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【本編】
EPISODE 7:フィロソフィー①
しおりを挟む次の日となりリーオは珍しく診療所に居なくて、フィロソフィーは少しだけ淋しくも感じていた。
まぁ、四六時中フィロソフィーの側に基本的にいるリーオが朝から居ないというのが珍しいってのもある。
「どうかしたのか、フィロ?」
「あ、ジャック!いやー、今日は静かだなーって思っておるんよ」
「あー、……リーオが遠出しているからか?」
「遠出??」
「なんか、弟子に頼まれたらしくてな?それで、少し遠出しているらしい。さっき、“扉”見かけたからな」
「なるほど。だから、朝から居らんのやな」
どうやら、リーオが不在なのは“情報屋”としての大きな情報を手にするために出かけているらしい。
それが分かったフィロソフィーは、何処となく安心したような表情をしていた。
「って事は、今日丸一日は確実におらんのやな……リーオ」
「そうだな。ちなみに、リーオからの言伝で“町の外に、何があろうとも出るな”だと」
「まぁ、それはいつも通りやな。でも、なんでボクは外に出たらアカンのや……」
「フィロ……」
「好きなように、ボクも外に出てみたいんやぞ……」
特に5年ぐらいは一人で外に出るという事は、そういう事はしていないのは確かだ。
たった5年、されど5年。
5年という月日で周りの環境だって変わっているのは確かなのだが、その確認さえもまともにしていないフィロソフィーとしては何とも言えない気持ちでいる。
医者として薬剤の材料の変動がないか、何か変な事になっていないかを調べたい所だ。
数日前に、水色の薬草に“異変”が起きていたのは確かなのだ。
「ねぇ、ジャック」
「どうした?」
「例の水色の薬草、アレって何時もの森林で採ってきたんよね?」
「そうだが?」
「……あの薬草、異変が起きていたなら付近の自然にも影響があったかもしれないやん?だから、ちょっと気になってしもうて」
「あぁ、それについてか。それなら、一応周辺の植物を採ってくるが?」
「いや、自分の“眼”で見たいんや!それに、抜いた時と抜かれていない時で植物の状態がわからんのや!」
「……なら、僕が護衛で側に居よう」
「ほんまかっ!?それなら、リーオも文句はあらへんよな!?」
「まぁ、多分(自分じゃないからダメって、騒ぎそうだが)」
「なら、早速行くで!善は急げ、や!」
フィロソフィーは採取場所としている町から、少し離れた所にある森林の入り口に立っていると何かの異変に気付いて手で口元を覆っていた。
「何なんやっ……」
「フィロ、何が“視えている”?」
「森林の奥から、どんどん何かが植物の“フラグメント”を食べておるっ!!食べるだけじゃなく、雑な“書き換え”までっ……文字の色が、赤黒いんやっ」
フィロソフィーは後退りしてジャックにぶつかるが、あんまりの目の前の光景に涙が溢れてくる。
それは、今目の前に広がる森林の自然が変わり果てて行くのを見ては森林の植物からの悲鳴のようなモノが聴こえた。
「ボクは、何も、出来へんっ……!そんなに、助けを求めへんでやっ!!」
「フィロっ!」
フィロソフィーは自分の両耳を塞いでは、その悲鳴のような音から逃げたいと願っても耳を塞いだとしても音は聴こえてくる。
助けたい、だがそれは“正しい”のだろうか。
「フィロ、しっかりしろっ」
「っ……、いや、だっ……」
【タスケテ】
「無理、やっ……ボクには、そんな力っ」
【タスケテ、タスケテ】
「っ~」
【タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ】
フィロソフィーは座り込んで瞳からは血の涙を流して、ハイライトの無い瞳になるとフィロソフィーの周りから青色の光を放つ文字が沢山溢れては森林へと文字式を繋ぎながら流れていく。
「………助ける、から……大丈夫……」
フィロソフィーが手を森林へと伸ばすと、目の前の森林は青色の光に包まれていくと雑な“書き換え”を修復していき植物達を“再生”させていくと、あの悲痛な悲鳴のような音は聴こえなくなるとフィロソフィーは正気に戻り地面へと倒れ込んでしまう。
「フィロっ!!」
ジャックは慌ててフィロソフィーを抱きかかえると、フィロソフィーは眠っているのか寝息が聞こえてきて少しだけジャックは安堵してから懐から端末を出して“リーオ”へと通信を入れる。
『なーに、ジャック?こっちは、まだ仕事中なんたけどー?』
「リーオ、すまない」
『はぁ?なんで、謝ってんの??』
「フィロが、倒れた」
『はぁあ!?な、なんで、そんな、事になってんだよ!!!?』
「すまないっ、まさか、こんな事になるとは思わなかったんだ」
『今すぐ、そっちに戻るから!!診療所に、戻っておけっ!!』
「あぁ、っ」
ジャックは通信を切って懐に端末を仕舞うと先程の事を思い出しては目の前の森林を見れば、確かに数日前から違和感のあった森林は元に戻って元気を取り戻しているかのように空気も違っていた。
「フィロ、お前は……“何と戦っているんだ”?」
NeXT
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