本物勇者に捨てられて次席勇者に拾われた俺

高島静貴( しずたか)

文字の大きさ
11 / 41

(11)取り敢えず親密度を★2つにしたい男② 映画館行きのプレのプレのプレ

しおりを挟む
『えっ、いいよそんな来れるよ』
『ここに来る前に、別の場所に寄りませんか?ケイトさん、最近会社と自宅の往復以外にどこか行きました?』
『ないけど』
『魔族出現警報も、この間のはちょっと長かったですしね』
『それは仕方無いよ』
『国民の皆さんにご理解頂けて恐縮です。残念ながら国軍も俺達でも対応し切れないのが現状なんで』
『なんか答弁みたいになってるよジョルジオ君』
『さすがに数が多いと…あ、すみません』
『そういうのって本当は全部勇者の仕事じゃないの?』
『基本、勇者業務とは魔王の討伐のみです』
『え?』
『魔族どもは派閥はあれど魔王の支援団体なので目障りなので潰していってるだけで』
『ええ?』
『勇者様は面倒なんでゲートを完全に封鎖して魔界ごと消滅させてやりたいと言ってました』
 怖。
 ケイトが顔を引きつらせる。
 しかしケイトは知らなかった。
 勇者の言葉をジョルジオがやんわりと意訳している事を。本当は
『面倒くさい。魔王を今すぐ片付けて後は魔界は今後の為にも一度消滅させてやれれば良いが。世界ごと潰すが、その前に手間掛けされやがったツケは払わせて貰う。取り敢えず火か氷か雷か。お前ならどれがいい?ジョルジオ』
 一応出来ない前提での、勇者の愚痴であったが聞いてたジョルジオは魔界が不憫に思えたのだった。阿鼻叫喚がはっきりと脳裏に浮かぶ。ジョルジオは返答を避けた。天の決まり事がなければ絶対やってるよ、この人。
『でも、そこは何でも決まり事が有るとかで出来ないらしく、不承不承やってるそうです』
 正義感に駆られたからとかではなく仕方無くとかって、どうよって話。
『なら、魔王だけ早く討伐すれば…』
『なんですが、そこは業務秘と言いますか…』
『ビジネスライクに聴こえるんだけど』
『勇者様にしてみれば、そんなものです。ここだけの話ですが、あの方のは基本、正義感とか義憤とかないですからね』
『……イメージと違うんだね』
『それはケイトさんのイメージですか?』
『…いや、その。マンガとか小説とか…』
『他所には崇高で人徳に優れた方が沢山いらっしゃいますが、同時にクズでゲスもいるでしょう。見ませんでしたか?』
 ケイトが首を振る。
『魔王討伐という最終目的さえ果たせれば人格など問題がないんです』
 言い切った!
『でも俺も強くて優しい勇者像が好きですね。別に今代勇者様が嫌いなんじゃないですよ?』
『………』
『ほらほら、勇者様の事はまず置いといて。行きましょう、どっか、ちょっとだけ』
『………』
『ちょっとだけです』
『………』
『ちょっとだけ』
 押されている気がする。
 でもまあいいか、とケイトが折れる。
『ちょっとだけだよ』
『はい、ちょっとだけです』
 流されてるけれど、本気で嫌だったら本気で断ったし。

『じゃあ、ケイトさんには俺達勇者候補の事をもっと知って貰う為に俺が連れて行きます』
『どこに』
『それは勿論!』

『我が国が発祥の地、巨大書店"書物奉行書店"!』

 何か分かってたからケイトは特に発言はしなかった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...