
「無理ですってー。今日金曜だしなんとかってイベントのおかげで、この辺りのホテル満室なんですよ。ここだって、たまったまキャンセルが出て取れたんですから」
「なら漫喫にでも」
「漫喫も同じですよ~」

 唖然と立ちつくす黒戸を横目に、水瀬はここに来る前にコンビニで買った飲み物などを机に並べている。
 そして鞄から、手のひらサイズの缶を取り出した。

「はい、どーぞ。先輩結構飲んでましたよね? ウコンです。それ飲んだらお風呂行ってきてくださいよ」
「風呂っておまえ……」
「え……やだ、先輩何考えてるんですか? えっち♡」

 振り返り、腕で胸を隠すような格好をキメる水瀬にげんなりとして、黒戸は深いため息を吐いた。

「うっざ……」
「うわー失礼! でも先輩、さっきの居酒屋ですっごい油のにおいが服とか髪に付いちゃって臭いますよ。私も入りたいんで先に行ってください。もうこうなったら朝まで飲みましょう! お酒買ってきますよ。それなら安心でしょ?」
「おま……はぁ、もう酒はいらねぇ。既に飲み過ぎだ」

 身の危険を感じるのは女のお前だろうと言いかけて諦め、水瀬に押しつけられたウコンを一気に飲み干した。

「うぇ、ウコンってこんなだったっけ? なんかまず……」
「あー、あんま冷えてなかったからですかね? あ、ガウンそこにありましたよ」
「ガウンて……」

 そんな頼りないもの、と思いながらも、酒の回った頭でこれ以上水瀬と言い合うのは面倒になってきた。
 黒戸は水瀬が指さしたガウンとタオルを手に取って、バスルームへと進む。

「私のことは気にせずに、ごゆっくりどうぞ~」
「……言われなくてもそのつもりだわ」

 バタン! と思わず大きな音をたてて扉を閉めた。どうしてこうなったのだろうかと、黒戸は頭が痛くなる思いがしたけれど、酒のせいだと諦める。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...