6 / 18
【本編】
EPISODE 6:世界の“外側”は
しおりを挟むその日の夜、フィロソフィーは何かに呼ばれている気がして診療所の外を出て周りを見渡していた。
「(何やろ……?気のせい、やろうか?なんか、呼ばれたような気がしたんやけど)」
フィロソフィーが軽く首を傾げて診療所へと戻っていくと、フィロソフィーを見つめている赤色の小さな光がいた。
それは、監視をするかのように。
それは、観察をするかのように。
だが、直ぐにノイズが入り砕けて散っていくと其処には何も残っていなかった。
何故、フィロソフィーを観ていたのかは分からない。だが、言えるのは明らかに“異質”な気配だったのかリーオは其処にいつの間にか立っては周りを見ていた。
フィロソフィーの身に何かあれば、直ぐに何故か分かってしまうリーオだからこそ気付いたのかもしれない。
「(何かが、フィロを狙っている?今は、どことなく様子を視ているって事か?最近、色々と起きているのは……フィロが関係しているのか?それとも、何かによってはフィロは邪魔という意味なのか?)…………弟子にも、そことなく周辺について聞いてみるか」
そんな異変が起きて数日が経った時に、1つの情報がオズワルドからの提供があった。
【アンドロメダガーデン、壊滅】
それは、主に奴隷制度を設けていたそこそこ大きなクランの名前だった。
どうやら、オズワルドが所属している領土主の怒りを買ったからこそ壊滅されたという。
「まぁ、いつかは滅びるとは思ったけど」
「アンドロメダガーデンとやらの事か?」
「アッシュも、気にしていたクランでしょ?」
「そりゃあな、でも此方までは来れるような実力ではなかったようだが」
「来ていたら、俺らで壊滅出来ただろうにー。残念ー。」
リーオはアッシュの屋敷の執務室のソファーに座りながらも、報告書として書類を書いてアッシュに投げ渡していた。
その報告書には、ここ数日のオズワルドの近辺で起きた出来事をまとめて書いた内容である。
「だが、数日前の“謎の気配”については解明出来そうにもないな」
「それなんだよねー。たまーに、その変な気配が診療所付近に現れるけど俺が近付くと消えるんだよなぁ」
「不可解、だな」
「まぁ、ただ言えるのは碌なことは起きる気配はないだろうね」
「ふむ……」
アッシュが考え事をしていると、窓から急に青色の髪色で短いツインテールに、緑色の瞳色をしたタレ目をしてメイド服のような服装をしている少女が飛び込んで来ては床に正座で着地をするとアッシュへとキリッとした表情で眼差しを向けていた。
「ミネルバ」
「はーい、ミネルバなのだ!」
「普通に、ドアから入ってきてくれないか?」
「それは、すみませんなのだ!」
「まぁ、急な用事なのだろう?」
「はい、なのだ!」
ミネルバは立ち上がりメイド服のような服のスカートの埃を払い、スカートから出した書類が入った封筒を持って歩き出すとアッシュに手渡しアッシュは受け取る。
「これは?」
「それは、あちら側の情報なのだ!特に、世界統一政府機関の全貌を調べたのだ!どうやら、世界統一政府機関の内部は2派に分かれているらしく互いには干渉はしていないらしいのだ!」
「へー?」
リーオはアッシュの後ろから書類を覗き込み、その中身を見ていて1つの名前を見ては一瞬だけ殺気を出してしまい、アッシュに頭を叩かれては不機嫌そうな表情をしていた。
「っ~」
「気持ちは分かるが、こんな所で殺気を出すんじゃない」
「いやー、だってー?アイツの名前があって、思い出してはムカついたんだよー?ってか、まだ生きていたんだねーアイツ」
「らしい、な。しかも、どうやら世界統一政府機関の統轄者とは……笑えない冗談だな」
アッシュはリーオに書類を手渡すと、リーオは書類の中身を全て覚えたのか机へと投げ捨てると頭を掻いていた。
「って事は、弟子達の方は“第五機関議長”とぶつかるのは確かだろうね」
「そうなのか?」
「まぁ、タダの勘だけど。可能性は、高いとは思っているよ?何せ、その“第五機関議長”も腐っている“プレイヤー”だ」
「なるほど……」
「此方に、被害がないなら別に何をしようが俺等には関係ない。フィロにさえ、何も無ければ……ね?」
2日経った時にオズワルドからの話で、“第五機関議長・ガンゼル”の死の報告を聞いたリーオは何処となく嬉しそうにしていた。
「どうしたん、リーオ?なんか、今日はヤケに機嫌がエエやん??」
「んー?まぁー、悩みのタネが1つ解決したから?」
「悩みのタネ?リーオに??」
「なーに、無いとでも思ったの?」
「いや、別に……」
フィロソフィーが顔を背けては余計な事を言わないようにしていると、リーオは軽く笑ってからフィロソフィーの頬を軽く摘んでいた。
「バレバレ、だよ。フィロ?」
「っ!?」
「わかりやすいなぁー、フィロは」
「えぇ!?そ、そんなにわかりやすいん!?」
「うん、凄くわかりやすい。まぁ、素直って意味でもあるけど」
「えー……………、そんなに………」
リーオに指摘されてフィロソフィーは、何処となく悔しさから不貞腐れていた。
NeXT
0
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!
カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。
その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。
「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」
次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。
彼女は知っている。
このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。
未来を変えるため、アメリアは
冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。
これは、かつて守れなかった主人のための転生。
そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。
王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
挿絵はA I画像を使用
10/20 第一章完結
12/20 第二章完結
2/16 第三章完結
他サイト掲載
(小説家になろう、Caita)
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
