本物勇者に捨てられて次席勇者に拾われた俺

高島静貴( しずたか)

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(11)取り敢えず親密度を★2つにしたい男② 映画館行きのプレのプレのプレ

『えっ、いいよそんな来れるよ』
『ここに来る前に、別の場所に寄りませんか?ケイトさん、最近会社と自宅の往復以外にどこか行きました?』
『ないけど』
『魔族出現警報も、この間のはちょっと長かったですしね』
『それは仕方無いよ』
『国民の皆さんにご理解頂けて恐縮です。残念ながら国軍も俺達でも対応し切れないのが現状なんで』
『なんか答弁みたいになってるよジョルジオ君』
『さすがに数が多いと…あ、すみません』
『そういうのって本当は全部勇者の仕事じゃないの?』
『基本、勇者業務とは魔王の討伐のみです』
『え?』
『魔族どもは派閥はあれど魔王の支援団体なので目障りなので潰していってるだけで』
『ええ?』
『勇者様は面倒なんでゲートを完全に封鎖して魔界ごと消滅させてやりたいと言ってました』
 怖。
 ケイトが顔を引きつらせる。
 しかしケイトは知らなかった。
 勇者の言葉をジョルジオがやんわりと意訳している事を。本当は
『面倒くさい。魔王を今すぐ片付けて後は魔界は今後の為にも一度消滅させてやれれば良いが。世界ごと潰すが、その前に手間掛けされやがったツケは払わせて貰う。取り敢えず火か氷か雷か。お前ならどれがいい?ジョルジオ』
 一応出来ない前提での、勇者の愚痴であったが聞いてたジョルジオは魔界が不憫に思えたのだった。阿鼻叫喚がはっきりと脳裏に浮かぶ。ジョルジオは返答を避けた。天の決まり事がなければ絶対やってるよ、この人。
『でも、そこは何でも決まり事が有るとかで出来ないらしく、不承不承やってるそうです』
 正義感に駆られたからとかではなく仕方無くとかって、どうよって話。
『なら、魔王だけ早く討伐すれば…』
『なんですが、そこは業務秘と言いますか…』
『ビジネスライクに聴こえるんだけど』
『勇者様にしてみれば、そんなものです。ここだけの話ですが、あの方のは基本、正義感とか義憤とかないですからね』
『……イメージと違うんだね』
『それはケイトさんのイメージですか?』
『…いや、その。マンガとか小説とか…』
『他所には崇高で人徳に優れた方が沢山いらっしゃいますが、同時にクズでゲスもいるでしょう。見ませんでしたか?』
 ケイトが首を振る。
『魔王討伐という最終目的さえ果たせれば人格など問題がないんです』
 言い切った!
『でも俺も強くて優しい勇者像が好きですね。別に今代勇者様が嫌いなんじゃないですよ?』
『………』
『ほらほら、勇者様の事はまず置いといて。行きましょう、どっか、ちょっとだけ』
『………』
『ちょっとだけです』
『………』
『ちょっとだけ』
 押されている気がする。
 でもまあいいか、とケイトが折れる。
『ちょっとだけだよ』
『はい、ちょっとだけです』
 流されてるけれど、本気で嫌だったら本気で断ったし。

『じゃあ、ケイトさんには俺達勇者候補の事をもっと知って貰う為に俺が連れて行きます』
『どこに』
『それは勿論!』

『我が国が発祥の地、巨大書店"書物奉行書店"!』

 何か分かってたからケイトは特に発言はしなかった。




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