ドS変態若社長に調教溺愛されそうなので全力で回避したいけど無理かもしれない

酉埜空音

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:メイド、聞き逃す(下):

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 彩華が連れていかれたのは、全身がうつる鏡の前だった。
 おそらく、外国製の鏡だろう。とても大きく、装飾まで入っている。そして隅から隅まで、ばっちりと映る。
 つまりは、鏡の中にはとんでもない姿の己がいるのである。オトナ向けDVDのパッケージよりも淫らかもしれない。
 羞恥心で気絶しそうであるが、彩葉は己の姿から目が離せない。
 胸は強調されるし、足の間にロープは走るし、くすぐったいやら恥ずかしいやら。
「恥ずかしいに決まってるでしょ!」
「そうじゃない。気持ちいはずだ」
 どこがっ、と叫びたいが、紐をきゅっきゅと動かされ、ささやかな刺激でさえ喘ぎが洩れた。
「いい感度だ……」
 言いながらキスが落ちてきた。鏡の前である。見ていられなくてぎゅっと目を閉じる。すると、辰之進の舌の動きがより一層感じられて慌てて目を開ける。と、己の蕩けた表情が視界に入り、困惑する。
「面白いなぁ……よし、あっちへ移動するぞ」
 再びソファーへ連行され、そして口にはよくわからないものを咥えさせられた。
「よし、上出来だ」
 仕上げ、と、取り出したのは木でできた小さな洗濯ばさみ。それを、ぷっくり立ち上がった乳首につけられた。
「んあ、んーっ」
 取って、と揺すれば辰之進が嬉しそうに笑う。
「そんなに自分からおっぱいを揺らすとは……淫らないい子だ。でももしかして、痛くて気持ちいいのが好みかな?」
 違う違う、と慌てて首を横に振る。
「さぁて……これを、落としてはいけないよ」
「ふぁにっ?」
「ディルドだよ。こけしを使おうとかと思ったんだけど、大きいのしかなくてね」
 たっぷりとローションを垂らしたピンクのディルドが、ぐいぐいとロープの隙間から秘所に捻じ込まれる。
「や、やぁあ、む、り……」
「そんなことないさ。ほら、ぐっしょり濡れていやらしいメイドさんだ」
 滴るほどに潤っているとはいえ、彩葉は経験自体が浅い。太い異物は快感よりも異物感と違和感の方が強い。
 たちまち苦しそうな表情になっていく。
「ぬい、てぇ……」
「だぁめ。……いいかい、お仕置きだよ? 彩葉が良い気持ちになったら意味がない」
 かちり、と、スイッチが入る音がした。ディルドが、不規則に動き出した。
「あ、ああっ……」
 強烈な刺激に彩葉はがくがくと震える。普段辰之進が使用するローターの振動の比ではない。
 あまりの強烈な刺激に、こわい、と眼を閉じる。
「大丈夫……すぐ気持ちよくなるから……」
 辰之進が、彩葉の頬を撫でたかと思うと、口を戒めていたモノが外された。
「あ……」
「彩葉」
 強引に唇を重ねてきた。重ね合う、というような優しいものではない。
 噛みつくように塞がれて、一方的に飛びこんできた舌が、彩葉の口腔内を一方的に嬲る。
 歯列や頬の内側を突かれ、舌を吸われ、彩葉の下腹部はきゅんきゅんと震える。が、そのたびに体内の異物を感じてしまう。辰之進のものではないものに支配されている罪悪感と好奇心に彩葉は愕然とした。
 違う、欲しいのはコレじゃない、そう思っている自分がいる。

――あたし、この変態社長の住良木辰之進に抱かれたいって思ってるってこと!?

 まさか、そんな。
 いや、でも。
 葛藤する彩葉をよそに、辰之進は一頻り口腔内を嬲ってそっと離れていく。
 ふたりの間を銀色の糸が繋ぐ。もう一度、と、おねだりしてみれば、辰之進が再びキスをくれる。
「おや……ここも、触って欲しいのかな?」
 辰之進が、洗濯ばさみをつけたままの胸を乱暴に揉みしだき、時折ロープをぎゅっと引っ張る。それらすべてが、彩葉を翻弄する。
「ああ、いい顔するなぁ……蕩けちゃって。もっと見ていたいよ」
「へ……」
「お仕置きとはいえ……俺は彩葉に甘いんだよなぁ……」
 辰之進が楽しそうに言う。
「……ディルドを突っ込んだまま、拘束して一時間ぐらい放置しようと思ったけどこんな淫らな姿みせられて、俺が耐えられそうにない」
 そんな恐ろしいことを考えていたのか、と、彩葉は辰之進を睨みつける。
「大丈夫だよ、彩葉なら一時間ずっと喘いでるさ」
「そんなわけないでしょう!」
「反抗的なメイドだなぁ……」
 乱暴にディルドが引き抜かれ、同時にうつ伏せにソファーに押し倒された。そのまま腰をぐぐっと持ち上げられる。
「や、みない、で……」
「物欲しそうにぱっくりと口開いちゃって……」
 彩葉が何か言う前に、辰之進の熱い雄茎が捻じ込まれた。
「ひゃ、あああ……」
「彩葉、彩葉……ああ、やっぱり可愛い。良い締まりだ」
 背後から激しく突かれ、彩葉は刺激と快感に耐えるのが精いっぱい。
 辰之進が「嫁に欲しいと申し込んだからそのつもりで」と爆弾を投げたことに気付かなかったのである。
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